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M!LKが歌う“あなたも誰かのアイドル”という主張 / 「マチアプリンセス」が描く令和恋愛あるある

再生数急上昇ソング定点観測
6分前2026年06月12日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで5月29日から6月4日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、9位にaespaの「LEMONADE」が登場した。繰り返されるフレーズ「I'll make it lemonade」に合わせたレモンを搾るようなダンスが印象的だ。

18位はなにわ男子の「Celebrate」がランクインした。これは6月17日にリリースされるニューアルバム「ND⁵」のリード曲。シャンデリアやレッドカーペット、そして金色の紙吹雪が舞う空間の中で、メンバーが優雅に歌うラグジュアリーな映像になっている。

24位に登場したのはVaundyの「飛ぶ時」。今作はテレビアニメ「黄泉のツガイ」のオープニングテーマで、5月30日のMV公開から1週間で400万再生を突破し、今も加速度的に勢いを伸ばしている。

36位にはTREASUREの「IF I」がランクインした。ダイナミックなダンスと躍動感のあるカメラワークが、楽曲の力強さを増幅させている。

ダンスナンバーからアイドルソング、アニメソングまで、多彩な楽曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。

M!LK「アイドルパワー」プロモーションビデオ

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場3位

4月27日に配信リリースされたM!LKの「アイドルパワー」は、「2026年、日本を元気に!」をテーマに掲げたエールソング。アイドルを応援する人々へのリスペクトと、M!LK自身もまたアイドルから力をもらってきたという思いが込められている。さらに「あなたも誰かのアイドルである」というメッセージを軸に、会社や学校、家庭など、それぞれの場所で誰かを支える人々へ光を当てているのが印象的だ。高揚感あふれるメロディとポジティブな言葉が一体となり、聴く人の背中を押してくれる“きらめきソング”に仕上がっている。

PVはライブ映像を中心に、リハーサルやレコーディング風景、メンバーの日常や舞台裏を織り交ぜたドキュメンタリータッチの内容。円陣を組むシーンから始まり、これまでの歩みと現在地を映し出すことで、ステージ上だけではないM!LKの等身大の魅力や絆を感じさせる映像となっている。

吉本おじさん「マチアプリンセス(feat. 雨衣 & 玉姫)」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場71位

昨年、ネットミーム化した「お返事まだカナ?おじさん構文!」で一躍注目を浴びた吉本おじさん。その新曲「マチアプリンセス(feat. 雨衣 & 玉姫)」はマッチングアプリを題材にした“令和の恋愛あるあるソング”だ。

前作が“おじさん構文”と呼ばれる中高年男性のネットでの文章表現を鋭く切り取ったのに対し、本作はマッチングアプリで理想の相手を追い求める男女のすれ違いや恋愛への幻想を、コミカルかつキャッチーに描き出している。雨衣と玉姫の軽妙な掛け合いが楽曲に物語性を与え、電波ソング調のポップなサウンドと絶妙にマッチしている。

MVではマッチングアプリ画面や配信文化を思わせるモチーフを巧みに織り込み、テンポのいい映像表現とカラフルな世界観で楽曲のユーモアを増幅している。SNS時代の恋愛模様を鋭い観察眼で捉えながら、共感性も兼ね備えた1曲だ。

ポルノグラフィティ「マスク・ド・カメロ」(NHK「みんなのうた」)

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場83位

ポルノグラフィティの「マスク・ド・カメロ」は、NHK「みんなのうた」の放送開始65年のアニバーサリー月間となった2026年4、5月の放送曲。「みんなのうた」は通常、約2分半の楽曲が2曲放送されているが、この曲は4分40秒のロングサイズで届けられた。

この曲ではメキシコのルチャリブレを題材に、悪役覆面レスラーの挫折や誇り、父の期待に応えられなかった息子の葛藤を描いた人間ドラマが展開される。ラテン音楽の情熱的なリズムとポルノグラフィティらしい力強いメロディが融合し、異国情緒と哀愁をまといながら物語を鮮やかに彩る。単なる応援歌ではなく、敗者や脇役の視点から人生の尊厳を見つめた歌詞が胸を打ち、濃密なドラマ性を生み出している。

このたびランクインしたのは「みんなのうた」で放送されていた映像で、制作したのは1994年からNHK Eテレで放送されているアニメ「ロボットパルタ」などで知られる立体アニメーション作家・保田克史。人形やオブジェならではの温もりと生命感を宿した映像が、レスラーの孤独や誇りを繊細に映し出し、楽曲の世界観にさらなる奥行きを与えている。

感動的な作品だとオンエア期間中から話題になっていた「マスク・ド・カメロ」だが、YouTubeにアップされたことでさらに多くの人々に知られることに。この曲が「みんなのうた」の放送曲に選ばれたことについて、YouTubeのコメント欄では「みんなのうたの『みんな』には大人も含まれてると思い知った」「この曲をみんなのうたにするのは英才教育すぎる」など称賛の声が多く書き込まれている。

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