演歌歌手・市川由紀乃が本日10月6日に東京・国際フォーラム ホールCで単独公演「市川由紀乃リサイタル 2025『新章』」を開催した。
市川は2024年6月に卵巣腫瘍が見つかり、開腹手術の結果、卵巣がんと判明。その後およそ9か月におよぶ闘病生活を経て、今年5、6月に埼玉、大阪、愛知の3カ所でコンサート「ただいま!」を開催し、見事な熱唱で病気療養後とは思えぬ健在ぶりを示した。そして本日のリサイタルでは市川が歌唱だけでなく、ナレーションなども自ら担当。11曲のカバー曲のうち10曲が初披露で、彼女の並みならぬ思いを感じることができる公演となった。
リサイタルの見せ場は、市川が大きなリスペクトを寄せるちあきなおみの楽曲3曲を披露する「ちあきなおみの歌世界」や、沢田研二「サムライ」の世界観を軸にストーリーを構成したショート歌謡ミュージカル「片手にピストル、心に花束を。」、この公演のためにアレンジを変えたオリジナル3曲で物語を紡ぐ「恋幕譚『北の愛獄』」など。多彩な衣装も見どころの1つで、開演前には「ちあきなおみの歌世界」で着用したディープグリーンのロングドレスを身にまとった市川がマスコミの囲み取材に応じた。
市川は「とにかくうれしいです。復帰させていただいて、お客様の前に立つ喜び、歌える喜びを感じさせていただいている日々の中で約2年ぶりのリサイクルということで、すごく心が躍ります」「リサイクルを開催させていただいて歌えていることが、自分にとっては夢のようで奇跡です」と心境を語り、「新章」という公演名について「新たな歌手人生の始まり、自分自身の決意をリサイクルのタイトルにしたいと思っていました」と説明。記者から現在の体調について尋ねられると「お陰さまで少しずつ前に進んでいると思います。まだ抗がん剤の副作用で手足のしびれは残っているんですけど、お医者様から『いつか必ず(しびれが)取れる』と言われているので、このしびれを前向きに捉えています」とコメントした。
