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KIRINJIがユニークな新曲たちを信頼するメンバーと熱演、圧倒的興奮ですべてを洗い流す

堀込高樹(Vo, G)(Photo by Kana Tarumi)
14分前2026年02月14日 9:06

KIRINJIが2月11日に東京・NHKホールでバンド編成ツアー「KIRINJI TOUR 2026」のファイナル公演を開催した。このツアーは2年4カ月ぶり、通算17枚目となるニューアルバム「TOWN BEAT」の発売を記念して行われたもの。チケットは全公演ソールドアウトとなり、東京公演の模様はBitfanとStreaming+で配信された。

ユニークな楽曲を信頼するメンバーと

開演時刻の17:30を迎えると、まず

So Kanno(Dr / BREIMEN)と松井泉(Perc)が登場。2人が叩くリズムに乗って、小田朋美(Vo, Syn, Steelpan / CRCK/LCKS)、シンリズム(G, Flute, Cho)、千ヶ崎学(B)、宮川純(Key / LAGHEADS)も姿を見せ、最後に堀込高樹(Vo, G)が大きな拍手に迎えられる。

彼らのジャムセッションから1曲目に披露されたのは、アルバム収録曲「デートの練習」。男子校に入学した堀込の次男の「女子がいない」というひと言から着想を得た1曲であり、思春期の少年をイメージした愛らしい物語が穏やかな演奏に乗せて届けられた。

今回のツアーがKIRINJIのライブ初参加となる松井の軽快なパーカッションをはじめ、メンバーそれぞれの演奏が楽曲の中で存在感を発揮し、小田はボーカリストとしても活躍。アルバム収録の「LEMONADE」ではドラムンベースのような疾走感あふれるサウンドと、身振りを交えながら歌う彼女の伸びやかな声、宮川の流麗なキーボードプレイが観客に高揚感をもたらした。

新たな試みも交えて示すバンドの進化

「Rainy Runway」「時間がない」「非ゼロ和ゲーム」とライブ定番曲が畳みかけられ、「Almond Eyes」では堀込とシンリズムがエネルギッシュなギターソロを展開。ホールに熱狂が広がり、客席からステージに力強い拍手が送られた。

しばしの休憩をかねたMCを挟みつつ、メロウな人気曲「killer tune kills me」でバンドは演奏を再開。小田がクールに歌う一方で、堀込は韓国語でリズミカルにラップし、ファンは声を上げて沸き上がる。また「silver girl」や新曲「ベランダから」では、小田がスティールパン、シンリズムがフルートを演奏。そうした新たな試みも交えてKIRINJIはバンドとして常に進化していく姿勢を示していく。

観客に寄り添いつつ、その心を揺さぶる歌声

メンバー紹介とそれぞれの小話を挟んで披露されたのは、ダンサブルな楽曲が多い今回のアルバムで異色を放つ「反省と後悔」。眠りを誘うようなムードの中、堀込が「やらかしたけどやってよかった」「やらかしたけどまたやろう」と呼びかけるように歌うシュールな1曲だ。

ここでバックの照明が星空のように輝くと、ドラマチックなラブバラード「Drifter」へ。聴き手に寄り添うように優しく歌う堀込が徐々に声量を上げ、決意に満ちた歌声で観客の心を揺さぶる。NHKホールが感動に包まれる中、生命力あふれる壮大な演奏がスタート。ライブで披露されるのは「KIRINJI TOUR2016」以来だという「真夏のサーガ」だ。

本編を締めくくるアルバム屈指のキラーチューン

さらにライブ終盤、KIRINJIは“好きバレ”したくない片思いのもどかしい心情を歌いながら「愛してる」という思いをそっと吐露するアルバム収録曲「気になる週末」を披露し、「Runner's High」からシームレスにつなげる形でV6「素敵な夜」のセルフカバーを演奏。コミュニケーションのズレを描いたコミカルな歌詞と陽気な演奏に観客の口角も自然と上がり、まさに“素敵な夜”というにふさわしい幸福なムードが広がっていく。

「イェイ!」のかけ声で「素敵な夜」が締めくくられたのち、「ルームダンサー」では千ヶ崎が牽引するモータウン風のビートに乗せて堀込と小田が艶やかな掛け合いを繰り広げ、アルバム屈指のキラーチューン「flush! flush! flush!」へ突入。日本の全自動トイレと下水に蓄積する問題を対比した歌詞が現代社会への風刺的なメッセージを匂わせる1曲だが、ギターを高速でカッティングしながら「ニッポンのトイレってso good!」「ニッポンのトイレってエグッ!」と叫ぶ堀込やバンドメンバーの爆発的な熱演が観客の理性を洗い流し、圧倒的な興奮だけがホールに残された。

初のオーケストラ公演も決定

アンコールでは「まぶしがりや」「愛のCoda」とキリンジ時代の名曲に続けて、ソロ名義曲「冬来たりなば」を届け、新規のファンに掘りがいがあることを伝えた堀込。最後は、2022年から行っている弾き語りツアー「KIRINJI 弾き語り ~ひとりで伺います」から生まれた楽曲「歌とギター」を演奏し、ライブに向き合う自身の思いを歌い上げた。

なおKIRINJIは弾き語りツアーで年内15都道県を回ることが決まっており、5月から6月に行う6公演を発表。8月28日には東京・サントリーホール 大ホールで初のフルオーケストラ公演「billboard classics KIRINJI PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2026」を開催することを明らかにした。このオーケストラ公演では指揮者の齋藤友香理、東京フィルハーモニー交響楽団を迎えてさまざまな楽曲が披露される予定で、堀込は「これからどんな曲やるかって打ち合わせをスタッフの皆さんとやるんですけど、候補曲が山ほどあって本当に悩んでます」と語った。KIRINJIのオフィシャルファンクラブではオーケストラ公演と弾き語りツアーのチケットの先行抽選予約を受付中。

またNHKホール公演の配信チケットは2月17日21:00まで販売されており、購入者は同日23:59までアーカイブを視聴可能。KIRINJIの熱演を配信でじっくり味わおう。

セットリスト

「KIRINJI TOUR 2026」2026年2月11日 NHKホール

01. デートの練習
02. だれかさんとだれかさんが
03. LEMONADE
04. Rainy Runway
05. 時間がない
06. 非ゼロ和ゲーム
07. Almond Eyes
08. killer tune kills me
09. silver girl
10. 曖昧me
11. ベランダから
12. 反省と後悔​
13. Drifter
14. 真夏のサーガ
15. 気になる週末
16. Runner's High
17. 素敵な夜
18. ルームダンサー
19. flush! flush! flush!
<アンコール>
20. まぶしがりや
21. 愛のCoda
22. 冬来たりなば
23. 歌とギター

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