堂本剛のクリエイティブプロジェクト.ENDRECHERI.のライブツアー「.ENDRECHERI. 2026 LIVE TOUR『NEW CHAPTER』」が、6月28日に神奈川・横浜BUNTAIで幕を下ろした。
5月上旬にスタートした今回のツアーでは、ライブイベントへの出演も挟みつつ、全国6都市のホールを巡った堂本。各地ではツアータイトル通り「NEW CHAPTER(新章)」を感じさせる新曲はもちろん、これまでにはないアプローチの演出を交え、聴覚と視覚の両方で新たな.ENDRECHERI.の音楽をオーディエンスに伝えた。
「命の匂いをプンプンさせよう!」
開演から束の間、舞台に設置されたLEDスクリーンに「自分を自由にありのまま楽しんで」「自分の心を解放して共鳴しよう」といった堂本が掲げるポジティブなメッセージが次々と浮かぶ。会場にいる5000人がその言葉を受け止める中、三角形を模した鏡面仕様の床の中央に堂本が登場。ギターを弾く彼に四方八方からライトが落ち、虹色にきらめくニッカポッカが鮮やかな光を放つ。自らが発光しているかのような神々しい演出を経て、堂本はマイクを手に取ると「Super funk market」でライブの口火を切った。
「命の匂いをプンプンさせよう!」という高らかな宣言を体現するように、堂本は手練れのバンドメンバーが奏でるダイナミックでグルーヴィなアンサンブルを全身で浴びつつ、自身の生き様を刻んだ「HYBRID FUNK」「勃」といったファンクチューンを次々披露。背後に、楽曲の世界観をフォント1つに至るまで反映させたリリックビデオと、リアルタイムで切り取られたステージの風景が投影される中、ファンク色濃厚な、めくるめく.ENDRECHERI.のステージを繰り広げた。
ファンクは寝不足くらいがちょうどいい?
堂本はその情熱的なパフォーマンス同様に、トークでも集まった老若男女のファンの心をチアアップしていく。「このファイナルのために早く寝て、パワーを温存したという人、どれくらいいます? この日のために早く寝ようと思ったけど、興奮して寝られなくて、寝不足の人どれくらいいます?」と観客に問いかけたのち、「ファンクは寝不足ぐらいがちょうどいいんです」とユーモアたっぷりにアドバイスを送る。続けて「最後まで恥ずかしがらずに、ノりたいようにノッてほしい。誰もあなたのそのノリ方が『ちょっと何か違うかも』『変だね』なんて言う人は誰一人いない。だから、とにかく自分の命のままに、超盛り上がってほしいんです」「とにかく今日は、もう一滴残らず命の証を振り絞ってほしい。そう思っています」と語りかけた。
ファンクモードを打ち出した序盤に続いたのは、.ENDRECHERI.流のラブソングで固めたブロック。竹内朋康(G)の華麗なソロで幕を開け、UFOと宇宙人が登場する壮大すぎるVJが鮮烈なインパクトを残す宇宙規模のラブソング「Everybody say love」を皮切りに、堂本の湿度の高い艶やかな歌声が映える「super special love」、そして普遍的なメッセージをつづった英詞がエモーショナルに響く「LOVE VS. LOVE」が届けられ、会場全体が多彩な愛で満たされた。
“NEW CHAPTER”を提示する新曲三昧の後半戦
自身のこれまでのキャリアを振り返るような前半戦が終わると、それまでステージ後方に配置されていたバンドメンバーの雛壇がハの字へと変形し、堂本を囲む形に。すると暗闇の中に一筋の光が天井へと昇っていき、疾走感あふれるギターの旋律に誘われるように、堂本の清涼感のあるボーカルが会場いっぱいに響いた。そこから、8月12日にリリースされる.ENDRECHERI.ニューアルバム「new chapter purple」に収録される「ASTRA BEAT」へ。オートチューンとリバーブをかけたボーカルが、観客をスケール感あふれる世界へと誘っていく。
今年4月に行ったインタビューでは「これまではR&Bやソウル、ファンクという比重が非常に大きいアウトプットをしてきましたが、今はもっと自由な発想で音楽を作りたいという欲求があって」と語っていた堂本。これまでは体と相談しながらの曲作りを余儀なくされていたところ、一度楽器を置き、自分の心のまま鼻歌での作曲に挑んだという彼は、ライブの後半では「new chapter purple」のために作ったバラエティに富んだ新曲群を惜しみなく披露していく。軽やかなラップが印象的な「MY DESIGN」を筆頭に、AOR的なアプローチが光る「宇音」、万華鏡を想起させる映像演出がきらびやかな世界を描き出す「Kaleidoscope」……“NEW CHAPTER”を彩るナンバーがオーディエンスの心を高揚させた。「KIRAGIRA」が始まると堂本は客席に降り、観客の至近距離でパフォーマンス。「Don't feel the GRAVITY」と語りかけ、会場の熱気をぐいぐいと引き上げ、曲の終わりで「最高!」と快哉を叫んだ。本編のラストナンバーはBREIMENとのコラボレーションで生まれた「Thinking Time」。堂本は「時代からズレてるくらいがきっと自分じゃない?」と自分らしくあることをポジティブに伝え、ステージをあとにした。
時間制限を超えてしまう堂本剛、最後に伝えたのは
アンコールに応え、再びファンの前に現れた堂本は「大切な人、大切な思い出とともに聴いてください」と穏やかに告げる。そして、最新曲の「Heart of Rainbow」を何かを慈しむように歌い上げ、曲のクライマックスではエモーショナルなソロギターを披露。客席上空に現れた巨大なミラーボールがゆっくりと回転しながらきらびやかな光をステージと客席に落とし、会場を満天の星空へと変えた。
「汗でびっしょびしょやわ……まあ生きてる証ですね」とMCが始まるなり笑った堂本は、「ファイナルということでいろいろと思いが入ってしまいますね」と噛み締める。続けて2カ月にわたるツアーの合間にニューアルバムの制作を進めていたことを報告する。「このネガティブな僕が、超ポジティブな言葉を書いてるっていう自分にも驚きを隠せませんでした。『こんな言葉、自分は持ってたんか』って」「『こんなことも言うんや、俺』と思って。ちょっと面白かったな」と新たな発見を繰り返した制作を回顧した。吉岡悠歩(Cho)が「剛くんはギターで会話する人だと思ってたけど、今回めっちゃ歌で会話するんだなって。すごくうれしかった」とはにかむと、堂本も「ありがとう」と返すなど温かなムードが漂った。
そんな親密な空気を強めるように、堂本はコロナ禍をきっかけに生まれたポップチューン「空は繋がっているから」を包容力たっぷりにパフォーマンス。懐かしさと新しさが同居するサウンドとストレートな歌詞で、オーディエンスの心を震わせる。さながらライブのフィナーレのような空気が醸成されるが、.ENDRECHERI.のライブはまだ続く。感傷的なムードを吹き飛ばすように、この日は40分におよぶファンクセッションが展開された。
セッションの口火を切るのはもちろん主役である堂本だ。ヒロイックなギターソロを皮切りに、バンドメンバーが本領発揮のソロを披露。躍動するメンバーたちを堂本はうれしそうに見つめ、時には竹内朋康や小林“Bobsan”直一(G)とギターの音を重ねたり、キーボードに触れたり、ブレーメンの音楽隊よろしくバンドメンバーを率いて客席に降りたり、自由に音楽を楽しむ。その後も、セッションは一度も途切れることなくクライマックスへ。堂本の「せーの!」の掛け声で一斉にジャンプが繰り出され、ツアーファイナルにふさわしいダイナミックなセッションが締めくくられた。
バンドメンバーへ拍手を送った後、堂本は「時間制限を超えてしまう特徴を持った生き物ですので」とエクスキューズを入れながら1人でステージに残り約30分にわたってトーク。「自分の音楽をより細かく皆さんに伝えてみたいなと思って。みんなはできあがった音を聴いてくれるけど、できあがるまでの音も」とこれからの活動の構想に思いを馳せたり、「つらかったことも含めてポジティブに変換して、僕は歌詞に変えたり、メロディに変えたり。皆さんも、ファッションに落とし込んでもいいし、メイクに落とし込んでもいい」と自身の活動スタイルを交えエールを送る。最後に彼がファンに送ったのは「これからもたくさん愛し合いましょう」という愛の言葉。自身のパーソナルな思いを反映した「Heart of Rainbow」の“Dear Friends ver.”が流れる中で、「NEW CHAPTER」は大団円を迎えた。
セットリスト
「.ENDRECHERI. 2026 LIVE TOUR『NEW CHAPTER』」2026年6月28日 横浜BUNTAI セットリスト
01. Super funk market
02. MYND
03. HYBRID FUNK
04. 勃
05. .ENDRECHERI. Brother
06. 雑味
07. Everybody say love
08. super special love
09. LOVE VS. LOVE
10. ASTRA BEAT
11. MY DESIGN
12. 宇音
13. Kaleidoscope
14. KIRAGIRA
15. Thinking Time
<アンコール>
16. Heart of Rainbow
17. 空は繋がっているから
18. Session


