TenTwentyのライブツアー「TenTwenty ONE MAN LIVE TOUR 2026『Abyss Red』」のファイナル公演が3月11日に神奈川・KT Zepp Yokohamaにて開催された。今回のツアーは2月リリースの新作EP「Abyss Red」を携え、全国6会場で開催。EPの収録曲全曲が披露されたほか、過去の楽曲もブラッシュアップしたアレンジで届けられ、2人のこれまでの確かな歩みを印象付けるステージとなった。
新曲だけでなく、旧曲も最新のアレンジで
ステージにサポートメンバーの岡本啓佑(Dr)、粂絢哉(G)、宮川純(Key)、そして斎藤宏介(Vo, G)と須藤優(B)が登場し、最初に演奏された曲は「ハレ」。軽快なサウンドで観客の心と体を解きほぐすと、斎藤は「さあ横浜、始めましょう。TenTwentyです!」と高らかにツアーファイナルの幕開けを宣言した。その後は“5人の男”の自己紹介とばかりに披露した「きみは幽霊」で強固なバンドサウンドを響かせ、須藤のベースが唸りを上げるイントロから始まった「あれ」では斎藤、須藤、粂がステージ前方で楽しそうに音を奏でる。アッパーチューンを畳み掛けた序盤を終え、斎藤は「新しいEPを出してツアーを回っています。新曲をしっかり聴いてもらいたいのはもちろんだけど、旧曲も最新のTenTwentyでお届けするので存分に楽しんでください」と告げ、オーディエンスの期待を高めた。
その後は1stアルバム「White White」の収録曲「Stay Mellow」へ。芳醇な音色のアンサンブルで観客を魅了すると、「スプレー」「So Many Stars」と柔らかな質感の楽曲の数々を演奏していく。グリーンのライトがステージに灯り、フロアに濃密な夜の香りが漂ったのは「Abyss Red」に収録された新曲「マツリカは夜に咲く」。宮川が奏でるクラビネットの音色に誘われ、オーディエンスはTenTwentyが繰り広げる新たな世界にじっくりと浸った。
“やる気まんまんマン”たちの全力のステージ
中盤のMCでは斎藤と須藤がツアーファイナルを迎えた心境を語り合った。斎藤が「1曲1曲について『しばらく(ライブで)やらないんだ』と思うと切ない気持ちになるから、もっといっぱいライブやろうよ」と持ちかけると、須藤も「僕ら“やる気まんまんマン”だから、やりたくなっちゃうよね」と同意。そのまま2人は今回のツアーの来場者に配布された描き下ろしのご当地ステッカーや、ツアーで訪れた土地でのエピソードを楽しげに話す。須藤が「ここのMCはいつも内容を決めないフリートークだったけど、毎公演面白かった(笑)。話題に事欠かなかった」と振り返ると、斎藤は「MCがグダグダなのは音楽に全力ということです(笑)」と返す。そして「曲を作っているときもリリースしたときも自信のあるEPだったけど、ツアーとしても充実感がありました。今日も最後まで全力を尽くします」と力強く語り、後半へ突入した。
和やかなMCのあとは「E△7」で再び観客をTenTwentyの音楽の世界へと引き込み、「All Light」では粂が奏でるアコースティックギターを中心にした温かなサウンドで包み込む。斎藤が「戻らない時間、戻らないあの人、戻らない自分自身に、あったかい気持ちで書いた曲です」と言葉を添えて演奏したのは、「Abyss Red」の中でも特にエモーショナルなナンバー「柊」。落ちサビ前の「ごめんね」というひと言ではステージと会場が暗転し、観客に深い余韻を残した。
ライブ限定の“踊れるアレンジ”も披露
最後のブロックに入る前、斎藤は「家で曲を作ったり練習したりしていても成果が見えないけど、そういう日々が今日みたいな日の答え合わせにつながってると思うと、幸せな音楽人生だと思います。今日、皆さんの前で歌えるのを楽しみにしてました」とこのステージに懸けた思いを語った。その言葉を演奏と歌声に乗せて「煌めき」を届けたあとは、岡本のダイナミックなドラミングから斎藤曰く「ライブでしか聴けないめちゃめちゃ踊れるアレンジ」に仕上げられた「月と蝶」へ突入。須藤が鳴らす重低音のシンセベース、四つ打ちのビートに乗せて斎藤がハンドマイクで届けるエッジの効いたボーカルがフロアを狂乱に導いた。
「Border=Border」の間奏では須藤もマイクを握ってお立ち台に上がり観客をアジテート。サポートメンバーのソロ回しに続いては須藤と斎藤も気合たっぷりのド派手なソロパフォーマンスを見せて場内の気温をさらに上昇させた。最後を飾った曲はEPのタイトル曲「Abyss Red」。疾走感に満ちたスリリングなサウンドでライブを締めくくった。
10月20日は空けておいてください
アンコールの拍手に応えて登場した5人は「ilaksa」のグルーヴィなアンサンブルで観客を酔わせる。「今回のツアーの中で一番体感が早かったな」とあっという間のステージを振り返った斎藤に、須藤も「終わりたくないな」とうなずくが、斎藤から「もう1回(最初から)やる?」と尋ねられると「……うーん」と言葉を濁してオーディエンスを笑わせた。ここで2人は前回のツアーでも展開した、観客の拍手の大きさでEP収録の5曲から1曲を選び、その演奏を撮影できるというコーナーへと導く。この日選ばれた曲は「Eleven Back」。オーディエンスはスマートフォンを構え、5人の熱演を“お土産”としてそれぞれの端末に残した。
最後に斎藤は「いい気持ちにさせてくれたからちょっとだけいいことを教えます。10月20日は空けておいてください」と、恒例の“テントゥエンティの日”に向けてファンの期待を煽る。アンコールラストには「ユースレス・シンフォニー」を披露し、観客のシンガロングが華やかに響く中でツアーは大団円を迎えた。
セットリスト
「TenTwenty ONE MAN LIVE TOUR 2026『Abyss Red』」2026年3月11日 KT Zepp Yokohama
01. ハレ
02. きみは幽霊
03. うらら
04. Eleven Back
05. あれ
06. Stay Mellow
07. スプレー
08. So Many Stars
09. マツリカは夜に咲く
10. E△7
11. All Light
12. おもちゃの街
13. like the rain
14. 柊
15. 煌めき
16. 月と蝶
17. Border=Border
18. Abyss Red
<アンコール>
19. ilaksa
20. Eleven Back
21. ユースレス・シンフォニー


