LÄ-PPISCHが10月9日、東名阪ツアー「Lä-ppisch Tour 2026 COUNTDOWN」のファイナルとなる東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)公演を開催した。意味深な「COUNTDOWN」というタイトルが掲げられたこのツアー。ここまでの大阪公演と愛知公演で配布されたフライヤーに掲載された写真から、東京公演でなんらかの発表があることが示唆されていた。
映像演出と爆音でたどるLÄ-PPISCHの軌跡
開演後、ステージに登場したのはMAGUMI(Vo, Tp)、杉本恭一(G)、tatsu(B)のオリジナルメンバー3人と、サポートメンバーの増井朗人(Tb, Per)、矢野一成(Dr)、奥野真哉(Key, Sax)という面々。「美代ちゃんの×××」でライブが幕を開けると、杉本がハイキックを決めながらギターをかき鳴らし、MAGUMIのトランペットが高らかに響く。さらに増井のトロンボーンと奥野のサックスが重なり、間奏ではMAGUMIと杉本が同時にジャンプ。還暦を過ぎた2人の躍動感あふれるパフォーマンスに、フロアの観客も縦ノリで応える。
そして「F5」「RINJIN」と続き、序盤から会場はヒートアップ。そんなフロアを見渡しながら、MAGUMIはMCで「最近、男性が増えたな」と語る。そして今回のツアータイトル「COUNTDOWN」について「何か目標を決めて、目標を達成するまでのカウントダウン」と説明し、彼らは「タンポポ」を演奏した。
さらに「サイクリング」をはさみ、サイケデリックな「楽園」で観客を異空間へと誘うバンドメンバーたち。スカナンバー「MAD GIRLS」を経て披露された「ガンジー」では、tatsuのベースフレーズが心地よく響く中、ガネーシャ像と曼荼羅を融合させたような映像がステージ背後に映し出された。この「ガンジー」に限らず、今回のライブでは楽曲の世界観を広げる映像演出も見どころの1つ。「LAULA」ではビビッドな色彩、「Party」では美しい夜空と観覧車、「water」では幾何学的な水の流れを思わせる映像が流れ、音と視覚の両面からそれぞれの楽曲の世界を描き出した。
長年の仲間と鳴らす音、上田現への思いも胸に
メンバー紹介では、先日63歳になったMAGUMIがバンドメンバーを「同世代」と話すと、59歳のtatsuがその言葉に敏感に反応し、客席から笑いが起こる。MAGUMIと杉本は熊本での中学時代からの付き合い。サポートメンバーも、増井は1980年代末からトロンボーンを担当しており、矢野もまたオリジナルドラマーの在籍年数を超えるほど長くバンドを支えている。
ライブ中盤は、印象的な歌詞が耳に残る「ありがとう」、孤独や郷愁を感じさせる「回送電車」、独自の幻想的な世界を描く「ハーメルン」と、2008年に死去した元メンバー・上田現が手がけた楽曲が続く。「VIRUS PANIC」は1992年に発表された楽曲だが、まるで新型コロナウイルスや近年のサイバーテロを描いているかのような、今の時代にも通じるテーマを感じさせる内容で、LÄ-PPISCHが当時から先見性を発揮していたことを改めて印象付けた。
「LOVE SONGS」ではMAGUMIが客席にダイブ。そのままオーディエンスに支えられながら泳ぐようにフロア後方まで進み、折り返してステージへ戻るという恒例のパフォーマンスを繰り広げた。本編最後に披露されたのは、杉本の作品の中でも屈指の、聴くものの血を騒がせる楽曲「Magic Blue Case」。フロアの熱気は最高潮に達し、ライブは一旦終了となった。
「私たちとあなたたちのカウントダウンの始まりです」
アンコールの「リックサック」では、バンドが歩んできた年月を振り返るように、過去のアルバムジャケットがメンバーの背後に映し出される。ツアーグッズのうち白いTシャツの収益を熊本地震の被災地の復興支援のため寄付することを報告した彼らは、続いて熊本への思いを込めた「旭タクシー」を披露。「ANIMAL BEAT」では、MAGUMIの指揮によって観客を出身地ごとに分けて歌わせ、フロア全体が一体となって歌声を響かせた。
ダブルアンコールで披露されたのは、杉本のオルタナティブなギターが響く「プレゼント」。この曲を作詞作曲した、今はなき上田現に多くの観客が思いを馳せる。そしてMAGUMIが「私たちとあなたたちのカウントダウンの始まりです」と告げると、スクリーンに「Lä-ppisch デビュー40周年記念」「2027年5月3日(月・祝)」の文字が映し出され、日本武道館を背景に立つメンバー3人の姿が現れた。
突然の発表に沸く客席に向けて、MAGUMIは「あんまり大したことじゃない。なぜかって、ここにいる人がたった4人連れてくればいい」と冗談めかして語りかける。この日のライブが行われているZepp Shinjuku(TOKYO)のキャパシティを約1500人とすると、日本武道館の会場を埋めるためには5倍の人数がいればいいという計算だ。軽妙な言葉ながら、観客に向けた呼びかけには武道館公演への意気込みものぞかせた。そしてラストに、祝祭感あふれる「KU・MA・MO・TO」でLÄ-PPISCHらしい狂騒と一体感に満ちた一夜は締めくくられた。
なお「Lä-ppisch Tour 2026 COUNTDOWN」東京公演の模様は、Streaming+でアーカイブ配信中。視聴チケットは3500円で、視聴期間は本日10月15日23:59までとなっている。
セットリスト
「Lä-ppisch Tour 2026 COUNTDOWN」2026年10月9日 Zepp Shinjuku(TOKYO)
01. 美代ちゃんの×××
02. F5
03. RINJIN
04. タンポポ
05. サイクリング
06. 楽園
07. MAD GIRLS
08. ガンジー
09. LAULA
10. ESCAPE
11. room
12. Party
13. miracle
14. ありがとう
15. water
16. 回送電車
17. ハーメルン
18. VIRUS PANIC
19. LOVE SONGS
20. Magic Blue Case
<アンコール>
21. リックサック
22. 旭タクシー
23. ANIMAL BEAT
<ダブルアンコール>
24. プレゼント
25. KU・MA・MO・TO
公演情報
レピッシュ デビュー40周年記念 Wind speed of 40 meters per second
2027年5月3日(月・祝)東京都 日本武道館


