YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで6月19日から6月25日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、9位にMAZZELの「So Strawberry」が登場した。ラテンのニュアンスをまとったビートと、スリリングな恋を描いた歌詞が印象的な楽曲だ。
17位にはイギリスのシンガーソングライター・エルミーンと藤井風のコラボ曲「Comets + Gold」がランクインした。ロサンゼルスで撮影されたこのMVは、神秘的で美しい映像が楽曲の雰囲気と見事にマッチしている。
19位にはジャネット・ジャクソン & BE:FIRSTの「Doesn't Really Matter(Remix)」が登場した。今作は2000年に発表されたジャネットの「Doesn't Really Matter」をBE:FIRSTとともにリミックスしたバージョン。MVには6月14日に神奈川・Kアリーナ横浜で行われた来日公演「JANET JACKSON JAPAN 2026」のアンコールでスペシャルゲストのBE:FIRSTを迎えて披露された同曲のライブ映像や、終演後に2組が会場の外へサプライズ登場した際の様子などが収められている。
21位にランクインしたのは、1999年にリリースされ大ヒットを記録したSugar SoulとKj(Dragon Ash)のコラボ曲「Garden(feat. Kenji)」のMVだ。来年デビュー30周年を迎えるSugar Soulが、ワーナーミュージック・ジャパン在籍時のMVを一挙公開したところ、27年前の曲である「Garden(feat. Kenji)」が再注目される結果となった。
人気アーティスト同士のコラボ曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。
オリバー・ツリー「Life Goes On」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場34位
アメリカ・カリフォルニア出身のミュージシャンで、映像クリエイターやコメディアンとしても活躍したオリバー・ツリー。彼は4月に4thアルバム「Love You Madly Hate You Badly」をリリースし、パリ、バルセロナ、ロンドン、シドニー、北京など70公演を超えるワールドツアーを控えていたが、6月14日にブラジルのリオデジャネイロ上空で発生したヘリコプター同士の衝突事故により32歳で亡くなった。
この突然の訃報を受け、2021年に発表されTikTokをきっかけに世界的なヒットとなった代表曲「Life Goes On」のMVが再び各国のYouTubeチャートに浮上。タイトルにもなっている「Life goes on(人生は続いていく)」という言葉が、オリバーとの別れを悼む多くの人々の胸に改めて響き、その普遍的なメッセージが今、これまで以上に深い意味を持って受け止められている。YouTubeのコメント欄には「人生は続く…そして、オリバー、あなたの功績も受け継がれていく。安らかにお眠りください」など、世界中から哀悼の声が多く寄せられている。
SIX LOUNGE「君が眩しいから僕は星が見えない」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場80位
SIX LOUNGEの「君が眩しいから僕は星が見えない」は、2024年発売のEP「All Right」の収録曲。大切な人に対する強い思いを歌ったラブソングだ。
同曲は今年に入ってTikTokをきっかけに再び話題となり、すでにリリースから2年ほど経過していたにもかかわらず、反響を受けてリリックビデオが制作されることに。5月26日にリリックビデオが公開されると、ますます注目度が高まる結果となった。さらに、6月26日にTikTokにアップされたマカロニえんぴつ・はっとりとのコラボ歌唱動画が1日で100万回再生を突破するなど、SNSを中心に広がりを見せている。
「僕にとっての一番星は君だけ」という一途な感情をストレートな言葉で描き、エモーショナルなバンドサウンドと親しみやすいメロディがその魅力を引き立てるこの曲。印象的なフレーズの数々はショート動画との相性のよさも相まって、多くのリスナーの共感を呼んでいる。
コメアニメ「エアロピクルス」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場86位
昨年、昔話「桃太郎」のキャラクターがリズミカルな和太鼓に合わせて鬼退治をする様子を描いた動画「むかしストリート -桃男-」が国内外で話題になった、ダンスアニメクリエイター・コメ。ポップなキャラクターと癖になる楽曲、思わず真似したくなるダンスを組み合わせた作風で知られる彼の、新作アニメ「エアロピクルス」が86位にランクインした。
今作は「ワン ツ スリフォ」「ファイ シ セブネ」といったエクササイズの掛け声を取り入れた、一度聴くと耳に残るユニークなダンスナンバーに乗せて、さまざまな野菜のピクルスたちがエアロビクスを踊るシュールな世界観のアニメーション。全編通してレトロなテイストの映像表現と、愛らしくもどこか奇妙なキャラクターが作品の個性を際立たせている。
そのシンプルな振付はショート動画との親和性が高く、SNSでは同曲のダンスを再現した“踊ってみた”動画が多数投稿され、人気は日本だけでなく海外にも波及している。これからダイエットを始めたい人も、この曲に合わせて踊ってみてはいかがだろうか。


