芸能事務所ゼロイチファミリアに所属する十味、奥ゆい、森嶋あんり、天羽希純の4人からなるアイドルグループ・#2i2が、12月6日に東京・Spotify O-EASTで行われたワンマンライブ「#2i2 LAST TOUR FINAL『Pages of Us』」をもって約5年にわたった活動に終止符を打った。
「すべての曲が、私たちの集大成」
#ババババンビに続くゼロイチファミリア2組目のアイドルグループとして誕生した#2i2。コロナ禍の中でスタートを切った4人は数々の経験を重ねて着実に実力を上げていき、常にフロアを沸騰させるライブアイドルとして評価を高めてきた。「TOKYO IDOL FESTIVAL」や「@JAM EXPO」などの大型アイドルイベントでもメインステージを張る存在へと成長したが、2025年4月11日、突然の解散発表。そこから約8カ月間は全国各地でライブを行い、ラストイヤーを駆け抜けてきた。#2i2最後のツアー「Pages of You」の千秋楽として行われたラストライブはニコニコ生放送を通じて生中継され、会場に足を運べなかった全国各地のファンもリアルタイムでその有終の美を見届けた。
満員のO-EASTのフロアに、不意に響き渡るデジタルノイズ。#2i2が活動初期からライブで使用していたオープニングSEが流れ、怪しいレーザーとともにステージを覆っていた照明ブリッジがゆっくりと上昇すると、そこにはメンバー4人の姿があった。「#2i2ラストライブ、届けます」という森嶋のつぶやきを合図に始まったのは、2021年の“#2i2の日”2月12日にリリースされた#2i2の始まりの曲「FATE」。サポートバンドの生演奏によるパワフルなアレンジと、その爆音をかき消す勢いのフロアからのコールがぶつかり合い、O-EASTは冒頭からすさまじい熱気に満ちた。ここから#2i2はアンコールまで全30曲、怒涛のステージを展開していく。
4色のペンライトに染まったフロアでは、ライブが進むにつれてモッシュ、リフト、クラウドサーフでもみくちゃに。音に身を委ねて踊りまくる人、4人の勇姿を目と耳に焼き付けるべくじっとステージを見つめ続ける人、楽しみ方はさまざまだが、誰もがこの最後の時間を後悔すまいと存分にこの空間を味わい、ステージに向かってコールを届ける。十味はそんなオーディエンスの気持ちに応えるように「今日披露するすべての曲が、私たちの集大成になります。みんな悔いを残さず、楽しんでいってね!」と叫んだ。
四者四様のソロパフォーマンス
「BURNBURNBURN」「だってさ。」「善人悪人」「ライトシーカー」など新旧織り交ぜながら一気に9曲をパフォーマンスした#2i2は、ライブ開始から36分経ったところでようやく一度呼吸を整え、「We are #2i2」と挨拶。解散する悲しさよりも活動の充実ぶりを感じさせる笑顔でステージに立つ4人は、「今日は今まで積み重ねてきた時間だったり、悔しさだったり、うれしさだったり、全部全部それを抱えてステージに立ってます。だから今日はみんな難しいこと考えずに一緒に楽しい時間を作っていきましょう」とオーディエンスに呼びかけ、「HATSUKOI JUICE」ですぐにライブを再開させた。1曲歌い終えるとステージには十味だけが残り、真っ赤なペンライトの灯りに包まれながらソロ楽曲「ぽみっとSONG」を披露。十味が小走りでステージを去ると、今度は奥が1人ドラムセットに陣取り、猛々しいドラムソロでフロアを沸かせる。奥は続けざまにソロ曲「OK.U'lI Marry Me!」を歌い、フロアを黄色のペンライト1色に染めた。
再び集った4人は「Don't be ぞんびー」「せめて月のように」の2曲をパフォーマンス。サポートバンドのジャジーなインスト演奏に乗せ、天羽が「皆さん、#2i2の音楽をいっぱい感じてくれてますか? 熱はそのままに、もっともっと深く届けるね」と艶かしくつぶやくと、ハードでアッパーな楽曲が多く並んでいた前半からは一転、スウィングナンバー「USO」で大人びた表情を見せる。さらに「ナイトダイバー」「SAYONARA」「ポチ」とテイストの異なる3曲で伸びやかな歌声を響かせた。「ありのままの私たちを、#2i2を愛してくれて本当にありがとう。今日はアコースティックギターに乗せて私たちの気持ちを届けます」という十味のメッセージに続いて歌われたのは、アコースティックアレンジのバラード「このままでいいんだよ」。轟音と声援ではちきれんばかりだったO-EASTは静寂に包まれ、優しいギターの音色と4人の歌声のみが染み渡るように広がった。暗転ののち、フロアに電子ピアノの音色が鳴ると、そこには天羽の姿が。天羽は弾き語りでソロ曲「希う」を披露した。入れ替わりでステージに上がった森嶋は、力強い歌声でロックバラード「Runway」を熱唱した。
「みんなと私たちでつむぐ最後の物語のページを」
再び4人が集い、「今日が#2i2最後の日。#2i2になる前は想像もしてなかった理想の自分の姿──でも今は君の笑顔の理由になれて、同じ景色を見れて、幸せです。今日も君の笑顔の理由になりたい。この気持ちが、みんなに届きますように」という奥の祈りのようなつぶやきから「醜形の心臓」へ。ここから#2i2最後のステージは終盤戦へと突入する。「今日は残すものは何もありません。全部全部ぶつけにいくからさ、だからみんなも、笑ってもいいし、泣いてもいいし、叫んだっていい。全部全部ぶつけてきてください!」と森嶋は観客に呼びかけシャウト一閃。4人は「SCAR」「Shutter speed」「Follow Me」「爱ノ灯火」とハードなナンバーを立て続けに、文字通りぶつけるように放っていく。
「みんなと私たちでつむぐ最後の物語のページを」とクライマックスで届けられたのは、ライブのタイトルにもなった#2i2最後のオリジナル楽曲「Pages of Us」。森嶋の作詞で描かれているのは、メンバーとファンが5年かけて積み上げてきた、未来へと続く物語だ。4人は時に身を寄せ合い、時に涙を流しながら、この曲に込めたメッセージを届けていく。フロア中に観客のシンガロングが響き渡り、4人はその声を全身で受け止める。森嶋は「今日というこの日に、皆さんと一緒に過ごせて本当に幸せです。これからも私たちの音楽が、あなたの人生の1ページとして、ずっとずっと残りますように」と胸に手を当てた。そして4人は最後のナンバー「アドマイア」を熱唱。小指を重ね合わせるラストシーンでは、お互いの健闘を讃え合うように4人で抱き合った。
僕らは物語の途中
#2i2がステージを去り、暗くなったフロアには盛大な「#2i2!!」コールがこだまする。この声を受けて再び登場した4人は、1人ひとり最後のメッセージを伝えていく。それぞれ語られた内容はさまざまだが、一様に5年間の充実ぶりを感じさせる言葉を残し、一点の曇りもない晴れやかな表情を客席に向けた。十味は大粒の涙を頬に伝わせながら「しゃべるのすっごい下手クソだったでしょ? だから最後はライブで伝えさせてください。まだまだ疲れたなんて言わないですよね? 最後の最後まで感じて、受け取って、私たちに伝えてください。私たちも全力で伝えに行きます!」と呼びかけ、4人は「どうでもいいじゃんか」を元気いっぱいにパフォーマンスした。そしてさらにもう1曲、#2i2正真正銘のラストナンバーとして、彼女たちの代名詞と呼べるまでに成長したライブの起爆剤「MONSTER LIVE!!!」を投下。大暴れが似合う#2i2らしい筆圧の強い幕引きでそのストーリーを締めくくった。
4人が去ったステージでは、「Pages of Us」が流れる中、メンバーが作成したエンドロールが流れる。「皆さまと共に紡いできたこの5年間こそが 『Pages of Us』に込めた“僕らの物語”そのものです。この物語が これからも皆さまの心に そっと残り続けますように」。エンドロールはそう結ばれ、観客は無人のステージに向かって「僕らは物語の途中さ」と歌声を送った。
#2i2 メンバーコメント
十味
まずは、これまで#2i2を応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
最後に今までで一番のライブが出来た事を素直に嬉しく思います。
応援してくれた皆さんを含めた#2i2で紡いできた歴史や思いが、あの日のO-EASTを1つにしてくれたんだと思います。
また生まれ変わっても#2i2がいいな。
素敵なグループの1人として5年間過ごせて幸せでした!
これからメンバーはそれぞれの道へと歩いていきます。
寂しく感じるかもしれませんが、これからもずっと#2i2の残したものは消えません。
あなたとも、メンバーとも、ずっと深い絆で繋がっていると思っています。
大好きなあなたとこれから先も一緒にいたい。
そして大好きなメンバーの更なる活躍も心から願っています。
私も皆さんに"楽しい"を届け続ける存在になれるよう、また新しい夢に向かって頑張っていきたいです!
これからも暖かい応援よろしくお願いします!
奥ゆい
ラストライブ、本当に終わっちゃいました…。
解散発表からの8ヶ月は長いようであっという間で、気づけば今日を迎えていました。
今年は#2i2としても、個人としても新しい挑戦が多くて、
毎日がめまぐるしくて、とにかく走り抜けた一年だったなと思います。
誘われたからやってみようという所から始めたアイドル人生だったけど、
終わる時にこんなにも大きな感謝が溢れていることが、私のしあわせです。
私をアイドルという世界に連れてきてくれて、
#2i2で輝かせてくれて、本当にありがとう!
何気なく始まった5年間が、
気づいたら私の人生の中で絶対に忘れられない宝物になっていました。
#2i2で学んだこと、成長させてもらったこと、全部大切にして、
これからも大好きな人たちと一緒に楽しめる場所を作っていけたらと思っています。
悔いはありません。全部出し切って、やり切りました。
……でもね、ラストライブが楽しすぎて、またライブしたいなって思っちゃった。笑
これからの私も、ちゃんと見ててね!
また会おうね。絶対忘れないよ!だいすきだよ!
森嶋あんり
#2i2として最後のステージに立った瞬間、これまでの5年間が一気に胸の奥まで押し寄せてきました。
声が出せなかった時代のライブ、悔しさや不安を抱えながらも前に進み続けた日々、そして今のようにみんなの声と気持ちがひとつになる空間。すべての景色が自分の人生を形作ってくれた大切な時間でした。
決して簡単な道のりではなかったけれど、どんなときも支えてくれるファンの皆さん、仲間、スタッフさんのおかげで今日まで歩いてくることができました。最後のステージに立ちながら、たくさんの愛に支えられてきたことを改めて強く実感しました。本当にありがとうございます。
そして、グループとしての活動は幕を下ろしますが、私自身の表現活動はここからさらに続いていきます。
作詞やステージづくり、ライブで心を交わす時間を通して、「誰かの心に寄り添える表現を届けたい」という想いがよりはっきりと自分の軸になりました。これまで培ってきた経験を胸に、新しい環境でも一歩ずつ誠実に、自分らしく挑戦を重ねていきたいと思っています。
5年間でいただいた景色や言葉が、これから先の私を強くしてくれると信じています。
まだまだ未完成な私ですが、ここからの成長も見守っていただけたら嬉しいです。
天羽希純
まずはいつも応援してくれているみなさん、本当にありがとうございます。
今日まで続けてこられたのは、ひとりひとりが私たちにくれた言葉や、ライブで向けてくれた笑顔のおかげです。
解散って言葉を聞いた時、自分でもびっくりするくらい胸がぎゅっとして、
「この景色をもう見られないのかな」って思ったら怖くなる瞬間もありました。
でもそのあとに浮かんできたのは、不思議と“悲しさ”より“ありがとう”の気持ちでした。
#2i2として過ごした日々は、私にとって宝物です。
初めてステージに立った時のドキドキも、うまくいかなくて悔し涙を流した夜も、
みんなが名前を呼んでくれるたびに心が救われた瞬間も、
全部が私をつくってくれた大切な思い出。
ファンのみんながいたから、私はこの場所で輝けました。
どんな時も「大丈夫だよ」「がんばれ」って言ってくれた声が、
ずっと支えになっていました。
今回でひと区切りではあるけれど、みんなと過ごした時間はこれからもずっと私の背中を押し続けてくれます。
この先の人生で迷ったり立ち止まったりした時、きっと私はまたこの景色を思い出すと思います。
今まで本当にありがとうございました。
みんなのおかげで、私はここまで走ってこられました。
そして、これからの私たちもちゃんと見ていてくれたら嬉しいです。
#2i2としての私を愛してくれて、心からありがとう。
そしてこれからも、よろしくお願いします。
セットリスト
「#2i2 LAST TOUR FINAL『Pages of Us』」2025年12月6日 Spotify O-EAST
01. FATE
02. BURNBURNBURN
03. Live and let live
04. だってさ。
05. ライトシーカー
06. ティアドロップ
07. 善人悪人
08. SUPER FIRE
09. 独り占め
10. HATSUKOI JUICE
11. ぽみっとSONG
12. OK.U'lI Marry Me !
13. Don't be ぞんびー
14. せめて月のように
15. USO
16. ナイトダイバー
17. SAYONARA
18. ポチ
19. このままでいいんだよ
20. 希う
21. Runway
22. 醜形の心臓
23. SCAR
24. Shutter speed
25. Follow Me
26. 爱ノ灯火
27. Pages of Us
28. アドマイア
<アンコール>
29. どうでもいいじゃんか
30. MONSTER LIVE!!!


