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クレバの日に7年ぶりライブ開催、OZROSAURUSとまさかの電撃コラボも実現

サングラスを外す前のKREVA。(撮影:岸田哲平 / 小山美里)
10分前2025年09月10日 12:03

KREVAが9月8日に東京・東京ガーデンシアターでスペシャルライブ「908 ON THE DAY」を開催した。2004年のソロデビュー以来、9月8日を「908 -クレバの日」として、さまざまなアクションを起こしてきたKREVAだが、この日にライブを行うのは7年ぶりとなった。

まずは謝罪から始めさせてください

ライブが始まったのは、開演時刻の19:00を少し過ぎた頃だった。イベントのテーマソングが流れ、赤と青を基調としたセットのステージに、白い衣装でそろえたKREBandのメンバーが現れる。バンドがグルーヴィな「I Wanna Know You」を演奏する中、ステージのライトが客席を向き、観客の視界が白い光で包まれると、その中にKREVAが登場。一気にオーディエンスを惹き付けた彼は、「I Wanna Know You」に続けて疾走感あふれる「トランキライザー」を熱唱し、伸びやかな歌声で観客の心を動かした。

大きな声援を送るファンに向かって「まずは謝罪から始めさせてください」と切り出したKREVA。「このたび開演時間が少々遅れまして、19:08スタートとなってしまいました」と言葉を続け、観客の笑いと拍手を集める。「これだけの人とクレバの日を迎えられて本当にうれしいです」と微笑む彼は、「今日は最初に言っとく! アンコールなしで一気にやり切ります!」と宣言。「出て行って拍手待って戻ってくる時間あったら2曲やれるから。だから、みんなも油断しないで今日という日を一緒に楽しみましょう、いや自分を心の奥底から解放して、ともにクレバの日を祝おうぜ!」と呼びかけ、「IWAOU」になだれ込んだ。

MACCHOとまさかのまさかの電撃コラボ

最新アルバム収録の「No Limit」を皮切りに「ストロングスタイル」「基準」と攻撃的なナンバーを連発したKREVAは、ここでサングラスを外して本気モードに。彼が怒涛の高速ラップを叩き込んだところで特効が炸裂し、興奮が波のように広がる。その後もライブは鮮烈な場面の連続で進行。満月の夜にピッタリな「Under The Moon」に続けて、「Forever Student」「人生」を歌い上げたKREVAは「人生何があるかわかんねえよな、まさか俺がアイツと一緒に曲作ることになるとはな! そしてクレバの日にアイツを紹介することになるとはな!」と因縁のラッパーの登場を予告し、さらに言葉を続ける。

「もっとまさかのまさか、俺がこの曲やってくんないかってお願いしたら、自分のライブでも20年も歌ってないのに歌ってくれるってよ。なんでそこまでしたいのか? みんなのためだよ! お前らのためだよ! 心が震えるだろ! 口から今心が出そうだろ! いや! 心が痺れるはず! 電気ビリビリ!」

そこで現れたのは、2年前に発表された楽曲「Players' Player」でKREVAと初めて共演を果たしたOZROSAURUSのMACCHOであり、披露されたのはOZROSAURUSの楽曲「VILI VILI」。「Players' Player」のKREVAのヴァースには「心が痺れるはず電気ビリビリ」という言葉の引用もあったが、まさかクレバの日にKREVAも交えて「VILI VILI」が披露されるとは観客の誰も予想していなかっただろう。会場に衝撃が広がる中、MACCHOの「お前ら全員これが聴きてえんだろ!?」という問いかけから2人は「Players' Player」に突入。スキルフルかつエネルギッシュなラップをぶつけ合って熱狂を巻き起こし、笑顔で抱擁を交わした。

お母さん!?

ライブ中盤から終盤にかけては、21年前のクレバの日に発表された代表曲「音色」や「アグレッシ部」をはじめとしてエモーショナルなナンバーが次々に届けられていく。「ひとりじゃないのよ」では、この日に誕生日を迎えたSONOMIが心地いい歌声を響かせ、続く「Tonight」ではKREVAが過去に何度か披露しているボコーダーの演奏に再び挑戦。今回はおそらく世界初の試みとして、ボコーダーの音を光で視覚化する機材も持ち込まれ、観客は着席して目と耳の両方でメロウなムードをじっくりと味わった。

デビュー20周年を迎えた昨年の末、これまで支え続けてくれた母がこの世を去るも、歩みを止めることなく精力的な活動を続けてきたKREVA。会場の東京ガーデンシアターは、母が入院していた病院に近いため、複雑な気持ちでこの地を訪れたことを明かすが、「素晴らしい景色が目の前に広がってます。続けてみるもんだなと思ってます。俺が苦しんで出てきたものでみんなが楽しんでくれるんだったら俺はまだまだやっていけそうです」と語る。

そんなMCからKREVAが「次会う時」「Link」を続けて歌うと、マイクにノイズが混じる音響トラブルが。会場にやや緊張が走るが、KREVAは「お母さん!? お母さんの話したからって呼んでないからね!」とジョークを交えて対応し、場を和ませてみせた。

ここからの曲だけで別のイベント出れる

そしてライブはあっという間に最後のブロックへ。KREVAはここからのセットリストで、ほかのイベントに出られるほど強力なナンバーを用意したと胸を張る。「これは俺たちのための曲」という言葉から披露されたのは、2019年に発表された「敵がいない国」。コロナ禍で有観客のライブが中止になって以降は披露されていなかった楽曲であり、それまで座っていたファンも一気に立ち上がらざるを得ない。

さらに最新アルバムから変幻自在のフリーキーなラップが飛び出す「TradeMark」や青森ねぶた祭のお囃子をモチーフにした「ラッセーラ」が畳みかけられ、「パーティーはIZUKO?」「C'mon, Let's go」「Na Na Na」という合唱必至のライブアンセム3連発で盛り上がりは最高潮に。銀テープも発射され、会場はこの上ない熱狂で満たされる。

ここで終わっても観客は大満足で会場をあとにしただろうが、アンコールなしで楽曲を詰め込んだ、この日のライブにはまだ続きがあった。KREVAはここで観客に撮影を許可したうえで「イッサイガッサイ」「Expert」の2曲をプレゼント。大喜びのファンはKREVAの姿をその目とスマートフォンの両方で追いながらライブを楽しみ、特別な1日を胸に刻んだ。

なお、この日のライブは生配信されており、9月11日21:08から9月15日23:59にかけてはPIA LIVE STREAMでアーカイブが配信される。詳細はオフィシャルサイトで確認しよう。

セットリスト

「908 ON THE DAY」2025年9月8日 東京ガーデンシアター

00. 908 ON THE DAY THEME
01. I Wanna Know You
02. トランキライザー
03. IWAOU
04. No Limit
05. ストロングスタイル
06. 基準
07. Under The Moon
08. Forever Student
09. 人生
10. VILI VILI feat. KREVA
11. Players' Player feat. KREVA
12. 居場所
13. 音色
14. アグレッシ部
15. ひとりじゃないのよ feat. SONOMI
16. Tonight
17. 次会う時
18. Link
19. 敵がいない国
20. TradeMark
21. ラッセーラ
22. パーティはIZUKO?
23. C’mon, Let's go
24. Na Na Na
25. イッサイガッサイ
26. Expert

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