ポルノグラフィティの全国ツアー「20thライヴサーキット“水”」のファイナル公演が7月8日に東京・東京ガーデンシアターで開催された。
アルバム「果実」を実らせるコンセプトツアー
全国28会場35公演にわたって行われた今回のツアー「種は眠り、水に目覚め、果実となって響き始める」というテーマを掲げて開催。今年2月にリリースされた最新EP「種」の収録曲や未発表の新曲にツアーという“水”を与え、秋にリリース予定の新作アルバム「果実」を実らせるというコンセプチュアルなツアーだ。
オープニングでは滴り落ちる雫の音が会場に響く中、「冷たい水をください」というファンにはおなじみの一節がステージ上のスクリーンに映し出される。岡野昭仁(Vo)が「アゲハ蝶」のサビを丁寧に歌い上げ、オーディエンスを引き込んでから1曲目の「サボテン」が披露された。皆川真人(Key)のピアノが印象的なアレンジに乗せ、「水をあげてる」「雨の音は途切れず」と水にまつわるフレーズを歌うこの曲で会場にしっとりとした空気をもたらしたあとは「月飼い」へ。飛び交うレーザー光線の中で鮮烈に鳴り響いたこの曲も「水」が重要なモチーフになったナンバーだ。ツアーのコンセプトをしっかりと見せつける序盤の演出に、客席からは大歓声と拍手が沸き起こった。
新曲、デビュー曲、初披露曲の“初物くくり”も
岡野の「次は真新しい“種”を聴いてほしいです」という言葉に続いては、このツアーで初披露となった新曲「残響」へ。新藤晴一(G)がメロウなギターを奏でる中、飛行機の窓から眺めた景色に切ない心情を重ねた歌詞が歌われる。その後はデビュー曲である「アポロ」、そして2017年リリースのアルバム「BUTTERFLY EFFECT」の収録曲で、山口寛雄(B)とtasuku(G)が奏でるアコースティックな音色が印象的な「スパイス」を連続で披露。岡野は「残響」が初披露の新曲、「アポロ」がポルノグラフィティ初のシングル、そして「スパイス」が過去にライブで一度も披露されていない楽曲であることを明かし「初物くくりでやってみました」とこのブロックの種明かしをして観客を驚かせた。
新藤は「わかるやろ、『残響』をやるときと『アポロ』をやるときの我々の表情の違い(笑)。『アポロ』もかつては緊張しながらやってたけど」と新曲に対する緊張を吐露する。岡野はここまで来場したファンがSNSでのセットリストのネタバレを一切せずにファイナルを迎えたことを「ちょっとぐらい漏れてもええのに、1つも漏れんね」と感謝しつつ「『MCがグダグダ』とか、『安定の歌詞間違い』とかは言われましたけど……」とぼやいてファンを笑わせた。
今日のことと次の曲を胸に進んでくれれば
このツアーオリジナルのアレンジである、玉田豊夢(Dr)の豪快なドラムソロから始まったのは「種」の収録曲である「峠の鬼」そして「土竜」。険しい山脈から暗い洞窟を駆け抜けるような映像とともに、エネルギッシュなサウンドが届けられる。そしてステージに鎮座する大木の下で、岡野が優しく「デッサン#4」を歌う。温かな愛を表したこの曲で会場中を感動に導いた。
MCでは岡野と新藤が会場近くの温浴施設・泉天空の湯 有明ガーデンで行われたコラボ企画「おふろぐらふぃてぃ」や、ツアー中の2人の気まずいエピソードなどを語り合ってオーディエンスを和ませる。ひと息入れた岡野の「次に聴いてもらう“種”はけっこう濃ゆいよ。クセがある」という言葉に続いては、「暁」「渦」「Zombies are standing out」を連投し、ダークでスリリングなムードをホール内に充満させる。ツアーを盛り上げるために制作されたというインストゥルメンタル曲「SETOUCHI BOYS」では若手マネージャー陣が学生服姿でステージに登場し、新藤とともにコール&レスポンスで会場の一体感を高めた。
終盤は「ヴィヴァーチェ」「アゲハ蝶」「はみだし御免」といったナンバーが畳みかけられ、オーディエンスのキレのあるハンドクラップやシンガロングを巻き起こす。岡野は最後に「生きづらい世の中かもしれないけど、今日のことと次の曲を胸に進んでくれればと思います」とファンへのメッセージを添え、「愛が呼ぶほうへ」を披露。ステージ上の大木に満開の桜が咲き誇る中で「綺麗な水をあげよう、望むまま」という、このツアーの締めくくりにふさわしい言葉を届けて本編の幕を閉じた。
アンコールで発表された「果実」リリース
アンコールで披露されたのは「ミュージック・アワー」「ライラ」。「ライラ」の間奏で岡野は「何ゆえポルノグラフィティ一座はここまでたどり着けたのか、それはあなたたちの笑ってる顔が見たいから。それがあれば何も怖いものはない! これからも前へ前へ進んでいくことでしょう」と、実に20回目の全国ツアーを終えてもさらに加速していくことをツアーファイナルに集まったファンに向けて誓った。
2人がステージを降りたあとのスクリーンでは待望のアルバム「果実」のリリース日が9月9日に決定したこと、このリリースを記念したイベント「種と水と果実の収穫祭」が東京・Shibuya Sakura Stageで開催されることも発表された。アルバム「果実」は全13曲入りで、Blu-rayまたはDVD付きの完全生産限定盤とCDのみの通常盤の2仕様でリリース。完全生産限定盤の映像ディスクには今回のツアーのうち東京・SGCホール有明公演の模様が収録される。
セットリスト
ポルノグラフィティ「20thライヴサーキット“水”」2026年7月8日 東京ガーデンシアター
01. サボテン
02. 月飼い
03. IN THE DARK
04. 一雫
05. 残響
06. アポロ
07. スパイス
08. 峠の鬼
09. 土竜
10. デッサン#4
11. 暁
12. 渦
13. Zombies are standing out
14. SETOUCHI BOYS
15. ヴィヴァーチェ
16. アゲハ蝶
17. THE REVO
18. はみだし御免
19. 愛が呼ぶほうへ
<アンコール>
20. ミュージック・アワー
21. ライラ
ポルノグラフィティ「果実」収録内容
CD
01. スペース・ヴァンガード
02. THE REVO
03. ヴィヴァーチェ
04. マスク・ド・カメロ
05. デッサン#4
06. 内緒のしょ
07. Plastic viper
08. 土竜
09. 言伝 ―ことづてー
10. SETOUCHI BOYS
11. 峠の鬼
12. はみだし御免
13. 残響(仮)
完全生産限定盤Blu-ray / DVD
「20thライヴサーキット“水”Live at SGC HALL ARIAKE 2026」
01. サボテン
02. 月飼い
03. IN THE DARK
04. 一雫
05. マスク・ド・カメロ
06. アポロ
07. I believe
08. 峠の鬼
09. 土竜
10. デッサン#4
11. 暁
12. 渦
13. Zombies are standing out
14. SETOUCHI BOYS
15. ヴィヴァーチェ
16. アゲハ蝶
17. THE REVO
18. はみだし御免
19. 愛が呼ぶほうへ
EN1. ミュージック・アワー
EN2. ライラ


