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貴水博之、初のビルボードツアー開幕「30年分の思いを届けたいと思います」

貴水博之(撮影:田中和子)
10分前2025年09月11日 12:04

9月6日の神奈川・ビルボードライブ横浜公演を皮切りに、貴水博之の初となるビルボードツアーがスタートした。ソロ30周年を記念したアルバム「HIROYUKI TAKAMI THE HISTORIES」のリリースを記念して行われている今回のツアー。貴水は神奈川、大阪、東京の3都市で全10公演を実施する。本稿では初日公演の模様をレポートする。

ジャジーなムードでスタート

開演時間と同時に客電が落ち、バンドメンバーがステージに上がると、ジャジーなムードのイントロから演奏がスタート。大人っぽい雰囲気が会場を包み込んだ頃、ロングジャケットを羽織った貴水博之が登場し、大きな歓声が沸き起こった。1曲目は2001年リリースの「Super Goddess」。もともとファンキーなビートとラップ調のボーカルが特徴的なナンバーだが、この日のライブではジャジーヒップホップのような滑らかな演奏に仕上がっていた。これまで行ってきたホールツアーやスタンディングのライブハウスツアーとはひと味違うことが、オープニングから強く伝わってくる。開演前から会場内では多くのファンが期待に胸を高鳴らせながら、思い思いにお酒や料理を楽しんでいた。リラックスした雰囲気は貴水のライブパフォーマンスにも表れてあり、MCでも「みんな元気にしてた?」「30年分の思いを届けたいと思います」「最高の夜を作りましょう!」と、いつも以上に近い観客席に語りかけていた。

アコースティックサウンドで代表曲を次々披露

全体的にアコースティックな印象のサウンドをベースに、貴水は代表曲を次々と歌っていく。デジタルビートやシンセサイザーを多用したaccessやソロワークのイメージが強いが、今回のバンド編成はどちらかというと生の楽器の音色を生かし、曲のよさを伝えるところに重きが置かれている。The Billboardersと名付けられた5人のバンドメンバーも卓越したプレイヤーがそろっており、加藤素朗(G)、柴田亮(Dr)、河本奏輔(Dr)、デイビッド・ネグレテ(Sax, Flute)、加藤景子(Piano, Syn)と、いずれもジャズ / フュージョンに精通した面々である。このメンバー構成からも、今回のツアーが特別であることがよくわかる。

ミディアムからスローのバラード中心の前半は、スツールに座って歌うシーンが多く見られ、曲によってはアコースティックギターを抱えるシーンもあった。グルーヴィなナンバーに関しては、観客とのコール&レスポンスやバンドメンバーのソロも交えながら、幸福感に満ちたステージングが繰り広げられていく。サウンドがシンプルなだけに彼のボーカルの魅力が前面に出ており、楽曲のメッセージがダイレクトに伝わると同時に、改めて表情豊かな歌の世界を堪能することができた。MCで貴水は銀河をイメージしたというオリジナルカクテルの紹介で笑いを取るなど、観客との親密な空間を作り上げていった。

徐々に盛り上がりを見せていった後半

アコースティックなイメージが強めとはいえ、演奏は後半から徐々に盛り上がりを見せていく。ドラムソロにキーボードが重なり、エモーショナルなアンサンブルに乗せて歌ったのは、オリジナルキーよりも半音上げて披露したという、デビューアルバム「sun」に収められた「Mountain」。貴水はお得意のハイトーンボイスで、ワイルドなビンテージロックを展開していく。続いてピアノソロから始まったのが、「仮面ライダーゲンムズ -ザ・プレジデンツ-」の主題歌として人気の「GAME CHANGER」。大胆なアレンジが施され、すっかりこのバンドの音に仕上がっていたのが印象深い。貴水はスケール感をしっかりと打ちだしながら、この曲を歌い上げた。

ここで貴水は、「30年やって来られたのは、皆さんの笑顔のおかげ」とファンへの感謝の想いを伝えつつ、30年前にリリースされたシングル「I & I」のレコーディング時におけるエピソードを披露し、「30周年アニバーサリーギフトバージョンです」という言葉から、ジャジーなアレンジを施した「I & I」へとなだれ込む。中盤のスキャットの部分では華麗なターンも披露し、そこからバンドメンバーのソロ回しに展開し、大いに盛り上がった。

ここからはさらにヒートアップし、おなじみのアグレッシブなナンバーを披露。観客が総立ちになったところで、ラストナンバーの「Wish in the dark」へ。性急なビートが会場内をさらに熱くさせる。貴水はステージ上を走りながらこぶしを突き上げ、テンションの高いボーカルを聞かせ、「サンキュー! ビルボード!」と叫んでステージをあとにした。

感謝の気持ちを込めて新曲「With you」披露

アンコールで再登場した貴水は「楽しいこともあったし、壁にぶつかることもあったけれど、そんなときも音楽と皆さんがいてくれたから乗り切ることができた」と改めて感謝の言葉を口にする。そして、そんなファンへの思いを込めて作ったという新曲「With you」を披露。曲が終わり、バンドメンバーが退場しても、ステージの上から名残惜しそうに「ありがとう」と言い続ける彼の姿からは、ファンを大切にする気持ちがにじみ出ていた。

貴水は今後、9月20日、21日にビルボードライブ大阪、28日にビルボードライブ東京公演でソロライブを実施。10月にはaccessのホールツアーもスタートする。

HIROYUKI TAKAMI With You 30th Anniversary Billboard Live(※終了分は割愛)

2025年9月20日(土)大阪府 ビルボードライブ大阪
[1stステージ]OPEN 14:00 / START 15:00
[2ndステージ]OPEN 17:00 / START 18:00

2025年9月21日(日)大阪府 ビルボードライブ大阪
[1stステージ]OPEN 14:00 / START 15:00
[2ndステージ]OPEN 17:00 / START 18:00

2025年9月28日(日)東京都 ビルボードライブ東京
[1stステージ]OPEN 14:00 / START 15:00
[2ndステージ]OPEN 17:00 / START 18:00

access TOUR 2025 AUTUMN-WINTER

2025年10月18日(土)埼玉県 サンシティ越谷市民ホール
2025年11月3日(月・祝)神奈川県 相模女子大学グリーンホール
2025年11月15日(土)千葉県 市川市文化会館
2025年11月22日(土)大阪府 東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)大ホール
2025年11月23日(日)愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2025年11月29日(土)東京都 LINE CUBE SHIBUYA

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