さとう。の全国ワンマンツアー「その目を心の窓と呼ぶ」最終公演が7月18日に東京・WWWで行われた。
さとう。は、3月にリリースした2ndアルバム「窓越し、その目に触れて」を携えて今回のツアーを実施。昨年7月開催の東名阪ツアー「地平線、そこで会えたら」に引き続き出口博之(B / モノブライト)と渡辺拓郎(Dr)を迎えたバンド編成で公演に臨み、全国6都市で情熱的なステージを展開した。
祝福ムードに包まれた誕生日当日のWWW
最終公演の開催日は、奇しくもさとう。の26回目の誕生日当日。チケットがソールドアウトしたWWWのフロアは開演前から幸福感で満ちあふれていた。そして、会場が暗転するとサカナクション「アドベンチャー -Rearrange 2023-」が流れる中、バンドメンバーに続いてさとう。がステージに姿を現す。彼女がアコースティックギターで音を刻み始めたのち、それに合わせるようにリズムが加わり、自由度の高いセッションがスタート。そこからオープニングナンバー「地平線」へとつながると、オーディエンスは歓喜の声とともにクラップを重ねた。
ライブの定番曲「向かい風」から2ndアルバムの収録曲「Saturday park friend」へ突入すると、この日が楽曲タイトル通りの土曜日ということもあり、フロアの熱気がより一層高まる。さとう。は軽快な曲調に乗せて時に伸びやかで優しく、時にはがなるようなパワフルな歌声を響かせ、早くもライブの佳境のような盛り上がりを生み出した。
弾き語りで深まるライブの没入感
「最後の1曲まで、皆さんと一緒に楽しい時間を作っていきたいですし、皆さんの目に、心に、ちゃんと届くように歌っていきたいと思います」という短い挨拶を経て、さとう。はリズミカルなビートとともに「明日」を歌唱。続く「朗朗」で曲の冒頭にアカペラパートが追加されるなど、ライブならではのアレンジも飛び出した。自由度の高いバンドアンサンブルと、会場の空気を支配するほど強い存在感を放つさとう。の歌声。その2つが一体となって観る者を圧倒した。
その後リズム隊が一旦ステージから離れ、1人ステージに残ったさとう。は「ここからは弾き語りで、皆様にお届けしていきたい」と告げる。そして、「『その目を心の窓と呼ぶ』と題したツアーが、もうすぐ終わりを迎えるわけですけれども、こうして6公演回ってたくさんの方と出会って、こうやってたくさん歌ってきて、皆さんと何度でも出会い直したり、はじめましてがあったりして。皆さんの目を見て、『ああ、今この人の心に届いているのかも』と確信する時間をたくさん過ごせた、そんなありがたいツアーでした」という感謝の言葉とともに、「細胞」や「ネバーランドより」といった楽曲をギターの弾き語りで披露。控えめな照明の下、彼女の表情こそはっきり見えないものの、その繊細な歌声はよりくっきりと際立ち、ライブの没入感を高めていく。その傾向は代表曲「3%」でピークを迎え、物語を紡ぐような歌が会場を優しく包み込んだ。
緩急に富んだ選曲でいよいよクライマックスへ
「空いた穴すら、すべて包み込んで愛せるように、祈りを込めて」とのメッセージが添えられた「ドーナツホール」、歌とギターが連動することでひとつの世界観を作り上げる「ダイアログ」、凄みのある歌声で思いを伝える「ステージ」と、ギターの弾き語りでライブを進めたあと、さとう。はピアノの前へ移動。リズム隊を加えた編成で、スウィング感の強い「春一番」や勇ましい歌声とともに感情を爆発させる「胸ぐら」を届け、緩急に富んだ選曲でオーディエンスを魅了した。
再びギターを抱えたさとう。が「騒がしい街から、騒がしくなる胸の鼓動から、あなたがどこか遠くへ逃げたくなったとき、どうかこの歌が、その手を取ってどこまでもどこまでも一緒に走っていけますように」と口にすると、続いては「逃避行ハイウェイ」の演奏へ。突き抜けるような歌声が観る者の心を熱くさせ、さらに「決別」「通過する故郷」といった2ndアルバムの楽曲が立て続けに披露されたところで、ライブはいよいよクライマックスに到達。「最後ぐらい皆さんと一緒に歌ってもいいんじゃないかって思っているんですけど、皆さん声出せますか?」と客席に呼びかけたさとう。は、観客のシンガロングが鳴り響く中、「ライア」でライブ本編を締めくくった。
観客が教えてくれた“心の場所”
アンコールが始まる前には、さとう。の誕生日を祝福する「Happy Birthday To You」の合唱が自然発生する。そんな幸福感に満ちた空気の中、ツアーTシャツに着替えて再登場したさとう。は、ツアータイトルを冠した「その目を心の窓と呼ぶ」をピアノ弾き語りで披露。淡々としているようで強い熱を漂わせるこの曲でオーディエンスを惹き付けたのち、「心の場所は心臓にあるという考え方があったり、頭で考えるから頭に心はあるんだと、 そういう考えもあって。でも、私はこの目で、心臓に心があるというところを見たこともないし、きっと見ることもできないし、頭の中を直接見ることもできない。でも、 皆さんの目を見て歌っているとき、どうしてこんなに、心の場所を痛みや温もりで知ることができるんだろう。ああ、きっと心はその目の奥に潜んでいて、皆さんが心の目を通してさとう。の音楽に触れてくれているんだと。だから、こんなに自分の心の場所を知ることができるんだと。それはほかでもなくライブで知って、ライブハウスに来てくれたあなたが教えてくれたことです」と感謝の気持ちを吐露した。
さらに彼女は「これから続いていく日々の中で、皆様の心が温かな日も、穏やかでない日も、ちょっと心がぺちゃんこになっちゃったときも、 皆様のそばに音楽があればいいなと、さとう。は心から思っております」と告げると、感傷的なムードが広がった「その目を心の窓と呼ぶ」から一転、軽快なピアノ演奏とともに「ぺちゃんこ」を歌唱。会場を温かい空気で満たした。
ラスト1曲を披露する前、さとう。は10月から弾き語りワンマンツアー「語らう日々をかけめぐる」を行い、11月28日に東京・日本橋三井ホールでそのファイナル公演「語りかける、誰がための兆し」をスペシャル編成で開催することをアナウンス。続いて観客がさとう。を前に再度「Happy Birthday To You」を歌い始めると、ステージ袖からバースデーケーキが運ばれた。「これから毎年、誕生日にライブしちゃおうかな(笑)」とおどけつつ、ギターを手にしたさとう。はリズム隊とともに「マイク前」を力強く演奏し、全国ツアーを大盛況のうちに締めくくった。
セットリスト
さとう。「その目を心の窓と呼ぶ」2026年7月18日 WWW
01. 地平線
02. 向かい風
03. Saturday park friend
04. 明日
05. 朗朗
06. 細胞
07. ネバーランドより
08. 3%
09. ドーナツホール
10. ダイアログ
11. ステージ
12. 春一番
13. 胸ぐら
14. 逃避行ハイウェイ
15. 決別
16. 通過する故郷
17. ライア
<アンコール>
18. その目を心の窓と呼ぶ
19. ぺちゃんこ
20. マイク前
今後の公演情報
さとう。LIVE TOUR「語らう日々をかけめぐる」
2026年10月16日(金)東京都 東京キネマ倶楽部(※「だらり湯」会員限定公演)
2026年10月17日(土)兵庫県 クラブ月世界
2026年10月24日(土)宮城県 誰も知らない劇場
2026年10月25日(日)北海道 札幌くう
2026年10月30日(金)広島県 音楽喫茶 ヲルガン座
2026年10月31日(土)福岡県 ROOMS
2026年11月1日(日)長崎県 パラノイア
2026年11月3日(火・祝)岡山県 カフェ & レンタルスペース KOTYAE-コチャエ
2026年11月6日(金)静岡県 HAMAMATSU FORCE
2026年11月7日(土)香川県 燦庫-SANKO
2026年11月13日(金)愛知県 K.D ハポン
2026年11月14日(土)大阪府 Soap opera classics-Umeda-
さとう。TOUR FINAL「語りかける、誰がための兆し」
2026年11月28日(土)東京都 日本橋三井ホール
OPEN 16:45 / START 17:30
<出演者>
さとう。
ADDITIONAL MUSICIANS:松原“マツキチ”寛(Perc) / 松岡美弥子(Piano) / Zampoña 山下Topo洋平(Zampoña) / and more


