YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで5月22日から5月28日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、16位にLE SSERAFIMの「BOOMPALA」が登場した。世界的ヒット曲「マカレナ(Macarena)」を引用したことでも話題の今作は、重低音のビートやラップが心地よく、何度も聴きたくなるほど中毒性がある。44位にランクインした同曲のパフォーマンスビデオも、ぜひチェックいただきたい。
24位にはiLiFE!の「きゃわぽっぴんどぅー」が登場した。期間限定のサポートメンバー・恋星はるかが参加する最後の楽曲ということもあり、YouTubeのコメント欄には「はるちゃんのいるiLiFE!が大好きだよ!サポメンになってくれてありがとう♡」など、グループに貢献した恋星に感謝を示すコメントが多数寄せられている。
60位にはジョー・力一「OBF」がランクインした。サビの「OK, it’s Boon boon Festival」という勢いあるフレーズから、フィンランドの民謡「Ievan Polkka」を思わせるパートへとつながる構成が楽しく、聴いていて自然と元気が湧いてくる。
MVを見ているだけで思わず体が動くようなダンスナンバーが目立った今週は、下記の3曲をピックアップする。
STARGLOW「Good Boys Anthem」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場32位
7月22日にリリースされるSTARGLOWの3rdシングル「Drivin' My Life」収録曲「Good Boys Anthem」は、重厚なギターサウンドとエモーショナルなメロディが印象的なロックチューン。“どう生きるか”という普遍的なテーマを掲げながら、他者との関係の中で生まれる強さと弱さ、その両方を受け入れることの大切さを歌っている。メンバーのTAIKIとGOICHIも作詞に参加しており、等身大の言葉で若者の葛藤や決意を描き出す。
MVの監督を務めたのは品川ヒロシ(品川庄司)だ。その内容は、かつて同じ夢を追っていた5人が、すれ違いや衝突を経て再び絆を取り戻していく青春群像劇となっている。学生時代にバンドを組んでいたという設定の制服姿や、本格的なアクションシーンも見どころ。楽曲に込められた「自分らしく正しく生きる」というメッセージが、ドラマチックな物語として映像化されている。
MANATO(BE:FIRST)「Rain on me」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場63位
「Rain on me」はBE:FIRSTが5月6日にリリースした9thシングル「BE:FIRST ALL DAY」に収録されていたMANATOのソロ曲で、はかなく繊細なピアノを軸にしながら、R&Bやゴスペルのニュアンスも溶け込ませたミディアムバラード。雨をモチーフに、孤独や痛みを否定せず受け入れながら前へ進もうとする心情が描かれており、MANATOの柔らかく温度感のある歌声が楽曲の感情を丁寧に運んでいく。一音一音に息遣いや揺らぎを宿らせることで、内面の弱さや優しさを浮かび上がらせているのも印象的だ。
MVは、歌詞の世界を体現したようなドラマシーンとMANATOの歌唱シーンで構成。本人が作詞するときに思い描いた情景や楽曲に込めたメッセージをもとに制作されており、雨を活用した抽象的な演出とリアルなドラマ表現が交差する。切なさや喪失感だけでなく、その先にある希望や再生の気配まで丁寧に映し出し、楽曲の世界観をより深く味わえる映像に仕上がっている。
源治麿「To Con」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場84位
源治麿は2007年生まれで現在18歳のラッパー。自身でビートメイクも手がけるセルフプロデュース型のアーティストで、2月にリリースされた「Piledriver」は6月現在で90万再生を達成している。YouTubeのコメント欄では「PVも衣装も特別な装飾がないのにマイク1本で人を惹き付けるってすごい」「とんでもない才能を感じる」など、楽曲の高いクオリティと、令和のMVとは思えないほどいい意味で凝っていない映像が話題になっている。
そんな源治麿の新曲「To Con」は、跳ねるようなビートの上で、「今だって俺は劣等 / だから思ったことを熱唱」「チー牛で上手けりゃA5」「身体に必要ない刺青 / 心だけで充分B系」など、等身大のリリックが強い個性を放つ1曲。肩肘を張らない語り口ながら、軽快なフロウと独特の間合いが耳を引きつける。
MVもまた、家の近所の公園と思われる場所でパフォーマンスする姿をワンカットで捉えたシンプルな内容だ。派手な演出やストーリーに頼ることなく、楽曲とラップそのものの魅力で見せ切る構成が印象的。あえて飾り立てない映像だからこそ、源治麿の存在感や楽曲の魅力がダイレクトに伝わってくる。


