小室哲哉とOVAL SISTEMが本日11月5日に東京・WITH HARAJUKU HALLで行われたゲームアプリ「アウトランカーズ」の完成披露会に出席した。
小室哲哉と岡本吉起がひさびさタッグ
明日6日にリリースされる「アウトランカーズ」は、3人編成の3チームが3分間で“エルピス”をどれだけ多く集められるかを競い合うバトルゲーム。プレイヤー同士の駆け引きや、フィールドで起こる予測不能なハプニングによって、最後の瞬間まで大逆転の可能性があるスリリングな展開が魅力のゲームとなっている。小室は同ゲームのタイアップ曲として、自身がプロデュースする音楽ユニット・OVAL SISTEMの新曲「風に舞う戦士」を書き下ろした。
完成披露会のトークセッションには小室のほかに、「アウトランカーズ」のエグゼクティブプロデューサー・岡本吉起氏、同ゲームを運営する株式会社でらゲーで宣伝プロデューサーを務める河本清翔氏が登壇した。岡本氏は「ストリートファイターII」をはじめ、「バイオハザード」「⻤武者」「モンスターハンター」などのシリーズで知られるゲームプロデューサー。小室は1994年公開の劇場アニメ「ストリートファイターII MOVIE」の主題歌として、篠原涼子 with t.komuroの「恋しさと せつなさと 心強さと」を提供していた。河本氏は「アウトランカーズ」のタイアップ曲を小室に依頼した経緯について、「3人で戦うゲームだという話を聞いたときに、3にまつわる仕掛けを用意できないかと考えていました。僕は岡本さんの『ストリートファイターII』や小室さんのTM NETWORKで育っていて。4月に小室さんが手がけるOVAL SISTEMという3人組ユニットがデビューされると聞いて、事務所の方にお声がけさせていただきました」と説明した。
「恋しさと せつなさと 心強さと」制作秘話
小室はひさびさにタッグを組んだ岡本氏について、「恋しさと せつなさと 心強さと」の制作当時を振り返り「岡本さんとのコラボレーションは、僕の音楽人生の中でもすごく記憶に残っている出来事なんです」とひと言。「すみませんでした(笑)」と即座に謝罪した岡本氏は、当時最初に届いたデモ音源がバラードテイストだったためゲームの世界観に合わないと判断し、ボツにしたというエピソードを披露して記者陣を驚かせる。この出来事がなければ「恋しさと せつなさと 心強さと」は生まれなかったという小室は、「せっかくやり直すならと思って岡本さんに話を聞いたんです。TRFの『寒い夜だから・・・』のように『ドン!ダン!』という音が入ってすぐに盛り上がるような曲がほしい、とおっしゃっていたのを覚えています」と貴重なエピソードを披露した。
また岡本氏は当時の小室について、「小室さんは当時から全然偉ぶってなかったんですよ。だからタメ口で話していたんですけど、今では申し訳ない気持ちでいっぱいです」と笑顔で語る。小室は「岡本さんはいい意味で圧が強い方(笑)。常に熱いものを持っている方なので、そのときも熱量は感じていました。それに映画や『ストリートファイターII』を盛り上げたい、という気持ちの表れだと思いますので」と当時を振り返った。
「風に舞う戦士」は冒険した1曲
「アウトランカーズ」のタイアップ曲「風に舞う戦士」には、「恋しさと せつなさと 心強さと」のエッセンスがちりばめられているという。小室はこのことについて、「当時と今とではレコーディングの仕方が別次元なので、あの頃のような音が出ないんですよ。なので元のテープからデータを引っ張ってきて、『風に舞う戦士』に移植することにしました。それに宣伝の河本さんは岡本さんの意志を引き継いでいるのか、『何がなんでもこうしてほしい!』という熱意が伝わって来るんです(笑)」と説明。河本氏は「小室さんには先ほど話に出たフィルインのドラムの音や『恋しさと せつなさと 心強さと』に使われているような音を、隠しアイテムのようにちりばめてくださいとお伝えしました」「『アウトランカーズ』は我々世代はもちろん若い人たちにも遊んでほしいですし、小室さんに作っていただいた『風に舞う戦士』もOVAL SISTEMさんが発信することで若い人たちに受け入れてもらえたら最高だなと思います」と述べた。
後半には、OVAL SISTEMを交えて「風に舞う戦士」のミュージックビデオの上映会が行われた。MVの視聴を終えた小室は「『風に舞う戦士』の歌詞は自分の作詞なので盗んじゃいました(笑)」と、「恋しさと せつなさと 心強さと」からの引用があることを明かして場内の笑いを誘う。そして最後に「アウトランカーズ」のプレイヤーへのメッセージを求められると、OVAL SISTEMの住田愛子(Vo)は「『風に舞う戦士』を『アウトランカーズ』と一緒に愛してもらえるような楽曲にしていけたらと思います。今後のライブでも大切に歌って盛り上げていきたいです!」、小室は「僕のこれまでの作品はAメロ、Bメロ、サビと構成が決まった曲が多かったんですね。今回の『風に舞う戦士』はBメロがなくて、自分の中では冒険した曲になっているので引っかかってもらえたらうれしいです」、岡本氏は「僕はいろんなゲームを同時にプロデュースしてますけど、当然自分でもめちゃくちゃ遊ぶんですよ。『アウトランカーズ』を一番遊ぶゲームにするので、皆さんゲームの中でお会いしましょう」と呼びかけた。


