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STUTS Bandがルーツとするジャズの熱気で観客圧倒、バンドを支えてきたTAIHEIにプレゼント

「STUTS "90 Degrees" TOUR 2026」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:Daiki Miura)
24日前2026年03月20日 12:05

STUTSが3月13日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)でライブツアー「STUTS "90 Degrees" TOUR 2026」のファイナル公演を開催した。

STUTSが2020年から開催している「90 Degrees」は、バンド編成でのパフォーマンスを中心とする公演。今回のツアーは岩見継吾(B)、仰木亮彦(G)、TAIHEI(Key)、高橋佑成(Key)、吉良創太(Dr)、武嶋聡(Sax, Flute)、佐瀬悠輔(Tp)というおなじみのメンバーを迎えた編成により、福岡、大阪、愛知、東京の4カ所で行われた。

バックバンドの域を超えたSTUTS Band

会場が暗転すると、1人でステージに駆け込んできたSTUTSが、開幕の合図として「STUTS Keep the Groove Going」のプロデューサータグを鳴らし、スポットライトの中でMPCを連打。パワフルなビートで会場を揺らして大歓声を巻き起こす。そのまま「Renaissance Beat」に突入した彼が両手を広げると、周囲にスタンバイしたバンドも演奏を始め、メンバーそれぞれが自己紹介代わりに巧みなソロプレイを繰り広げていく。

水分補給後、STUTSが続けて演奏したのは「One」。原曲はストリングスが印象的だが、今回はTAIHEIの鍵盤がストリングスの代わりに楽曲を牽引する役割を担った。長年同じメンバーでセッションを続ける中で、STUTS Bandは単なるバックバンドを超え、唯一無二のスタイルを確立している。その1つの証がバンド名義で初めて提供した楽曲「Bollard」。ジャジーな演奏に乗って最初のゲスト・Campanellaが登場する。

激しい演奏でさっそく爪が……

続いて仰木のファンキーなギターから「Sticky Step」が始まれば、鎮座DOPENESSも現れ、Campanellaとスキルフルなコンビネーションを披露。武嶋もサックスで参加し、仰木は2人のラッパーに負けじと荒々しいギタープレイを轟かせた。

ここでバンドメンバー全員が一旦退場する中、STUTSは激しい演奏でさっそく爪が欠けてしまったことを報告しつつ、2人のラッパーとともに「Final Destination」へ。毎度のことながら鎮座DOPENESSのバイブスは尋常ではなく、STUTSがシンセを弾けば「イヨォー!」と煽って盛り上げ、コールアンドレスポンスも繰り広げて熱狂を生み出した。

マルチプレイヤーぶりを発揮するSTUTS

ステージに1人になったSTUTSは、台湾のシンガーソングライターJulia WuとのコラボEP「With U」の収録曲を演奏。「Eyes」ではピアノをしっとりと演奏し、続く「Tokyo Lights」ではMPCで勢いよく叩いて2ステップのビートで観客の体を揺らす。この曲はリミックスも近日リリースされる予定とのことだ。

Julia Wuの歌とDaichi Yamamotoのラップが彩る表題曲「With U」でEPのパートを終えたSTUTSは、その流れでDaichiとのコラボ曲「いい感じ」を続ける。この場にいないDaichiの分まで前のめりにラップして、すっかり“いい感じ”になったSTUTSは、MPCを傾けながら演奏するパフォーマンスも披露。ここで勢い余って「STUTS Keep the Groove Going」のボタンを押してしまう場面もありながら、熱量の高いプレイで観客を楽しませた。

バンドのルーツであるジャズの熱気

長い付き合いとなるシンガーソングライター北里彰久との新曲「April Child」を披露したSTUTSは、ここで再びバンドメンバーを迎えると、同じく北里と制作した思い出深い楽曲「Daylight Avenue」を演奏。北里の透明感のある歌声とバンドのグルーヴィな演奏が心地よいムードを生み出す。

続く「Canvas」ではKaneee、「Feel Missing」では彼とYo-Seaが伸びやかに歌唱。そのままYo-Seaはステージに残り、STUTS on the WAVEの楽曲「Shall We」のバンドアレンジバージョンや「Flower」も披露された。メロウな楽曲が続き、会場が穏やかな空気に包まれる中、STUTSは先日この世を去った自身の父親に捧げる楽曲として「Cage Birds」を演奏。いつもはDaichiが歌っているリリックをSTUTSが歌い上げ、「Take me, take me higher, take me higher」と力強く繰り返した。

STUTS Bandのうち、岩見、高橋、吉良は世田谷トリオ、TAIHEI、岩見、佐瀬は賽として活動しており、ジャズがルーツにある。今回のライブでは「99 Steps」演奏後、普段自らビートを演奏しているSTUTSが吉良にリズムを委ね、「Never Been」「Orbit」のインスト2曲をジャズアレンジで披露。各メンバーが秘めたる力を存分に発揮し、熱気あふれるスリリングな演奏で観客を圧倒した。このジャズセッションから即興的なアレンジで「Expressions」が始まると、Campanella、鎮座DOPENESS、北里が再登場。客席の盛り上がりも最高潮となる中、JJJとの大切な楽曲「Changes」でライブ本編は締めくくられた。

“とっておきの人”が登場「でけえな、会場!」

そしてアンコールには“とっておきの人”としてKMCが登場。今回のツアー全公演に参加したKMCは「でけえな、会場!」と驚きながら現れ、「今日歌う歌なんだけどね、みんなが大好きなYo-Seaくんのお母さんがジムで毎日聴いているという歌なんです! 非常にありがたい曲なんで。今日はそれを歌おうと思います!」と宣言して会場を沸かせる。

その一方、「一瞬だけ辛気くせえ話するんだけど」と切り出したKMCは「こうやって俺らが楽しんでるときも、戦争でぶっ壊れた街があったりとか、命を落としてる子供たちがいるぜ。日に日に世界は悪くなってる感じがするぜ」と混迷する世界情勢に言及。「だけど音楽には人の心を突き動かす力が間違いなくあるぜ。だから今日、こういう現象が起こってるわけでしょ?」と語りかけ、STUTSはドンドンとMPCを叩いて賛同の意を示す。

「春はもう来てるぜ。新しい日々が始まるぜ。STUTSのお父さん、今日も観てくれてありがとう。JJJおつかれ、ツアー楽しかったな」と空に語りかけたKMCは、力強い前口上から「Rock The Belles」を披露。曇り空を吹き飛ばすような豪快なラップを響かせ、STUTSが「太陽みたい」と称する明るさでフロアを照らした。

バンドを支えてきたTAIHEIに花束とウイスキーと

最後の1曲を前にして、STUTSはバンドメンバーのTAIHEIを改めて紹介。「バンドとはこういうものだというのをアグレッシブに教えてくれて。TAIHEIくんがいなかったらSTUTS Bandは違う形になってたと思います」と語り、TAIHEIがレギュラーバンドメンバーとして参加するのは今回が一旦、最後となることを明かす。

STUTSはTAIHEIに感謝の思いを込めて花束とウイスキーをプレゼント。さらにSTUTSのバンドとスタッフ全員からのとっておきの贈り物として、ウイスキーに合いそうな生ハムの原木がTAIHEIに手渡された。TAIHEIが爆笑しながら手にした原木を見ると、そこにはSTUTSたちからのメッセージが。STUTSは「今度みんなで食べに行くから」と笑い、TAIHEIは「うちでパーティしましょう」と約束した。そんなハッピーなムードの中で始まったのは「Seasons Pass」。STUTSは楽曲の締めくくりをTAIHEIに任せ、TAIHEIは流麗なプレイでライブを大団円に導いた。

こうしてツアーを終えたSTUTSは、11月7日に東京・日本武道館で活動10周年のアニバーサリー公演 「Alone with」を開催することを発表。この公演では、バンドを迎えずに、1人でステージに立ち、Campanella、鎮座DOPENESS、Kaneee、Julia Wu、PUNPEE、Yo-Sea、tofubeatsなど、これまで出会ってきた仲間たちを迎えながらパフォーマンスを繰り広げる。イープラスではチケットの最速先行予約を3月23日23:59まで受け付けており、限定枚数のU-19チケットも用意されている。

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