昨年9月に開幕したLiSAの全国ホールツアー「LiVE is Smile Always~PATCH WALK~」が、昨日1月12日の三重・シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢公演をもって終幕した。
2025年は映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の主題歌「残酷な夜に輝け」の大ヒットや、約4年ぶりの「第76回NHK紅白歌合戦」出場といった大きなトピックが続いたLiSA。「PATCH WALK」と名付けられた約2年ぶりのホールツアーは、今年4月に迎えるソロデビュー15周年の節目に向けてLiSAの足跡をたどることを目的に企画されたもので、Girls Dead Monster時代の曲から未発表の新曲までを披露する大充実の内容に。本稿ではこのツアーから、正月ムードが漂った1月5日の東京国際フォーラム ホールA公演の模様をレポートする。
1段1段を踏み締めて
客席がLiSAカラーであるピンクの光に包まれる中、紗幕越しに△□◯をかたどった照明と、急な階段や緩やかな傾斜で構成されたステージセットが浮かび上がる。紆余曲折あったLiSAのキャリアを象徴するようなステージに、柳野裕孝(B)、PABLO(G)、生本直毅(G)、石井悠也(Dr)、白井アキト(Key)、Nona*(Cho, Per)からなるサポートバンド“わんたんにゅーめんず”のメンバーが順番にスタンバイ。穏やかなアンサンブルでライブの幕開けを告げた。
優しい音色に包まれて現れたLiSAは、1段1段を踏み締めるように階段を登ったのち、ゆっくりと坂道を下りオーディエンスの前へ。2010年にリリースされたGirls Dead Monster名義の楽曲「Little Braver」を、LiSAッ子(LiSAファンの呼称)1人ひとりに語りかけるように歌い始めた。「君は僕で 君も僕で 一緒だから 旅の終わりを見に行こう」という最後のフレーズに力を込めたのち、LiSAは弾けるような笑顔で「ようこそ『LiVE is Smile Always~PATCH WALK~』へ! 楽しむ準備はいい?」と元気いっぱいに挨拶。LiSAッ子たちの盛大なコールや歌声を浴びながら「Mr.Launcher」「だってアタシのヒーロー。」を勢いよく届けた。
“大人LiSA”の魅力でLiSAッ子をノックアウト
「正月たっぷり寝たでしょうが! 去年の疲れは去年置いてきたでしょう!」。年始らしい言葉で5000人のLiSAッ子たちを発奮させたLiSAは、キュートな振付が印象的な「アシアトコンパス」やデビューアルバム「Letters to U」収録の「ミライカゼ」といった懐かしい楽曲を優しい眼差しをたたえて披露。かと思うと、「Psychedelic Drive」では、ステージ最前列で熱視線を送るLiSAッ子2人にロックオンすると、順番にその頭を抱き寄せ、耳元で艶かしくその歌声を聴かせ、ライブ序盤から“大人LiSA”の魅力を全開にする。穏やかなムードに包まれていたオープニングはどこへやら。すさまじい興奮と熱気がホールを包み込んだ。
LiSAッ子たちの熱烈な盛り上がりに「すごいよ、東京。すごい、ホントに……」と半ば呆然としながら口にしたLiSA。これまでライブハウスからアリーナまで、国内外のさまざまな会場のステージに立ってきた彼女だが、東京国際フォーラムのステージにライブで立つのは、Girls Dead Monsterのラストライブ「Girls Dead Monster Last Live - Final Operation -」以来実に15年ぶり。LiSAは「あのときもみんながピンクのペンライトを振ってくれて」と当時を振り返り、「その後、たくさんの夢をみんなに叶えてもらって15年ぶりに国際フォーラムに帰って来れて本当にうれしいです」とトレードマークの八重歯をのぞかせながら笑った。「感謝を込めて」というひと言とともに届けられたのは、Girls Dead Monster時代の楽曲「一番の宝物」。アコースティックギターの柔らかな音色に乗せてLiSAが歌い出すと、LiSAッ子たちはペンライトをピンクに灯した。
“パッチウォーク”してあなたに会いに
ここまでノスタルジックな空気が支配していたライブの流れは、物々しいSEが響く中で次第に変わっていく。再び紗幕に覆われたステージに白いロングドレスに身を包んで現れたLiSAは、「残酷な夜に輝け」をフルサイズで披露。慈愛、絶望、悲哀、希望など1曲の中に凝縮された種々多様な感情や景色を繊細に描き出し、LiSAッ子を圧倒していく。
LiSAの豊かな表現に合わせて紗幕に投影される映像も生き物のように変化。曲に寄り添った視覚演出が、梶浦由記の生み出した壮大な世界を彩った。「残酷な夜に輝け」の最後の一節である「行け」が響いたのに続き間髪をいれずに始まったのは、「ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」の主題歌「往け」。LiSAのキャリアを語るうえで欠かせない存在感の2曲が、「PATCH WALK」のハイライトを作り出す。
「LiTTLE DEViL PARADE」を届けたところでLiSAはここで白いドレスから、鮮やかな色彩が目を引くミニ丈のワンピースに衣装替え。鍛え抜かれた肉体を駆使しながら、「RED ZONE」を皮切りに「L.Miranic」「ADAMAS」「Shouted Serenade」といったライブ映えするアッパーチューンを息つく間もなく投下。LiSAとしてデビューした15年前も、名実ともに日本を代表するアーティストとなった今も変わらぬ、ひたむきで全力投球のパフォーマンスを繰り広げた。
ロックヒロインとしてのLiSAを象徴する1曲「Rising Hope」を経てLiSAが口にしたのは、LiSAッ子たちへの感謝の思い。キーボードをポロポロと弾きながら彼女は「ここまでの15年を一緒につないできてくれたあなたが、ここに来てくれるあなたが、私の名前を呼んでくれたり一緒に作った一瞬をつないで、私に大きな夢を見せてくれたり。『もっともっとみんなと楽しいこと作りたいな』って言ったわがままを一緒に叶えてくれる仲間がいたり。ホントにあなたに、あなたに、あなたに、あなたにつないでもらって、今日私はこの日を、2026年1月5日。15周年に向かう新しい1歩を迎えられています」と感慨を言葉の1つひとつににじませる。「LiSAはここから15周年に向けてまた駆け出します。また1歩1歩、大切な日をつないで“パッチウォーク”してあなたに会いに行きます。それから1つひとつ芽生えた思いを大切に大切に曲にして、あなたに届けていきます」と誓ったLiSAはわんたんにゅーめんずの奏でる盤石の演奏に乗せて、柔らかな光に包まれながら「Believe in ourselves」を力強く歌い上げた。
15カウントを経て叫んだ言葉は
サプライズ好きのLiSAは、アンコールでまず自身の歩みを曲に落とし込んだ新曲「Patch Walk」をパフォーマンス。さらに「best day, best way」では、カラフルな銀テープを発射させライブのクライマックスにふさわしい演出に加えて、1階客席を駆け回りLiSAッ子を驚喜させる。客席をくまなく巡りLiSAッ子たちの歌声を浴びたLiSAは、最後にメンバーに15カウントをリクエスト。デビュー15周年に向けて勢いをつけるように15回ジャンプを繰り返し、「15周年迎えるよー!」と笑顔を浮かべた。
その後、祭のあとのような裏寂しい空気に包まれる場内だったが、LiSAはここでLiSAッ子たちに“お年玉”をプレゼント。7枚目のフルアルバム「LACE UP」のリリースや国内およびアジアでのライブツアーの開催、大規模展覧会の実施などアニバーサリーらしいニュースを一気に発表した。「15周年なのでワクワクをねりねりしてます!」とまだビッグニュースが控えていることを予告して会場を沸かせたLiSA。「あなたが迎えてくれた今日をつないで、LiSAは15周年に向かいます。絶対についてきてよ。1つも見逃さないでよ。今日初めて来たあなたも、あなたも、あなたも、ここから始まるストーリー、一緒につないでいくよ、いい?」「あなたもそれぞれのストーリーをつないで、また元気に会いましょう。また一緒に最高の1日を作ろうね!」という言葉でこの日のデート(ライブ)を締めくくった。
セットリスト
「LiVE is Smile Always~PATCH WALK~」2026年1月5日 東京国際フォーラム ホールA
01. Little Braver
02. Mr.Launcher
03. だってアタシのヒーロー。
04. アシアトコンパス
05. ミライカゼ
06. ハルシネイト
07. Psychedelic Drive
08. REALiZE
09. 一番の宝物
10. 残酷な夜に輝け
11. 往け
12. LiTTLE DEViL PARADE
13. RED ZONE
14. ReawakeR
15. L.Miranic
16. QUEEN
17. ADAMAS
18. Shouted Serenade
19. Rising Hope
20. Believe in ourselves
<アンコール>
21. Patch Walk
22. best day, best way


