角野隼斗(Penthouse)が楽曲を手がけ、浪岡真太郎(Penthouse)が共同音楽、大原拓真(Penthouse)が歌詞で参加するミュージカル「民王」が9月6日にスタート。上演に先駆けて、本作の稽古場会見が8月28日に東京都内で行われた。
完全オリジナル楽曲で描くミュージカル
「民王」は2010年に刊行され、2015年にはテレビ朝日系でドラマ化された池井戸潤による長編小説。内閣総理大臣の武藤泰山とその息子の武藤翔の心と体がひょんなことから入れ替わってしまったことで巻き起こる混乱が、社会や政治への皮肉や風刺と絡めて描かれる。このたび初めてミュージカル化され、泰山役を別所哲也、翔役を有澤樟太郎が務める。会見には角野、浪岡、大原のほか、出演者の有澤、別所、豊原江理佳、林瑠奈(乃木坂46)、山崎大輝、上川一哉、福田転球、一路真輝、竹中直人が登壇した。
会見前に行われた稽古見学では、出演者が劇中歌から4曲を披露。有澤が演じる翔が就職活動に奔走する姿を描いた「就活の歌」では、有澤が就職活動の理不尽さをユーモラスな楽曲と軽快な振付で表現した。続く「いまは何者でもないけれど」では、林が演じる翔の大学の友人・南真衣が翔を優しく励ます姿が描かれ、「歯医者のテーマ」「エリカの謳歌」では、コメディ作品ならではのコミカルかつ華やかな展開が繰り広げられた。
こんなに曲が化けるのか
会見は楽曲についての話題でスタート。自身が手がけた楽曲のパフォーマンスを生で観た感想を聞かれた角野は「もうこの4曲だけで感情が大忙しで……。感動あり、笑いあり、驚きあり。もう全部観たらどうなっちゃうんだろうと思いましたね。本番では泣きながら大笑いしてるかもしれません」と率直な思いを述べた。続けて、角野とともに楽曲制作に携わった浪岡は「曲を書いているときは家で1人なので、どういう感じになるのか想像がつかない部分もあったんですけど。やっぱりこうやって大人数で熱を入れてやってもらえると、こんなに曲が化けるのか、と。すごく感動しました」とコメント。歌詞を担当した大原も「曲のメロディにハマるかどうかを考えながら作詞していたので、突拍子もない言葉を入れた箇所もあったんですけど......キャストの皆さんのエネルギーが乗っかったものを観て、自分が作ったものをドーンと押し上げてもらっているような感覚がありました」とキャスト陣のパフォーマンスに対する感動を語った。
制作するうえで苦労した点について聞かれると、角野は「この作品には登場人物が入れ替わるという設定があるので、それをどう音楽で表現できるかはいろいろ考えました。ただ皆さんが思っているよりもギリギリのスケジュールで音楽を作っているので。その分、どなたが歌う曲なのかがわかった状態で想像しながら書けたのはよかったです」と振り返った。大原は、普段からPenthouseでも浪岡が作る楽曲に歌詞を書いていると前置きし、「今回は入れるべき言葉がある中で、それを歌いやすく聞きやすく日本語をパズルしていくというのはかなり苦労しました」と制作時の苦労を述懐。「でもその分、キャストの皆さんのお力に助けていただけそうだと今日の稽古を見て確信しました」と、楽曲が舞台上で立ち上がっていく手応えを語った。
びっくりするくらい順調で
稽古について話題が及ぶと、有澤は本作が新作のオリジナルミュージカルであることに触れ、「すごく苦労するだろうなという想像はしていたんですけど、びっくりするくらい順調で。楽曲も脚本も素晴らしいですし、現場もとても明るいです」と、稽古の順調ぶりをうかがわせる。続けて有澤は「今日はたくさんのメディアの方がいらして、本番が近付いてきたんだなという緊張感は高まっているんですけど、もう本番いけるかなみたいな。ちょっと自信がつきました」と自信をのぞかせた。
入れ替わりという設定上、本来は息子役である翔を演じることが多いという別所は「“ギラギラ”ではなく“キラキラ”を一生懸命作り上げています。楽曲もとても“キラキラ系”なので!」と発言。楽曲に慣れたかと聞かれると、「それはもちろん! 例えば『歯医者のテーマ』では『お前が』という歌詞と『オーマイガー!』という歌詞がかかっていたり。音楽チームがすごいことをいろいろ考えてくださっているので、本当に楽しいです」と、楽曲の仕掛けを楽しんでいる様子を見せた。続けて一路は、日本のオリジナルミュージカルへの出演は初めてだと明かし、楽曲について「日本語の歌詞をメロディにのせて、こんなにも歌いやすく歌えるという経験は初めてです。苦労というよりも、本当にうれしい思いが強いです」と笑顔で語った。
フォトセッション中も歌ってしまう
先日行われた制作発表会見では、自身の歌唱に不安をのぞかせていたという竹中。現在の心境について問われると、「一生懸命がんばってるんで!」と気合い十分に発言し、会場を笑いに包んだ。そんな竹中に対して有澤は「竹中さん、めちゃくちゃ素晴らしいですよ!」とコメント。竹中に「急に何言ってんだよ!」とツッコまれながらも、「竹中さんが今回歌っているのは、竹中さんの経験値や人間力がないと歌えない曲だなと思っています」とその歌唱の魅力を語り、「ずっと練習してますし。さっきのフォトセッション中も急に劇中歌を歌い出していました(笑)」と裏話を明かした。
会見の終盤では、別所が「この作品は音楽が加わってから、キラキラと立体的になりました。クラシカルな要素だったり、ジャズやJ-POPのような、そんないろんな色を持ったリズムと世界観で。角野さんをはじめ、皆さんが今持っているすべてをこの作品に注ぎ込んでくれたんだなと感じる楽曲ばかりです」とその手応えを語った。有澤は、もともと原作の著者である池井戸の作品とPenthouseの音楽が好きだったと明かし、「初日の感動はすごいだろうなと思っています。まだ稽古期間がありますので、残された時間を大事にしてがんばっていきたいと思います!」と意気込みを述べて会見を締めくくった。


