イラストレーター兼VTuberのしぐれういが、5月30日に神奈川・Kアリーナ横浜でバースデーワンマンライブ「SHIGURE UI Birthday Live “Wishing Umbrella”」を開催。自らデザインした新衣装を多数お披露目したほか、シークレットを含む豪華ゲストを次々に迎える怒涛のサプライズ演出を用意し、ハッピーな時間をファンと共有した。
楽しいサーカスの始まり
会場を埋め尽くすファンが待ち構える中、ステージには「サーカス」をモチーフにしたセットが。サーカスのテントを模した巨大なセットが存在感を放つのみならず、ステージ端の上部にはバルコニーLEDが設置され、遠くの席の観客もライブをたっぷりと楽しめるような演出が用意されていた。
オープニングムービーが流れたあと、しぐれういが観客の前に現れ、「放課後マーメイド」でライブがスタート。「微炭酸SWIMMER」ではキービジュアルのサーカス衣装姿に変身し、シャボン玉が舞っては弾け、夏を先取りするような清涼感をまとったパフォーマンスが披露された。「No thank Cute!」でしぐれういは、髪型をお団子にチェンジしてみせ、しぐれういのステージが持つ遊び心を早速発揮した。
「みんな楽しんでる? まだまだノンストップでいきますよ!」としぐれういが観客に呼びかけ、うさ耳リボンが愛らしい新衣装にチェンジして「シンカケイスケッチ」へ。ハロウィンムードのメランコリックな「仮装狂騒曲」と続き、「フォーチュンムービー」ではステージサイドにあるバルコニーへと移動し、会場の上層階の観客との距離を縮めたしぐれうい。「オタクとしてKアリーナに来てるからわかる。ここなら近いでしょ?」という彼女のMCが示すとおり、Kアリーナという大きな会場の構造を生かした演出だ。
豪華ゲスト陣が続々!
5周年記念衣装にチェンジしたしぐれういは、連続パフォーマンスの影響からすでに体力を消耗した様子。酸素を吸入して「酸素うめー!」と笑いを取りつつ、演奏でライブを盛り上げるバックバンドを紹介した。そして最初のゲストとして、宝鐘マリンを呼び込む。袖からしぐれういのパフォーマンスを観ていたという宝鐘マリンは「ういはおばあちゃんだと思ってたのに、もう6曲も歌って踊ってすごい!」と賛辞を送った。2人は左右のバルコニーに分かれ、互いのファンを煽りながら宝鐘マリンの大人気曲「美少女無罪♡パイレーツ」を披露。“マリン船長”と“うい先生”の息の合ったコンビネーションに、場内からは盛大なコールが沸いた。
ステージにはぽんぽこ、ピーナッツくんのぽこピーが着ぐるみで登場。「お気楽KING」でステージが一気ににぎやかになり、曲中ではしぐれういが生み出した謎のキャラクター・ういだがーも姿を見せた。ぽんぽこは「こんにちにんにん! ぽんぽこだよー!」、ピーナッツくんは「こんにちナッツ! ピーナッツくん……でっす!」と、それぞれおなじみの言葉で挨拶。ライブ慣れしたピーナッツくんがフロアを煽りまくり、ぽんぽこが「ハッピーバースデーういちゃん!」と祝福する中、MCでは「ピーナッツくん足長いんだね」「足が臭いんだけど大丈夫かな」というゆるい着ぐるみトークを展開した。
シークレットゲスト第1弾として登場したのは雨衣(うい)。彼女はしぐれういがキャラクターデザインとボイスを担当したバーチャルシンガー(音声合成ソフトウェア)だ。コミカルな人気楽曲「お返事まだカナ?おじさん構文!」と、さらにもう1曲「モニタリング(Best Friend Remix)」が披露された。「モニタリング」の終わりにはステージ中央に“どこでもいけそうなドア”が出現するユニークな転換演出が用意され、次なるゲストへとバトンが渡された。
ドアの向こうから現れたのは、次なるシークレットゲストのデコミク(ライトネス)。デコミクは「チェリーポップ」でキレのあるダンスを披露し、フロアを盛り上げた。そしてシークレットゲスト第3弾として登場したのは、283プロダクション・Straylightの黛冬優子。「SOS」で2人は息の合ったパフォーマンスを見せ、「Paint it delight!」では夢のような温かい時間が流れた。しぐれういのバースデーワンマンでありながら、宝鐘マリン、ぽんぽこ、ピーナッツくん、雨衣、デコミク(ライトネス)、黛冬優子と、まるでしぐれうい主催のフェスかのような豪華な顔ぶれが次々とステージを彩り、驚きと興奮の時間が続く。
9さいと16歳の共演
「うい麦畑でつかまえて」のあと、しばしの暗転を経て登場したのは、しぐれうい(9さい)。しぐれういの“気の迷い”から2020年に誕生した毒舌全開のこの派生キャラクターは、頭に光る輪と羽を備えた、“天使”のような新衣装をまとって姿を現した。しぐれうい(9さい)とファンの独特な関係性が浮き彫りになる場面となった。
続く「ウィマーマ・サーガ」では、新衣装の9さいと16歳のしぐれういが並んで立ち、火花の特効が会場を照らした。楽曲のクライマックスでは、Kアリーナ横浜の天井から“母”と書かれた巨大なウィマーマが降臨。「バンドはカッコいいが、お前らキモすぎる。もう事件ですよ」というしぐれういの毒舌MCで締めくくられたこのブロックは、ライブ全体の中でもひときわカオスな熱狂を生み出した。
黒髪制服姿のしぐれうい
暗転の後、静かに姿を現したのは黒髪の制服姿のしぐれういだった。ゆっくりとグランドピアノの前に腰かけ、「二人模様」の冒頭を弾き語り。やがてバンドのキーボードに伴奏のバトンが渡され、しぐれういはブランコに乗ってステージ高くへ上昇しながら歌い上げた。青いライトに包まれる中、ステージには幻想的な雨が降り注いだ。
「勝手に生きましょ」では制服から通常衣装へと曲中に変化が加えられ、衣装が変わるたびに歌声の表現も変えてみせるしぐれういの多彩さが際立つ。終盤、しぐれういの“影”が本体から分離し、2人で歌声を重ねる演出が展開された。イラストレーターとしてのしぐれういと、VTuberとしてのしぐれういが登場する表現が、観客に感動を与えた。
本編ラストの「あいしてやまない」では、公演ロゴ入りの小さなバルーンを無数に詰めた巨大バルーンが客席に投げ込まれた。最後、キービジュアルのサーカス衣装のフルバージョンに身を包んだしぐれういがパフォーマンスを披露し、本編は幕を閉じた。
「ひたすら楽しいライブにしたかった」
アンコールは「ひっひっふー」でスタート。MCでは新衣装アクスタや銀テープなどのグッズの追加販売、雨衣のトークパッケージ発売、しぐれうい初の実写MVとなる「あいしてやまない」のミュージックビデオ公開などが告知された。そしてしぐれういは、ライブのテーマについて説明。「しぐれういのモチーフである傘を巨大なサーカステントに見立てて、日常の不和から一瞬だけ雨宿りできるような、ひたすら楽しいライブにしたかった。私は日常の困りごとを解決できない。でも一瞬だけ守れる傘にはなれるかな、と思って」と語り、さらに裏テーマとして「君たちが思ってもいないサプライズを死ぬほどする!」があったことも打ち明けた。
しぐれういは観客が持つ制御ペンライトを赤く点灯させ、「私が『ふー』ってしたら、前の人から電源を切ってほしいの。火に見立てて」と語りかけると、誕生日ケーキのロウソクを模した演出がスタート。ペンライトの光がゆっくりと前から消えていく様子は微笑ましく、会場が温かい笑いに包まれた。
「次の曲はこのライブのために書き下ろしてもらった新曲です。スマホ撮影もOK!」のアナウンスとともに披露されたのが、本公演のテーマソング「Wishing Umbrella」。軽快なピアノの伴奏に乗った前向きなアッパーチューンで、「せーの!」というかけ声に合わせて紙吹雪が舞い上がった。
そして最後の曲は「ハッピーヒプノシズム」。この楽曲は、前回のライブではオープニングを飾ったが、今回はアンコールのラストを締めくくるという逆転の配置が、ファンを一層感慨深くさせた。最後の歌詞「おはよう!」の直後に銀テープが一斉に発射され、キラキラと輝く会場の中でライブの盛り上がりは最高潮に達した。
左右のバルコニーを駆け回ったしぐれういは、「宝箱をぶちまけまくって、みんなを楽しくできたかなと思います。最高の誕生日をありがとう!」と語り、ライブを終えた。終演後には影ナレで登場し、生声で感謝の言葉を叫んだ。すると、客席から「もう1回!」のアンコールが巻き起こる。「なんでそこにアンコール生まれるんだよ! 満足しろよ! 仕方ないな、やるわ」と苦笑いしながらも、しぐれういの「ありがとうございましたー!」という生声が会場に響いた。すべての衣装を自らデザインし、ステージに立ったしぐれうい。MCで彼女が語った「これは私にしかできないかな」という言葉通りの濃密なライブは、こうして大団円を迎えた。
セットリスト
「SHIGURE UI Birthday Live “Wishing Umbrella”」2026年5月30日 Kアリーナ横浜
01. 放課後マーメイド
02. 微炭酸SWIMMER
03. No thank Cute!
04. シンカケイスケッチ
05. 仮装狂騒曲
06. フォーチュンムービー
07. 美少女無罪♡パイレーツ with 宝鐘マリン
08. お気楽KING with ぽんぽこ、ピーナッツくん、ういだがー
09. お返事まだカナ?おじさん構文! with 雨衣
10. モニタリング(Best Friend Remix) with 雨衣
11. チェリーポップ with デコミク(ライトネス)
12. SOS with 黛冬優子
13. Paint it delight! with 黛冬優子
14. ういこうせん with ぽんぽこ、ピーナッツくん、ういだがー、クマリン
15. うい麦畑でつかまえて
16. 粛聖!! ロリ神レクイエム☆
17. ウィマーマ・サーガ
18. 二人模様
19. 勝手に生きましょ
20. あいしてやまない
<アンコール>
21. ひっひっふー
22. Wishing Umbrella
23. ハッピーヒプノシズム
撮影:山副圭吾(LENSMAN Inc.)、花菜(LENSMAN Inc.)、倉林和泉


