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B'z、ファンとパッションをぶつけ合った7年ぶりの東京ドーム

「B'z LIVE-GYM 2025 -FYOP-」東京ドーム公演の様子。
7分前2025年12月22日 9:01

B'zの約7年ぶりドームツアー「B'z LIVE-GYM 2025 -FYOP-」が12月21日に大阪・京セラドーム大阪にて閉幕した。本稿では、12月6日に行われた東京・東京ドーム公演DAY1の模様をレポートする。

FMP」(Follow My Passion)で幕開け

11月にリリースされた最新アルバム「FYOP」を携え、サポートメンバーのシェーン・ガラス(Dr)、Yukihide“YT”Takiyama(G)、川村ケン(Key)、清(B)とともに全国4都市を回ったB'z。アルバムタイトルは「Follow Your Own Passion」の頭文字を取ったもので、これはB'zが自分たち自身に向けた言葉でもあるという。ジャケットには、彼らのデビュー当時は主流だったラジカセが炎に包まれるビジュアルが採用され、バンドを組んだ頃の情熱が今も燃え続けているメタファーにも見える。

「B'z LIVE-GYM 2025 -FYOP-」のステージにもラジカセを模した映像が投影され、カセットテープが回っている。そのテープが徐々に燃え始め、炎はラジカセ全体に広がる。そして清の野太いベースが地鳴りのように轟き、アルバムの1曲目を飾る「FMP」でライブは勢いよくスタート。稲葉浩志(Vo)はステージ前方に火柱が上がる中で「I Follow My Passion」と高らかに歌い上げ、観客のボルテージを一気に引き上げた。

続く「兵、走る」では、勝ちどきを想起させるコーラスがドームに響く。曲が終わると稲葉が「B'zの……」とおなじみのフレーズを切り出すが、松本孝弘(G)が「ちょっと待って。たまには俺にやらせてよ」と割って入るまさかの展開に。松本は渋みのある声で「B'zの……」と4回繰り返し、ファンのリアクションに「いいね。いいよ」とご満悦の様子。そして「稲葉くんあとよろしく」と委ね、バトンを受け取った稲葉は「B'zの『LIVE-GYM』にようこそ!」とファンを歓迎した。

時を超えた“共演”が実現

この日のライブは映像演出も見どころの1つ。「MY LONELY TOWN」では軍艦島の愛称で知られる長崎・端島の映像が映し出され、廃墟をバックに演奏した同曲のミュージックビデオの世界観が再現される。また「INTO THE BLUE」では海中にいるかのような映像と青い照明が東京ドームを幻想的な空間に染め上げた。一方、「DIVE」ではYukihide“YT”Takiyamaの哀愁を帯びたギターに松本がブルージーなアルペジオを重ね、シェーンのドラムカウントを合図に一気に迫力のあるバンドアンサンブルへと展開。緩急のあるライブアレンジで聴衆を魅了した。

稲葉が「お互いのパッションを思いきりぶつけ合おうじゃありませんか!」と呼びかけて始まった「恐るるなかれ灰は灰に」では稲葉がリフターで上昇。また映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」の主題歌「The IIIRD Eye」では華やかなブラスサウンドが観客の体を揺らす。これら「FYOP」の収録曲に続いて届けられたのは、1990年リリースのアルバム「BREAK THROUGH」に収録された「となりでねむらせて」だ。稲葉は「30年以上前の雰囲気を出すのは難しいけれど歌ってみたいと思います(笑)」と前置きし、テンポを落としてバラード色を強めた川村のピアノに乗せてアダルトな歌声を響かせた。一方の松本は「ミュージックステーション」のテーマ曲としておなじみの「#1090 ~Million Dreams~」をプレイ。この曲はもともと1992年から2016年まで24年にわたって「Mステ」のテーマ曲として親しまれてきた「#1090 ~Thousand Dreams~」のトラックに、新たにレコーディングしたトラックをミックスしてできたもの。その制作スタイルを体現するかのように、ステージ後方のスクリーンには若かりし頃の松本のパフォーマンス映像が流れ、時を超えた“共演”が実現した。

しばしの静寂ののち、壮大で流麗なストリングスが「LOVE PHANTOM」の始まりを告げると、至るところから歓声が上がる。火柱が何本も上がる中、稲葉の高音シャウトで会場の熱気はさらに上昇。間髪をいれずに、松本の“半ワウ”とチョーキングを駆使したイントロのギターリフが印象的な「ultra soul」になだれ込む。昨年の「NHK紅白歌合戦」でもメドレーで披露され、全国のお茶の間を熱狂させた代表曲の連投は、この日のハイライトとなった。

パッションを浴びに浴びまくりました

MCでは松本が今年6月に体調不良のため「B'z presents UNITE #02」への出演を辞退したことを振り返り、「今日こうしてこんなにすごいところに立っているのは普通ではありません。普通ではない現実に心から感謝しながらギターを弾かせていただいています。今日は来てくれて本当にありがとう」と感謝の気持ちを伝える。稲葉も「こういうライブは当たり前じゃないとつくづく思います」と言葉をつなぎ、「その当たり前じゃない空間を楽しもうじゃありませんか!」と焚き付けて、「鞭」でラストスパートをかける。B'zとサポートメンバーは盤石のアンサンブルで「Still Alive」を奏で、「juice」では稲葉がオーディエンスとのコール&レスポンスを楽しむ一幕も。そして稲葉が「今日はひさしぶりの東京ドームで皆さんのパッションを浴びに浴びまくりました。本当にピュアで美しいパッションを僕らにいっぱいくれて、心から感謝しています。ありがとう!」と熱く語り、「Brotherhood」へ。稲葉は観客から受け取った情熱を歌声に変えるかのごとく、圧倒的なロングトーンで場内を満たした。

アンコールでは、この季節にぴったりの「いつかのメリークリスマス」、NHK連続テレビ小説「おむすび」の主題歌「イルミネーション」が届けられる。最後は「愛のバクダン」が投下され、カラフルなバルーンが会場を彩る中でにぎにぎしくフィニッシュ。音楽への冷めることのない情熱を示し続けたライブは幕を閉じた。

セットリスト

「B'z LIVE-GYM 2025 -FYOP-」2025年12月6日 東京ドーム

01. FMP
02. 兵、走る
03. 声明
04. MY LONELY TOWN
05. DIVE
06. 恐るるなかれ灰は灰に
07. INTO THE BLUE
08. The IIIRD Eye
09. となりでねむらせて
10. 消えない虹
11. #1090 ~Million Dreams~ 
12. LOVE PHANTOM
13. ultra soul
14. 鞭
15. Still Alive
16. juice
17. Brotherhood
<アンコール>
18. いつかのメリークリスマス
19. イルミネーション
20. 愛のバクダン

©VERMILLION ©Dynamic Planning・TOEI ANIMATION

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