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長瀬有花「Mofu Mohu」映像化プロジェクトに米国YouTuberマックス&タカハシ・サキ参加

マックス(YouTuber)
11分前2025年07月01日 10:02

これまで計4本のミュージックビデオが公開された長瀬有花のコンセプトアルバム「Mofu Mohu」の全曲映像化プロジェクト。新たにYouTuberのマックスが「われらスプートニク」、イラストレーターのタカハシ・サキが「スケルトン」の映像を手がけた。

「Mofu Mohu」は5月にリリースされた、長瀬が活動の中で構想を重ねてきた「境界の曖昧性(リミナリティ)」や「超現実主義(シュルレアリスム)」といった概念をコンセプトアルバムとして落とし込んだ作品。映像化プロジェクトでは、インストゥルメンタルを除く本作の全楽曲をMV化している。昨日6月30日には映像監督の加藤マニが手がけた「ノートには鍵」のMVを公開。これまでに制作されてきたMV「遠くはなれる思考の聞き取り」「ワンダフル・VHS」「hikari」と合わせて、個性豊かなクリエイターたちが「Mofu Mohu」の世界観を立体的に浮かび上がらせている。

そんな中、7月に「われらスプートニク」と「スケルトン」のMVが新たに公開される。「われらスプートニク」のMVを手がけるマックスは、アメリカ在住のYouTuber。初めて映像監督を担当する彼は、Vlogスタイルを基調としながらも、独自の視点で風景をコラージュ風に切り取る表現で注目を浴びている。一方の「スケルトン」のMVを手がけるアニメーション / イラスト作家のタカハシは、これまで「とろける哲学」「むじゃきなきもち」のMVでも長瀬とタッグを組んでおり、手描きの柔らかな線と色彩で描く、楽曲の音に寄り添った質感が特徴だ。これら2本のMVの公開日などの詳細は、追って長瀬の公式SNSアカウントなどでアナウンスされる。

マックス(YouTuber)コメント

「We are Sputnik」を聴くと、懐かしさがこみ上げてきます。
音に触れた瞬間、旅の記憶がよみがえりました。
音楽には風通しの良い軽やかさがあり、広く開けた空間を思い出させてくれます。
旅というものは、時に“何かを探す”ような行為に感じられることがあります。
何かを見つけるために、何かを学ぶために、どこかへ行かなければならないと思い込んでしまう。
でも最近、少しずつ気づいてきたのは、ただその場所に身を置いて、
雄大な山の前で自分の小ささを感じたり、一人で海岸を歩いたりするだけで、
十分に意味があるということです。

タカハシ・サキ(アニメーション / イラスト作家)コメント

長瀬さんとcat napさんのタッグが大好きなので、MV制作のお声がけをいただき本当に嬉しかったです(^^)
今回の楽曲のコンセプトが「シュルレアリスム」ということで、MVもそれにならって、1枚の絵画を鑑賞するときのように、見れば見るほど惹き込まれるような、意味を考えたくなるようなものにできればいいなという思いで作りました。
また、画面上とリアルを行き来する長瀬さんらしいMVにできるよう、今回はアニメーションにプラスして、実写の映像や写真を混ぜてみました。
日常からふわふわ、ぼんやりと切り離してくれる「スケルトン」という楽曲を、さらに面白くするようなアニメーションにできていたらいいなと思います。

加藤マニ(映像監督)コメント

実しやかに囁かれてきた「ポップミュージックは、最初の30秒が重要なんだ。」という言葉で示される、リスナーに興味を持ってもらうための制限時間は、いつしか「最初の15秒」となり、さらには「最初の10秒」となり、ついには「最初の6秒」が重要になり始めているらしい今日この頃ですが、兎角わたしたちには与えられた時間に対して、楽しそうなことが多すぎるようで、そうした創作に従事する人々は(わたしも含めて)いかに皆さんの手を引いて、目を見開かせ、耳をつまみ、なんとか興味を持ってもらいたい!ということに躍起になってしまう世の中になってしまったようです。(とはいえ、そうした「あなたに興味を持ってもらいたいんだ!」という気持ち自体に、まだ愛は多分に残っていると思ってもいます)

そうした現在において、本楽曲は(あえて語弊を生む言い方をするならば)あまりにも悠長で穏やかな展開を皆さんに提示します。昨今こんなにもボーカルの譜面に大きな休符が入ること自体、珍しいのではないでしょうか。しかしながら悪戯に壮大なワールドミュージック然としたものでもなく、あの頃のベッドルーム、およびヘッドフォンの中に可愛らしく収まるようなシューゲイズ・ミュージックでもあります。それは、ゆるやかにドリップされた香り高いアイスコーヒーのような(ホットコーヒーほど、飲むタイミングが難しいわけでもないのです)、ちょっとした贅沢。というムードを湛えながらも、決してブルジョワなわけでもない。ちょうど良い豊かさというやつなのでしょうか。

旅先の素敵なホテルの部屋に荷物を置いて、すぐ街に飛び出していってしまうわたしには、まだ行いきれないことではあるのですが、ゲストルームでくつろぎながら、読みたかった本を時間を気にせずゆっくり読むような、ガチャガチャ、バタバタしていない幸福のようなものかもしれません。丁寧な暮らしを毎日行うには忙しすぎるわたしたちではありますが、たまの贅沢に対して、コストや時間のパフォーマンスを意識せずに楽しむという気持ちは、やっぱり持っていたいなあと思ってもいます。ポップミュージックを聴くことにおいても、なんというかそうした、溶けゆくロックアイスによって変わっていく飲み物の味を楽しむような緩やかさがあってもいいんですよなあ。と改めて思った次第でした。

そういうわけで本作の映像も、2000年代前後のMTV的な、離脱率を意識しない、それでいて決して退屈なわけではないけれど、定期的な刺激を与え続けるわけでもない、チャンネルを変えられることを恐れない雰囲気のものにしてみました。同世代以上の皆さんにはどこか懐かしく、若きみなさんには少し新鮮なものにできたように思っています。お好みの飲み物を片手に、一旦他のことは全て忘れながら、4分半の鑑賞に耐えうるものになっていたとしたらとても嬉しく思います。

長瀬有花「Mofu Mohu」収録曲

01. Today's Music(Instrumental)

02. スケルトン
[作詞:ねこみ(cat nap)、長瀬有花 / 作曲:ねこむら(cat nap)/ 編曲:森田悠介]

03. われらスプートニク
[作詞:佐藤優介(想像力の血)、長瀬有花 / 作曲・編曲:佐藤優介(想像力の血)]

04. The Listening Room(Instrumental)

05. ワンダフル・VHS
[作詞・作曲:長瀬有花 / 編曲:矢口和弥]

06. ノートには鍵
[作詞・作曲:長瀬有花 / 編曲:矢口和弥]

07. hikari
[作詞・作曲・編曲:清水正太郎(kurayamisaka)]

08. Poisson Soluble(Instrumental)

09. 遠くはなれる思考の聞きとり
[作詞・作曲・編曲:広村康平(ペペッターズ)]

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