JOYSOUND 音楽ニュース
powered by ナタリー
「JOYSOUND X1」公式サイト「ジョイオンプー」LINEスタンプ販売中

Hedigan'sとHAPPY、共鳴する2組がそれぞれのスタイルで魅せた「AWAI」第2回

Hedigan's(Photo by Kippei)
8分前2025年08月08日 12:05

Hedigan'sが8月4日に東京・渋谷CLUB QUATTROで自主企画ライブ「Hedigan's "AWAI vol.2"」を開催した。

「AWAI」は、Hedigan'sが親交のあるアーティストをゲストに招くライブシリーズ。昨年9月の初回はメンバーが敬愛するクレイジーケンバンドを迎えて開催された。第2回となる今回のゲストは、昨年6月に約5年ぶりとなるオリジナルアルバム「Ancient Moods Mahollova Mind」を発表したサイケデリックバンド・HAPPY。Hedigan'sとHAPPYは幻想的な映像演出をバックに、それぞれが独特の音楽世界を描いてオーディエンスを魅了した。

HAPPY

HAPPYはメンバーそれぞれが定位置に付くと、「No Steps」でお互いの感触を確かめるように静かに音を重ね始める。幽玄で浮遊感漂うサウンドに観客が惹き込まれる中、HAPPYはギアを一段階引き上げるように「Naked Mind」をパフォーマンス。その後は「Sundowner」「Solar Notes」「Dazed in Paradise」といった最新アルバムの楽曲を織り交ぜたセットリストを展開し、彼ららしい異国情緒漂うサウンドで場内をサイケデリアで満たしていった。HAPPYは「Hedigan'sとは別のバンドでつながっていたりして、一緒にやれてとてもうれしいです。ファンの方々も温かくて。最後に夏の1曲をやって終わります」と告げると、ノスタルジックなサイケナンバー「Pineal Wave」をじっくりと奏でてステージを終えた。

Hedigan's

Hedigan'sのステージはミディアムナンバー「再生」で幕開け。河西“YONCE”洋介(Vo, G)の深みのある歌声をじっくりと届けると、アバンギャルドなサウンドとサビの軽やかなメロディのコントラストが印象的な「その後...」を続けて披露。鬼気迫るパフォーマンスに観客が沸き立つ中、Hedigan'sは大内岳(Dr)が打ち鳴らす重厚なドラムと栗田将治(G)のノイジーなギターに、本村拓磨(B)のけたたましいトランペットの響きを添えて不穏なムードを演出し、定番曲「説教くさいおっさんのルンバ」の演奏へと突入する。バンドの今現在を反映したアレンジでライブのたびにまったく別の表情を見せる同楽曲だが、この日は焦燥感漂うビートと狂気的なバンドサウンドで届けられ、演奏が終わる頃には異様な熱気が立ち込めていた。

この日のライブを心待ちにしていたという本村は、「HAPPYというバンドが本当に好きだし、心から影響を受けていて。ライブを観ていて『HAPPYを好きな人生でよかったな』って思いました」と感慨深そうにひと言。YONCEは「まだ何も決まってないけどまたやる、勝手に決めた(笑)。なぜなら俺たちもうれしいからです」と、オーディエンスにHAPPYとの再競演を誓った。Hedigan'sはその後、7月30日発表の最新EP「doyes」から「Fune」「DAO」「Hatch Meets June」をプレイ。アンビエントやクラウトロックなどの要素を飲み込んだオリジナリティあふれるサウンドを会場いっぱいに響かせた。

ライブ終盤、Hedigan'sは「夏テリー」をおだやかに奏でると、「LOVE (XL)」や「敗北の作法」といったキラーチューンを並べて再びフロアの熱気をヒートアップさせる。そして短尺のパンクナンバー「BtbB」を叩きつけるように演奏して爆発的な熱狂を生み出すと、最後は「O'share」でこの日一番のエモーショナルな演奏を届け、観客のテンションを最高潮に導いた。アンコールでは、YONCEがここまでライブを見守ってきた観客に向けて「配信とかもあってライブハウスに来なくてもなんとなくわかる気になることが増えたじゃん。でも、やっぱ来たほうがいいって思ったっしょ? 僕らもHAPPYも10代からバンド活動をやっていて、散々な目に遭うこともあればすごく幸せな気持ちになることもあるけど、両方大事だよなって思うんですよ。またどこかのライブハウスでお会いしましょう」とひと言。Hedigan'sはライブの締めくくりに新作EPの表題曲「doyes」をじっくりと届けると、さっそうとステージをあとにした。

Hedigan'sは9月30日に愛知・名古屋CLUB QUATTRO、10月1日に大阪・梅田CLUB QUATTRO、9日に東京・LIQUIDROOMでツアー「Hedigan's "Tour doyes"」を開催する。チケットぴあでは8月11日23:59まで、チケットの先行予約を受付中。

セットリスト

「Hedigan's "AWAI vol.2"」2025年8月4日 渋谷CLUB QUATTRO

HAPPY

01. No Steps
02. Naked Mind
03. Sundowner
04. Sunup
05. Solar Notes
06. Dazed in Paradise
07. in spite of the tide direction
08. Pineal Wave

Hedigan's

01. 再生
02. その後...
03. 説教くさいおっさんのルンバ
04. グレー
05. Fune
06. DAO
07. Hatch Meets June
08. 夏テリー
09. LOVE (XL)
10. 敗北の作法
11. BtbB
12. O'share
<アンコール>
13. doyes

公演情報

Hedigan's "Tour doyes"

2025年9月30日(火)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2025年10月1日(水)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2025年10月9日(木)東京都 LIQUIDROOM

関連記事

「PURE RAVE 2025」ビジュアル

ゆるふわギャング主催レイヴに踊ってばかりの国、KEN ISHII、鎮座DOPENESS、HAPPYら

約6時間
内村イタル(ゆうらん船)

内村イタル(ゆうらん船)が選ぶ2025年夏の10曲

1日
Hedigan's

Hedigan's新作EP「doyes」のコンセプトムービー公開、テーマは“流動的・自然発生的”

7日
ホーボー(撮影:松村裕太)

工藤祐次郎と後藤大樹が新バンド・ホーボー結成、9月に吉祥寺スターパインズカフェで初ライブ

22日
Hedigan's

Hedigan's、2nd EP「doyes」のリリース記念した東名阪ツアー開催

25日
Hedigan's

Hedigan’sの2nd EP配信決定、ドラマチックな展開の生命力に満ちた1作に

約1か月
ゆうらん船「たぶん悪魔が」MVより。

ゆうらん船の3年ぶりアルバム本日発売、浅倉奏が監督した「たぶん悪魔が」MV公開

約1か月
Hedigan's

Hedigan'sが新曲「Hatch Meets June」発表、自主企画「AWAI」にHAPPYのゲスト出演決定

約2か月
ハナレグミ

ハナレグミ、くるり、MONO NO AWARE、折坂悠太ら出演「FUJI & SUN」8月にOA

2か月