菅原圭が初リアルワンマン完遂、幕の向こうから作り出した“隔たりのない空間”

菅原圭のワンマンライブ「first one-man live 2025 "knock, knock, knock"」が昨日9月29日に東京・Zepp Shinjuku（TOKYO）にて開催された。

菅原は9月19、27日に東京と大阪で初のリアルライブ「菅原圭 first one-man live 2025」を実施。「first one-man live 2025 "knock, knock, knock"」は、その追加公演として行われたもので、満員のZepp Shinjukuにて90分にわたって堂々としたパフォーマンスが繰り広げられた。

開演5分前、軽快に流れていた開場SEがおもむろにやむと、場内には青いライトが揺らめき始め、水流と思しき音が流れ出す。まるで海底のような仄暗いその空間に楽器の音が鳴り出し、ステージ中央に設置された筒状の幕に菅原のシルエットが大写しに。彼女は「フライミ」でライブをスタートさせ、小金坂栄造（G）、幡宮航太（Key）、小山尚希（B）、守真人（Dr）が作り出すアンサンブルの上にエモーショナルなボーカルを乗せる。1曲目が終わるやいなやフロアには大きな歓声と拍手が湧き上がり、続く「シトラス」ではにぎやかにハンドクラップが鳴り響く。「ライムライト」ではきらびやかな照明が幕の上で踊るように蠢き、フロアのボルテージが急上昇。アーティストの周囲360°が幕に包まれているという状況ながら、オーディエンスとの隔たりを何ひとつ感じさせない、親密な空間がライブ冒頭からさっそく広がった。

その後も菅原は、曲ごとにまったく異なる表情を見せる歌声と、時折写し出されるシルエットだけを用いて、観客を熱狂させ続ける。そこに彩りを添える照明演出も、ド派手なものからムーディなものまで多種多様。本人曰く“チルタイム”となった「filled」「レモネード」「onn」などでは、アダルトな空気がしばし流れ、オーディエンスはそのムードに心地よさげに浸り続けた。その後菅原は、当初は不安を持っていたという追加公演実施についての背景と思いを語り、開催決定に至った経緯を振り返る。「追加公演したいけど、できるかどうかわからない、だって私って人怖いし、という気持ちだったんですけど、こうやって念願叶って追加公演を迎えることができ、チケットもソールドアウトして。なんて光栄なことなんだろうと思っています」と率直な心境を述べると、フロアは温かな歓声で沸き上がった。

早くも迎えたライブ終盤、彼女は「エイプリル」「crash」「深香」といったナンバーを畳み掛けクライマックスを作り出す。魂のこもった歌声を会場中に大きく響かせ、時に観客にシンガロングを促す。そして最後にはメロディアスなポップチューン「不完全に恋」をパフォーマンスし、フロアに大きな波を作り出した。アンコールでは「私に関わってくれたクリエイティブの人たち、アーティストの人たち、そしてみんなに届けたい歌」だという「サヨナラトウキョウ」が披露され、その思いに応えるように会場中のファンが大きく体を動かす。チアフルな空気がライブハウス中に流れる中、彼女はラストナンバー「シーサイド」を歌唱。力強さと優しさに満ちた歌声をじっくり届け、大きな拍手と歓声の中で初ワンマンの幕を下ろした。

なお本公演内では、菅原が来年5月に初の東名阪ワンマンツアーを行うことが発表された。会場は昭和女子大学人見記念講堂、NHK大阪ホール、Zepp Nagoyaの3カ所。現在菅原のファンクラブではチケットの先行予約を受け付けている。

セットリスト

「菅原圭 first one-man live 2025 "knock, knock, knock"」2025年9月29日 Zepp Shinjuku（TOKYO）

01. フライミ
02. シトラス
03. ライムライト
04. キラッテラッテ
05. 熱帯夜
06. filled
07. レモネード
08. onn
09. エイプリル
10. crash
11. 深香
12. 不完全に恋
＜アンコール＞
13. サヨナラトウキョウ
14. シーサイド

公演情報

菅原圭 one-man live tour 2026

2026年5月23日（土）東京都 人見記念講堂
2026年5月30日（土）大阪府 NHK大阪ホール
2026年5月31日（日）愛知県 Zepp Nagoya