YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで6月12日から6月18日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、11位に≠MEの「愛くださいませ」が登場した。今作は6月24日にリリースされた両A面シングル「愛くださいませ / ここでファーストキッス」の表題曲の1つ。ショパンの「幻想即興曲」を引用した世界観の強い楽曲となっている。
16位にはILLIT, LE SSERAFIM & KATSEYEの「ICONIC BY MISTAKE」がランクインした。6月10日のMV公開から2週間で4100万回再生を突破し、昇竜の勢いを見せている。
22位に登場したのは米津玄師の「烏」だ。今作は「2026 NHKサッカーテーマ」として書き下ろされた楽曲。6月26日時点でYouTubeのコメントは8200件を超えており、「サッカーのハイライトシーンとマッチして素敵」「各テレビ局がいろんなテーマソング使ってたけどこれが一番しっくりくる」など、サッカー日本代表サポーターの称賛する声も多数見られた。
多種多様な新曲がランクインした今週は、下記の3曲をピックアップする。
曽野舜太・山中柔太朗(M!LK)「真・運命」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場9位
M!LKの曽野舜太と山中柔太朗による「真・運命」(マジ・デスティニー)は6月17日に配信リリースされたユニット曲。今年4月にグループ曲「アイドルパワー」で幕を開けたM!LKのリリース企画「モー烈モー進!プロジェクト2026」の第2弾シングルだ。
今作は誰もが一度は耳にしたことのある、あのクラシカルなフレーズを取り入れた楽曲。クラシックと現代的なダンスミュージックを融合させたサウンドに、2人の妖艶なボーカルが重なり、華やかな世界観を堪能できる。歌詞では恋に落ちた瞬間の衝撃や、抗えない力に導かれるように惹かれ合う心情など、運命の人と巡り会えた奇跡が表現されている。
MVでは、曽野がまっすぐな視線と伸びやかな歌声で感情をストレートに届ける一方、山中は繊細な表情の変化や抑制の効いた動きで異なる魅力を見せる。対照的な個性を持つ2人が同じ空間の中で存在感を放ち、距離を保ちながら向かい合うように描かれることで、互いに惹かれ合う関係性がより鮮明に浮かび上がっている。
なとり「Puppet」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場25位
なとりの新曲「Puppet」は、初の全国ホールツアー「なとり ONE-MAN LIVE TOUR『行進』」初日となる6月12日にサプライズ配信され、MVが公開された楽曲だ。
本作は、「愛されたい」「認められたい」と渇望し、誰かを強く求めるあまり感情に支配されていく姿を描いた1曲。「君がいなきゃ、始まらない」「ままならない」といったフレーズからは、拭いきれない孤独や満たされない思いもにじむ。軽快なビートと耳に残るメロディを軸としながら、楽曲が進むにつれて感情は徐々に熱を帯び、「愛してくれますか?」という言葉も切実さを増していく。ポップなサウンドの奥に危うさが潜む、なとりらしい世界観が広がっている。
MVは紫を基調とした幻想的な空間で、猫のキャラクターが軽快なダンスを披露。リズミカルな動きやコミカルな表情が続く一方、映像全体にはどこか不穏な空気も漂う。愛らしいビジュアルと楽曲が抱える危うい感情のギャップが印象的で、そのコントラストが映像の魅力をより引き立てている。
轟はじめ「Deep Dive」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場62位
去年1月に公開された初のオリジナル曲「Countach」のMVが現時点で770万再生を突破し、卓越したダンススキルが高い評価を得ているVtuberの轟はじめ。そんな彼女が6月8日にリリースした新曲「Deep Dive」は、恋愛感情の高まりや葛藤を描いたダンスナンバーだ。重厚なビートと艶やかなシンセサウンドが絡み合い、緊張感と高揚感が交錯するサウンドに仕上がっている。
ショートカットがトレードマークだった轟だが、本作のMVにはロングヘア姿で登場。これまでの快活なイメージとは異なる、大人な一面をのぞかせている。ネオンが彩る幻想的な空間を舞台に、鋭さとしなやかさを兼ね備えたダンスを繰り広げる轟。楽曲の展開に合わせて移り変わる表情や視線によって、どこか妖艶な雰囲気を生み出しているのも見どころだ。TikTokでは轟と元IZ*ONEのイ・チェヨンによる「Deep Dive」のダンスコラボ動画が公開されており、さらに楽曲への注目が広がっている。


