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the paddlesはリスナーに寄り添い歌い続ける、長いツアーを経て最高を更新した渋谷の夜

the paddles(撮影:オガワタクヤ)
3か月前2026年03月17日 11:02

the paddlesが3月15日、東京・WWW Xにて全国ツアー「いつか君と別れてしまうならツアー」のファイナル公演を開催した。

背中を押すのではなく、みんなに寄り添うバンドでありたい

昨年12月にリリースされた3rd EP「結婚とかできないなら」を携え、1月末から各地を巡ってきたこのツアー。オリジナルメンバーの柄須賀皇司(Vo, G)と松嶋航大(B)、正式加入から約1年が経過した渡邊剣人(Dr)の3人は、対バンとワンマンを重ねる中で研ぎ澄ませてきたアンサンブルを、満員のフロアへエネルギッシュに届けた。

ステージに現れた3人は、まず互いに向かい合い、短く会話を交わしてから一斉に音を鳴らす。最新EPのリード曲「ちぎれるほど愛していいですか」で幕を開け、柄須賀が「今日一番いいライブをするわ!」と宣言。続く「花」では場内に大きなシンガロングが巻き起こった。

中盤、“元銀行員のバンドマン”という経歴を持つ柄須賀は、フロアに向かって「銀行員の方はいますか?」と呼びかけ。手を挙げた観客に「預金ですか? 融資ですか?」と担当を尋ねるなど、彼らしい軽妙なトークで場内を和ませる。しかし、続く言葉には強い覚悟がにじんでいた。「僕たちはみんなの背中を無理に押すバンドではなく、みんなの人生に寄り添い、節目を歌うバンドでいたい」。その言葉を証明するように、the paddlesが等身大の愛をつづった「プロポーズ」や、あふれんばかりの情愛を込めた「赤いアネモネ」を披露すると、会場は温かな一体感に包まれた。

記憶と情景を呼び覚ますthe paddlesの歌

ライブ後半、柄須賀はツアータイトルに込めた思いを吐露した。「いつか別れが来るからこそ、好きな人には好きだと伝えたい。伝えたいことは今、伝えないといけない」。そんな切実なメッセージから、「予測変換から消えても」「夏の幻」「結婚とかできないなら」と、失恋や後悔をテーマにした楽曲を畳みかける。彼らの表現する楽曲群は、日常的であり普遍的。甘酸っぱくもほろ苦い人気曲「ブルーベリーデイズ」へと続く流れは、まるで映画を観ているかのような没入感と高揚感を観客に与えた。

ライブ終盤に向けて、熱量はさらに加速していく。「何回も負けてきたんだ。だからこの歌、歌ってんねん」と吐き捨てるように語り、the paddlesからリスナーに向けた思いが詰まった「会いたいと願うのなら」で感情を爆発させた。柄須賀は「今日ここにいる400数人のみんなにずっと歌い続けるために、俺たちはめちゃくちゃ売れたい。みんなと一緒に歳を重ねていきたい」と語り、人気者になること以上に「目の前のファンと生き続けること」への渇望を口にした。泥臭くもまっすぐな決意とともに放たれた「22」「愛の塊」「25歳」では、突き上がった拳の数だけそれぞれの人生があることを物語るような、エモーショナルな光景が広がった。

アンコールで真夏のSpotify O-WESTワンマン発表

アンコールで再びステージに登場した彼らは、「今回のツアーで初めて、毎公演で“最高”を更新できた」と確かな手応えを語る。そして次なるステップとして8月5日に東京・Spotify O-WESTでワンマンライブ「人生の登場人物として」を開催することを発表した。

the paddlesはラストに「カーネーション」、そして「Alright」を演奏。「俺らがついてる! 大丈夫だ!」という柄須賀の力強い言葉が、観客一人ひとりの日常に寄り添うエールのように響きわたり、ツアーは幕を閉じた。

セットリスト

the paddles「いつか君と別れてしまうならツアー」2026年3月15日 WWW X

01. ちぎれるほど愛していいですか
02. 花
03. 恋愛ヒステリック構文
04. プロポーズ
05. 赤いアネモネ
06. 倦怠モラトリアム
07. 今は、エバーグリーン
08. 予測変換から消えても
09. 夏の幻
10. 結婚とかできないなら
11. ブルーベリーデイズ
12. 22
13. 愛の塊
14. 会いたいと願うのなら
15. 25歳
<アンコール>
16. カーネーション
17. Alright

公演情報

the paddles ONEMAN LIVE「人生の登場人物として」

2026年8月5日(水)東京都 Spotify O-WEST

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