ゆるめるモ!が7月から2カ月にわたって行ってきた夏ツアー「もんもっちゃい夏あーっ!」が、9月9日に東京・東京キネマ倶楽部でファイナルを迎えた。
連続劇「らき太郎」ついにフィナーレ
開演時刻を過ぎると、「もんもっちゃい夏あーっ!」と歌いながら階段から降りてくるメンバーたち。浮き輪に体を通したり、ビーチボールを手にしたりと、夏ツアーにふさわしい出で立ちだ。そして「はみ出しパラダイス」から、わちゃわちゃとしたステージングで会場は一気に沸騰。夏にぴったりのパーティチューン「サマーボカン」では、観客もメンバーと一緒にジャンプしたり、フロアを右へ左へと駆け巡ったりと大騒ぎ。9月30日リリースのニューアルバム「虚無泥棒」からの新曲「ポンコツチキンヒーロー」が始まると、メンバー6人それぞれが楽しそうに踊りながらくるくると表情を変え、観客を魅了した。
ライブ中盤では、今回のツアーを通して毎公演行われ、少しずつストーリーが進展してきた寸劇「らき太郎」が最終回を迎えた。らき太郎(らき)、犬(めあり)、猿(まこと)、キジ(なに)の一行は、道端で見つけたバイクで走り出し、ついに鬼ヶ島に到着。ねるんとへそが演じる鬼たちに対し、彼女たちはこれまでのツアーで身につけてきた“萌(モン)”の技を繰り出し、ねるんとへそが演じる鬼を見事に討伐する。しかしらき太郎は問いかける。鬼たちが過去に悪いことをしたのは確かだが、“萌”を使った争いをしなくてもよかったのではないか。“萌”に勝ち負けは関係なく、誰もがありのままでいいのではないか。そしてらき太郎は「みんな! もんもっちゃおうよ! 鬼さんも一緒にもんもっちゃおうよ!」と呼びかけ、出演者全員で「もんもっちゃいな!」をパフォーマンス。争いのないピースフルな空間を作り上げ、2カ月にわたった「らき太郎」の物語はフィナーレを迎えた。
最後にメンバー1人ひとりが語った言葉
この夏の6人の思い出を振り返るオフショットムービーを挟み、衣装チェンジしたメンバーが再びステージへ。「ロックンぼっち」を皮切りに、アッパーでハードな四つ打ちダンスチューン「忍者NOW」、めまぐるしく展開する「エスケープダイブ」、ゆるめるモ!らしい熱いメッセージを届ける「全肯定協奏曲」など、彼女たちはニューアルバム「虚無泥棒」からの新曲を畳みかける。さらに今年5月に開催された、メンバー自らが歌詞とダンスを考案してバトルした企画「Project I-dreaM ~キミと挑む夢のステージ~」の優勝曲「もっとちょーあい!」も披露され、フロアの盛り上がりは加速していく。
ここまで“最新のゆるめるモ!”を存分にアピールしてきた彼女たちだが、夏ツアーの締めくくりの1曲に選んだのは初期の定番ソング「なつ おん ぶる ー」。フロアではビーチボールが飛び交い、サークルモッシュも発生するなど、大盛りあがりの中でライブ本編は幕を閉じた。そして「なつ おん ぶる ー」を歌い終えたメンバーは、来場者に向けて1人ずつ挨拶をした。
へそは「無事に迎えられたって感じがしています。今回私は劇とかいっぱい作ったけど、自分では『がんばったって言えるのかな?』と思っていて。でもこうやってたくさんの人が観に来てくれたので、よかったなって思ってます」と安堵の表情に。めありは「2カ月にわたるツアー、各12公演充実したものになれたと思います。『もんもっちゃいな!』が『ありのままの姿で素直にかわいく』という歌だから、自分も素のままでできた期間だなと思ってるし、最高の夏になりました」とツアーを振り返った。
なには「セトリはねるん、劇はへそちゃん、ダンスはめありちゃん……みたいに決まってて、先輩なのに役職がないって病んじゃってたんですけど」と明かしつつ、「盛り上げ隊長としてがんばっていこうと思いました!」と宣言。「いよっ! 盛り上げ隊長!」とメンバーから声が飛ぶと、「とりあえず楽屋で意味のない掛け声を上げたり、タイムキーパーをやったりしてます。みんなも自分にできることは何かしらあるはずだから、それを探して生きるといいと思います」と、彼女らしいポジティブなメッセージを届けた。
まことは「こないだ『10年後も忘れない夏にする』っていう意気込みを言ったんだけど、絶対忘れない夏になれた」と語り、「今日出てくる前、緊張して泣いちゃったんだけど、なにちゃんとかみんなが『大丈夫? 間違えてもいいよ?』って言ってくれて」と、今にも泣きそうな声でメンバーへの感謝を口にした。らきは「ツアーが始まる前はスケジュールを見るだけで憂鬱になってたけど、いざ始まったらすぐ終わっちゃって、今日も一瞬でした。それくらい楽しいツアーでした」と、充実感をにじませた。
最後にねるんは「今回のツアーでは心がグサグサにやられまくって、今日も早く終わることを願ってたんですけど、がんばりきれたのはみんなが応援してくれたから。何公演もあるツアーで、何回も何回も時間を一緒にしてくれて、ありがとうの気持ちでいっぱいです」と、ファンへの感謝を真摯に伝えた。
畳みかけられた重大発表、その内容とは
アンコールに応えメンバーは、和太鼓のビートに合わせてゆるい盆踊りを踊りつつ、こぶしを利かせて「ゆるめる音頭」を歌いながら再登場。さらに「花のドイリー」をパフォーマンスし、ステージをあとにした。しかし観客の熱は冷めやらない。ここからが本番とばかりに、1回目よりもさらに盛大な声量で再びアンコールが巻き起こる。その声に引き寄せられるように三たびステージに上がったゆるめるモ!は、ゆるさをアピールするゆるめるモ!の真骨頂たるポップチューン「ちゃんとしま宣言」をお披露目。今回のツアーでもこれまでセットリストに入っていなかった「虚無泥棒」からの新曲で、思いがけない新曲披露に観客が沸いた。
すべてのライブが終わると、スクリーンに映ったのは「ニューアルバム『虚無泥棒』に、清竜人が初めてゆるめるモ!に提供した楽曲『真面目に生きて報われたいの♡』を収録」「代表曲を現メンバーで再録したミニアルバム『ロクロクビ!』を10月7日に発売」「ゆるめるモ!の主演ドラマが2026年4月に千葉テレビで放送決定」「10月13日に東京・浅草花劇場で開催される結成13周年記念ワンマンに、ハシダカズマ(箱庭の室内楽、Ri Ri Riligion)率いる生バンドが出演」という怒涛の新情報。立て続けの発表に会場がどよめく中、「真面目に生きて報われたいの♡」のミュージックビデオの一部が上映された。新曲をこれでもかと披露し、今後の活動に関する重大発表を畳みかけた情報過多な一夜。ゆるめるモ!がこれから進む道筋を示しながら、夏の締めくくりとともにツアーは幕を閉じた。
セットリスト
ゆるめるモ!「もんもっちゃい夏あーっ!」2025年9月9日 東京キネマ倶楽部
01. もんもっちゃい夏あーっ!SE
02. はみだしパラダイス
03. サマーボカン
04. ポンコツチキンヒーロー
05. もんもっちゃいな!
06. ロックンぼっち
07. サイケデリックわっしょい
08. 忍者NOW
09. エスケープダイブ
10. 全肯定協奏曲
11. 泡べちゃアドベンチャー
12. もっとちょーあい!
13. なつ おん ぶる ー
<アンコール>
14. ゆるめる音頭
15. 花のドイリー
<ダブルアンコール>
16. ちゃんとしま宣言
