Kroi初のホールツアー完走、“ファンク愛”全開のパフォーマンスにファン熱狂

Kroiのホールツアー「Kroi Live Tour 2025 - HALL」が10月13日に新潟・新潟県民会館でファイナルを迎えた。この記事では同月9日に行われた埼玉・大宮ソニックシティ公演の模様をレポートする。

「Kroi Live Tour 2025 - HALL」は8月30日の福岡・福岡サンパレス公演を皮切りに全7都市を巡ったKroi初のホールツアー。人気テレビアニメとのタイアップが続き、来年1月には大阪・大阪城ホールと東京・国立代々木競技場第一体育館で初のアリーナツアー開催を控えるなど注目を浴びるKroiが、このホールツアーでも勢いそのままのライブを繰り広げた。

いきなりファンクチューン連投

ステージに設置されたアーチ状の照明が場内を照らす中、登場したKroiの5人は「PULSE」でライブの口火を切る。開幕早々、ファンキーなアンサンブルで観客の体を揺らすと、グルーヴ感と疾走感が渦巻く「Method」では長谷部悠生（G）の合図で千葉大樹（Key）が軽快なソロを響かせ、オーディエンスを熱狂させた。ノンストップで5曲を披露したところで、内田怜央（Vo）が「皆さんお越しくださいましてありがとうございます。ヤバい夜にしていきましょう」と挨拶。先ほどまでのクールなパフォーマンスとは対照的に、リラックスしたトーンでトークを繰り広げた。

次のブロックでKroiはジャムセッションを挟みながら、多彩な楽曲を展開。メジャー1stアルバム「LENS」収録の「selva」では関将典（B）と長谷部が向かい合う形でソロのかけ合いを披露し、続く「Polyester」では音数を抑えた演奏でチルなムードを演出した。益田英知（Dr）のどっしりとしたフィルから始まるセッションを経て最新曲「HAZE」へ。メロウでノスタルジックな世界観を描いたのち、内田がボンゴを叩く「Astral Sonar」ではシティポップ風のアレンジで会場にさわやかな風を吹かせた。

「変な音楽を世の中にバラ撒いていきたい」

観客を巻き込んで“風呂キャンセル界隈”についてのトークを楽しんだあと、Kroiは「Amber」でパフォーマンスを再開。長谷部がアコースティックギターに持ち替えて温かな音色を響かせる「HORN」、ミディアムテンポのチルナンバー「風来」と続き、会場は穏やかな空気に包まれた。「Jewel」ではフォーキーなサウンドの中でバンドのアンサンブルが徐々に熱を帯びていき、エモーショナルなムードが会場に充満した。

終盤のMCでは、ライブで観客を煽ることが苦手だという内田の話題から、メンバーそれぞれが個性的な煽り方でオーディエンスを楽しませる流れに。内田は「ここからは後半戦です。『ぶち上がって終わりてぇ』って人は気付いたら終わっちゃうので、後悔のないように踊ったり好きに楽しんでください」と呼びかけ、ソロ回しを交えたジャムセッションへ突入。益田が刻むビートが疾走感を生み出す中、「Fire Brain」では内田がコミカルな動きで観客の笑いを誘う場面も。グルーヴィな「Balmy Life」を経て、ラストを飾ったのは「Never Ending Story」。曲中、内田が「皆さんのおかげで大変最高な1日になりました」と感謝を伝え、「変な音楽を世の中にバラ撒いていきたいといいますか。好き嫌いはそれぞれあると思うんですけど、もっといろんな音楽がみんなに評価されてもいいんじゃないかなと。そのためにもがんばります！ 応援してくださーい」と呼びかけると、客席からは温かい拍手が送られた。そして場内が大合唱に包まれる中、Kroiは満足げな表情を浮かべながらステージを後にした。

アンコールに応えて再びステージに戻った内田は「Never Ending Story」の一節を口ずさみながら登場。興奮の冷めない益田は甲高い声で喜びをあふれさせる。「ラストはファンキーに終わろうと思います！」という言葉を合図に演奏された「Juden」では、内田が何度も「Everybody Funky！」と咆哮。ファンク愛あふれるパフォーマンスでライブを締めくくった。

セットリスト

「Kroi Live Tour 2025 - HALL」2025年10月9日 大宮ソニックシティ

01. PULSE
02. Method
03. Small World
04. Drippin' Desert
05. Bug
06. selva
07. Polyester
08. HAZE
09. Astral Sonar
10. Amber
11. HORN
12. 風来
13. Jewel
14. Noob
15. Fire Brain
16. Balmy Life
17. Never Ending Story
＜アンコール＞
18. Juden