Mrs. GREEN APPLEの展覧会「MGA MAGICAL 10 YEARS EXHIBITION 『Wonder Museum』」が明日12月6日から1月9日まで東京・TOKYO NODE GALLERYで開催される。この記事では本日5日に行われた内覧会の模様をレポートする。記事には一部ネタバレが含まれるためご注意を。
視覚、嗅覚、触覚で味わう「ケセラセラ」
「MGA MAGICAL 10 YEARS EXHIBITION 『Wonder Museum』」は今年デビュー10周年を迎えたMrs. GREEN APPLEのアニバーサリーイヤーを締めくくる展覧会。会場には12種類のエリアが設けられており、バンドのすべての楽曲制作、プロデュースを手がけてきた大森元貴(Vo, G)のイマジネーションとクリエイティビティを感じ取ることができる。
展覧会に足を踏み入れた来場者の前に広がるのは「最初の部屋」。暗闇の中に1台の机があり、その上に描きかけの地図が置かれている。耳を研ぎ澄ますと、まるでその場に大森がいるかのようにペンを走らせる音が聞こえ、来場者の目の前で数々の楽曲が誕生していく。頭上に輝くオーナメントのモチーフにも注目してみよう。
「最初の部屋」を出て、道なりに進んでいくと、「ダンスホール」の華やかなホーンが聞こえてくる。2つ目のエリア「DANCE-GO-ROUND」では、タキシードに身を包んだ大森、若井滉斗(G)、藤澤涼架(Key)がメリーゴーランドに乗って来場者を出迎える。右に目を向けると、そこにそびえ立つのはスタジオでのレコーディング風景が垣間見える「RECORDING THEATER」。シアターでは「ライラック」の新しいアレンジに取り組む、仲睦まじい3人のやりとりを収めた映像を視聴できる。映像の内容は日によって変わるという。
展覧会の中でも画期的なのは、聴覚だけではなく視覚、嗅覚、触覚を通して「ケセラセラ」という楽曲の本質を深く味わえる実験場「QUE SERA SERA GARDEN」。ここではAIが音源データを解析して視覚的イメージを描いた「視るケセラセラ」、リズムデータから振動パターンを生成した「触れるケセラセラ」、歌詞に含まれる感情をAIが分析して数十万種類の香料の中からAIが香りのレシピを考案した「香るケセラセラ」という、イマジネーションとテクノロジーを掛け合わせた3つの体験ができる。「香るケセラセラ」では4つのフレーズに合わせて、それぞれ異なる香りが用意されており、「ケセラセラ」に含まれる感情の機微を嗅覚を通して感じ取れる。
クリエイティブから感じる10年間の軌跡
会場には2023年8月に開催されたドーム公演「Mrs. GREEN APPLE DOME LIVE 2023 “Atlantis”」や、現在開催中のドームツアー「Mrs. GREEN APPLE DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”」といった神話をモチーフにしたストーリーラインのライブの世界観に浸れるエリア「INTO THE ATLANTIS」「BABEL no TOH STATUE」も。そのエリアを進んだ先には、今年4月にリリースされ、全編フルCGによる壮大なミュージックビデオが話題となった楽曲「クスシキ」の世界観にフィーチャーした「KUSUSHIKI GATE」が登場。ミュージックビデオで実際に使用した衣装をまとった3人が、印象的なワンシーンを繰り広げる。
さらにミセスのミュージックビデオの中に入り込んだかのような体験ができるエリア「GINATION VOYAGE」も設けられている。巨大な船に乗った先に広がる、4面のプロジェクションで描き出される世界は圧巻だ。
特に時間をかけてじっくりと見るべきエリアは、ミセスが10年間以上にわたって生み出してきた楽曲、ミュージックビデオ、ライブにまつわる膨大な数の貴重な制作資料が飾られた「CREATIVE HISTORY」。自身のイメージを伝えるために大森が描いたMVやジャケットのラフスケッチが多数展示された、ミセスのクリエイティビティが広がる壮観な空間だ。ところどころに置かれている受話器を取ると、ライブの打ち合わせ中の音声を聞くことができる。来場者は数々のスケッチや制作資料を通して、クリエイターとしての大森のすさまじい才能に圧倒されるだろう。同時に、実際にレコーディングに使用した歌詞資料の多くには大森によってイラストが描き込まれており、人間離れしているように思える彼の人間味や温かさも伝わってくる。展示物の中には、10代の頃に大森が描いたという若井と藤澤の似顔絵も。「CREATIVE HISTORY」は撮影禁止エリアのため、ぜひ足を運んで隅々まで目を凝らしてチェックしてほしい。「日本レコード大賞」や「日本ゴールドディスク大賞」など、これまでミセスが受賞してきたアワードのトロフィーも飾られている。
来場者が最後にたどり着くのは「次の部屋」。そこに置かれているのは、最初の部屋で机の上に置かれていた地図。この部屋で何が起こるのか、自身の目で確かめてみよう。
会場では楽曲をモチーフにしたオリジナルグッズを販売。さらに「ビターバカンス」をテーマにした証明写真を撮影できる「ビターバカンス証明写真」コーナーも設けられている。展覧会は東京で行われたあと、2月7日から21日まで福岡・ONE FUKUOKA CONFERENCE HALL、3月2日から31日まで大阪・VS.でも開催される。
MGA MAGICAL 10 YEARS EXHIBITION「Wonder Museum」
2025年12月6日(土)~2026年1月9日(金)東京都 TOKYO NODE GALLERY
2026年2月7日(土)~2月21日(土)福岡県 ONE FUKUOKA CONFERENCE HALL
2026年3月2日(月)~3月31日(火)大阪府 VS.


