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真心ブラザーズ×ハンバート ハンバート感動あり笑いありの初ツーマン、吉田拓郎の名曲セッションも

真心ブラザーズとハンバート ハンバート。(撮影:さいちょー)
16分前2026年09月16日 3:03

真心ブラザーズとハンバート ハンバートのツーマンライブが9月10日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催された。

真心とハンバートが対バンライブを行うのは意外にも今回が初となる。日常の喜怒哀楽を、時に軽妙に時にシリアスに歌い届けてきた両者。この日のライブは弾き語りスタイルで行われ、2組の歌と演奏を堪能すべく会場には多くの観客が足を運んだ。

ハンバート ハンバート

先攻を務めたのはハンバート ハンバート。まずはフィドルを手にした佐藤良成(Vo, G)がステージに現れ、陽気なフレーズを奏で始める。続けて佐野遊穂(Vo, Harmonica)が軽やかな足取りでタンバリンを叩きながら登場し、ライブは「うちのお母さん」でスタート。軽快な歌と演奏に合わせ観客が手拍子を打ち鳴らし、華やいだ空気が会場に広がる。最初のMCでは、対バン相手である真心ブラザーズの話題に。フジテレビのバラエティ番組「パラダイスGoGo!!」のオーディション企画「勝ち抜きフォーク合戦」での優勝をきっかけに1989年にメジャーデビューを果たした真心ブラザーズ。当時リアルタイムで番組を観ていたという佐野は、真心との初ツーマンに「まさか、こうして同じ舞台に立つことがあるとは思いませんでした」と感慨深そうに語っていた。

「長いこと待っていたんだ」に続き、代表曲「おなじ話」が届けられると、2人のハートウォーミングな掛け合いとともに温かな空気が場内を満たしていく。日々の出来事を夫婦漫才さながらにテンポよく語り客席を和ませたハンバートは、フォークシンガー加川良のプロテストソング「教訓I」、切なさがにじむミディアムチューン「マイ・ホーム・タウン」を演奏。真心ブラザーズのデビュー曲「うみ」のカバーでは、美しいハーモニーに乗せてリスペクトの気持ちを表明した。佐藤がピアノに座り、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の主題歌「笑ったり転んだり」の演奏へ。ステージ上に設置された複数のライトが柔らかな光を放ち、静かなドラマ性をたたえた楽曲の世界をさりげなく演出する。やるせない気持ちをしみじみと歌う「虎」に続けて、現代社会への風刺を込めた「国語」を疾走感あふれる演奏とともに届けたハンバートは、最後に「メッセージ」を演奏し、ピースフルな雰囲気を作り上げて真心へとバトンをつないだ。

真心ブラザーズ

真心ブラザーズのステージは「GREAT ADVENTURE FAMILY」で静かに幕開け。2曲目に届けられたのは、1995年発表の5thアルバム「KING OF ROCK」より、YO-KING(Vo, G)が訳詞を手がけた、ボブ・ディラン「マイ・バック・ページ」の日本語カバー。「あのころの僕より今の方がずっと若いさ」──発表から30余年を経た今もエバーグリーンな輝きを放ち続ける言葉の数々に観客たちは静かに耳を傾けていた。

次に披露されたのは「テレビが馬鹿を作り出す / 馬鹿がテレビを作り出す」というパンキッシュな歌詞が強烈なインパクトを放つ初期曲「テレビジョン」。“フォークデュオ”というスタイルを逆手に取り、ラジカルな表現を続けてきた2人のその後を物語るような楽曲だ。古くからのファンの間では、フジテレビの深夜音楽番組「夜のヒットスタジオR&N」で披露した際に機材トラブルで演奏が破綻し、放送事故スレスレになったことでも知られており、2人はMCで当時の顛末を懐かしそうに振り返っていた。

固有名詞が出てこなくなった中年男の悲哀を桜井秀俊(Vo, G)がコミカルに歌い上げる「あれあれ、あの、あれ」、NHK Eテレの番組「0655」のオープニングテーマとして発表された味わい深いバラード「のりこえるの歌」を経て、代表曲「どか~ん」の演奏がスタートすると場内のテンションが一気に上昇。「どか~んと一発やってみようよ」というおなじみのフレーズに観客が息の合った手拍子で応え、会場全体に一体感が生まれた。さらに真心は畳みかけるようにして「サマーヌード」を演奏。初秋の渋公に高揚感あふれる夏の海辺の情景を鮮やかに描き出してみせた。

約30年前の1997年に行った渋公ワンマンの切り取り動画を最近、偶然観たというYO-KINGは「あのときの俺は、まー、カッコよかった」と自画自賛。「確かにイイ男だったね」と同意する桜井に対し、YO-KINGは「いやいや、あなたもイイ男だったよ」とお互いを褒めちぎる。おぎやはぎを彷彿とさせる仲睦まじいやりとりを笑顔で見守る観客に向けて、YO-KINGは「平和で楽しいMCのあとに、こんな曲ですいません」と前置きしてから、とびきりディープな「人間はもう終わりだ!」をドロップ。諧謔交じりのヘビーなメッセージを激情ほとばしる歌声に乗せて響かせた。硬軟織り交ぜた百戦錬磨のステージ運びで短時間ながらも自らの楽曲世界に観客を引き込んだ真心ブラザーズ。最後に2人は開放感あふれる「空にまいあがれ」を届けて颯爽とステージをあとにした。

アンコールでは真心とハンバートがそろってステージに登場する。最後は佐藤たっての希望で吉田拓郎「イメージの詩」をセッション。ジャパニーズフォークの名曲をそれぞれのスタイルで歌い継ぎ、記念すべき初ツーマンは大団円を迎えた。

セットリスト

「ライブナタリー “真心ブラザーズ × ハンバート ハンバート”」2026年9月10日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

ハンバート ハンバート

01. うちのお母さん
02. 長いこと待っていたんだ
03. おなじ話
04. 教訓I
05. マイ・ホーム・タウン
06. うみ
07. 笑ったり転んだり
08. 虎
09. 国語
10. メッセージ

真心ブラザーズ

01. GREAT ADVENTURE FAMILY
02. マイ・バック・ページ
03. テレビジョン
04. あれあれ、あの、あれ
05. のりこえるの歌
06. どか~ん
07. サマーヌード
08. 人間はもう終わりだ!
09. 空にまいあがれ
<アンコール>
10. イメージの詩(真心ブラザーズ&ハンバート ハンバート)

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