ヤッホーみんな! 僕、キニナル君。音楽愛する大学生♪ 将来の夢は音楽でごはんを食べていくことだよ。でも、正直わからないことばかり。だからこの連載を通して、僕が気になった音楽にまつわるさまざまな疑問を専門家の人たちに聞きに行くよ。
今日はアナログレコードの祭典「レコードの日」DAY1!(参照:「レコードの日 2026」DAY1にglobe、TRF、m-flo、ELT、kurayamisaka、雪国、人畜乱弾、クレイジーケンバンドなど60アイテム)みんなはもうラインナップはチェックしたかな? kurayamisakaや雪国といった最近話題のバンドから、THE COLLECTORSやEvery Little Thingなどのキャリアのあるアーティストまで、実に幅広い顔ぶれだよね。過去にリリースされた作品を再び製造・発売することを「再発」って言うけど、これらの作品はどうやって世に出るんだろう? 気になって夜も眠れなくなったので、ソニー・ミュージックレーベルズのアナログ専門レーベル「GREAT TRACKS」でディレクターを務める村井英樹さんにお話を伺ってきたよ!
取材・文 / キニナル君 撮影 / 小原泰広 イラスト / 柘植文
アナログ専門レーベル・GREAT TRACKS
──まず、GREAT TRACKSが設立された経緯や、レーベルとしての特徴を教えてください!
ソニーミュージックグループには、Sony Music Records、SME Records、EPICレコードジャパン、アリオラジャパンなど、いろいろなレーベルがあるのですが、その中にレガシープラスというレーベルがあって、私はそこに所属しています。レガシープラスは、1968年に会社(CBS・ソニーレコード株式会社)が設立されてから現在までにリリースしてきた作品の中で、いわゆる「旧譜」と呼ばれる作品の再発をメインの業務として行っています。ほかにも、エルダー層に向けた新譜を制作しています。私は、旧譜の再発を担当する一方で、吾妻光良 & The Swinging BoppersやGONTITIといったアーティストの新譜の制作も手がけていて。そのレガシープラスの中にある、アナログ専門のレーベルが「GREAT TRACKS」です。新作も出すし、ソニーミュージックの旧譜の再発も手がけているんですよ。
──いわば「レーベルの中のレーベル」という位置付けなんですね。
そうですね。レガシープラスの中には、ALDELIGHT、ALFA MUSIC、URC、three blind miceなどいくつかのレーベルがあるんですが、GREAT TRACKSはその中でアナログに特化したレーベルですね。
──GREAT TRACKSができたのはいつ頃ですか?
2016年に、当時の上司だった滝瀬(茂)さんが社内で企画して、「GREAT TRACKS」という名前でアナログ盤を再発するレーベルを立ち上げたのが最初。ただ、その時点では社内にアナログ盤のプレス工場もカッティングマシンもなかった。当時は手探りで、アメリカまで飛んでプレスやカッティングを行っていたそうです。そんなふうに試行錯誤しながら始めたところ、ソニーミュージック全体としてもアナログに力を入れようという機運が高まってきて。2017年に社内のスタジオにカッティングマシンが導入され、静岡にある工場にもアナログ盤のプレスラインができて、現在に至るという流れです。
──GREAT TRACKSは、11月3日の「レコードの日」DAY1に合わせて4タイトルをリリースしますよね。そもそも、再発する作品はどのような基準で選んでいるんですか?
この企画は、東洋化成さんがレコードを盛り上げるためのお祭りとして2015年に始められて、2020年にはシティポップの新旧名盤をアナログ盤で発売する「CITY POP on VINYL」のようなイベントもスタートしました。そういうお祭りのタイミングでは、やっぱりみんなが「おっ!」と思うようなものを目玉として掘り出して、再発することが多いかもしれませんね。
──今回のラインナップでは、SATELLITE LOVERS「MUSIC」に「おっ!」となりました!
ありがとうございます。まさに私が担当させていただいた作品です(笑)。今回発表する「MUSIC」は、ソニーミュージックから出した作品ではなくて、当時レコードショップ・WAVE内にあったレーベルからリリースされたインディーズ作品なんです。
──GREAT TRACKSはこれまでにもSATELLITE LOVERSの作品を再発してきてますよね。
そうなんです。数年前から、SATELLITE LOVERSの音源が海外でバズり始めまして。「こんなグループいたよなあ」と思っていたら、当時SATELLITE LOVERSのマネジメントをされていた方から、「今、海外ですごく盛り上がっているので、正式な作品として、ソニーミュージックさんから出し直してもらえませんか」というご連絡をいただきまして、「ぜひやりましょう」という話になりました。そこから再発するにあたり、当時の権利関係を確認し、各所から許諾を得たうえで、ミニアルバム「Sons of 1973」「Sons of 1997」を配信リリースさせていただきました。すると反響があって、2枚ともアナログ盤でも出すことになりました。即完売となりまして、急遽、追加プレスをするくらい大好評だったんですよ。その流れでメジャーデビューシングル「SUNLIGHT」もアナログ化させていただきました。
──そして今回は、インディーズ時代の「MUSIC」まで再発することになった。
そうですね。インディーズ時代の作品はアーティスト本人が原盤の権利を持っているので、原盤を使用することについての許可をアーティスト本人からいただいたうえで発売するという形になります。また、当時の共同プロデューサーが、コンピレーションシリーズ「Free Soul」の仕掛け人としても知られる橋本徹さんでした。僕は橋本さんと面識があったのですが、マネジメント経由で事前にご確認いただいたところ、「ぜひお願いします」と快諾をいただきまして。それでまず8月に、リマスタリングした「MUSIC」をCDで発売後、11月3日にアナログ盤をリリースするという流れになりました。
再発する作品はどう選ぶ? 選定のコツは“横のつながり”と“周年”
──「CITY POP on VINYL」と「レコードの日」がリリースの柱なのはわかりました。でもそのタイミング以外にもコンスタントに作品をリリースしてますよね。膨大なアーカイブの中から、作品やリリースのタイミングはどうやって決めているの?
私と同世代、つまり90年代からずっとこの業界にいる人たちとの横のつながりを大事にしています。各ジャンルのDJの皆さん、DJバーのスタッフさん、音楽メディアの方、ショップのバイヤーさんなど、いろんな人に意見を聞く。自分が得意なジャンルなら勘所もわかるけど、それ以外だと、そのジャンルに詳しい人に聞くのが一番ですからね。
──信頼できる人たちの意見を聞きながら選んでいく。
うちの制作部門は人数も多くて、70年代のフォークがすごく得意な人や、女性アイドル、シティポップ、ALFA MUSICが大好きな人など、いろんな“賢者”が集まっている部署です。だから、得意な人がいるジャンルは、その人に任せたほうがいい。私は1992年にソニーミュージックに入社して、1996年に大阪オフィスから東京のEPICレコードジャパンに異動したのですが、ちょうどその頃は、CDの全盛期でした。当時から「この音をアナログで聴きたいな」と思う作品があって、それを今実現させていただくこともあります。
──実際、GREAT TRACKSのラインナップを見ると、PUFFYやWhiteberry、センチメンタル・バス、シャ乱Qなど、まさにCD黄金時代の作品も多いですよね。
それらは、私が担当した作品です(笑)。
──わお!
実はこれには裏コンセプトがあって、当時のCDリリースから何周年という節目に合わせて発売しています。例えばシャ乱Qの「ズルい女」のアナログ盤を出したときは、リリース25周年でした。そういうタイミングなら、「なぜ今この作品を出すのか」というストーリーが描けるし、リスナーの皆さんもわかりやすい。私の中ではそういうコンセプトがあって、周年を迎える作品をひたすら探してるところもあるかもしれません。
──確かに、周年をきっかけにまとまった形で再発するケースもありますよね。
今年デビュー45周年のTHE MODSは、ファン投票を実施して選曲したベストアルバムを、5月にCD3枚+Blu-rayの形態でリリースしました。そこからさらにメンバーが厳選した20曲を収録したLP2枚組「SMOKIN’ GUN ~Forever Hits:Vinyl Edition 20~」を9月にリリースしています。再発ではなく、周年企画として新たにオリジナルベスト盤を作った形ですね。THE STREET SLIDERSのデビュー40周年のタイミングでは、1年かけて全オリジナルアルバムをアナログ盤で再発する企画を行いました。初アナログ盤化の作品もあったんですよ。
「出せないのには理由がある」──アナログ再発の裏側にある権利処理
──実際にアナログ盤を再発する際、どのような流れで進めていくんですか?
アナログ盤の場合、企画段階から発売までだいたい1年くらいかかります。「これを出そう」と考えてから、原盤の権利者や楽曲の権利者を調べて、関係各所からOKをもらうまでに、最低でも3カ月~6カ月くらいかかるんです。
──作家が音楽出版社に著作権を預けていれば、音楽出版社に確認することで著作権の部分はクリアできる?
できると思います。ただ、旧譜に収録されている楽曲についてはケースバイケースで、音楽出版社に楽曲の管理を預けていない方もけっこういます。さらに、「無信託楽曲」といって、JASRACやNexToneで管理していない──つまり作家さんが楽曲の管理を著作権管理団体に委託していない楽曲もあり、そういう場合はご本人に確認することになります。そもそも、誰がどの権利を持っているのかわからないから、そこをイチから調べていかなきゃいけない。
──原盤の権利は基本的にレコード会社が持っているケースが多いですよね? ソニーミュージックのアーカイブ作品なら、原盤の権利もソニーミュージックが持っているから確認もスムーズな気がするんだけど……。
とは限りません。それもケースバイケース。誰が持っているのかを確認して、そこに許諾可否を伺います。そこでまず詰まることがけっこうあります(笑)。
──それだと確かに3カ月くらい余裕でかかりそう。あとはアーティストが楽曲(作詞家・作曲家)の権利も原盤の権利も持っていないケースもありますよね。アーティストが歌唱や演奏だけ担当している場合、アーティスト本人にも確認するんですか? 確認せずに進めちゃうケースもあります?
弊社は全部許諾を取っています。基本的にマネジメント会社に確認します。
──すでに亡くなられているアーティストの場合は?
その場合、ご親族に確認したことはあります。あるアーティストの作品を出してほしいという依頼があったときに、なんとか見つけた電話番号にかけてみたら、アーティストの弟さんが出られて。電話口で「再発を考えているんですが」とお話ししたところ、「ぜひ出してください」と。弟さんに許諾をいただいて進めたレアケースはあります。
──すごい……そんなケースもあるんですね。表には出てこない、地道な作業だ。
とても大変です。私もこの部署に来てから「再発って簡単に出せないんだ!」とわかりました。友達から「村井さん、これ再発できないの?」と言われることもあるんだけど、調べてみると、過去に別の人が再発に向けてリサーチして、結果を出せなかったことは多々あります。出せないのにはそれなりの理由がちゃんとあるんだと、勉強になりました。
──GREAT TRACKSでは、いろいろなアーティストの楽曲を集めたコンピレーション作品も出していますよね。そういった作品の場合も、アーティストごとに1曲ずつ原盤の権利や楽曲(作詞家・作曲家)の権利を確認していく必要があります?
もちろんです。ヒット作品に「RELAXIN' WITH JAPANESE LOVERS」というレゲエのコンピレーションアルバムがあるんですが、まず企画段階でラインナップを決めたあと、すべての権利を確認していきます。アーティストの数が増えた分だけ、1人のアーティストの作品を再発するよりも労力がとてもかかりますね。
「昔の音源」はそのまま使えない? アナログ盤ができるまでの音源チェック
──そうやって3カ月くらいかけて権利関係がクリアになったら、次はどんな作業に入るんですか?
まずは、当時のトラックダウンマスター音源がちゃんと残っているかどうかの確認。ソニーミュージックグループは長い歴史があって、例えばアリオラジャパンなら、その前身がBMG JAPAN、その前がファンハウスだったりする。うちは自社工場もあってマスターの管理はしっかりしていますが、合併してできたレーベルもあるので、「マスターが今もちゃんとあるのか」を確認しないといけない。あと、配信やCDでリリースされている作品なら、基本的にマスターはある。いわゆるマスタリング済み(CDマスター)と言われるものですね。でも、それはあくまでCD用のマスターなんです。
──CD用のマスター音源を使ってアナログ盤を作るのではダメなの?
それでもアナログ盤は作れるんですが、あまり音がよくならないんです。CD用にマスタリングされた音源の1つ前の段階で、トラックダウンマスターというものがあるんですが、アナログ盤を作る場合はできればそこまで遡りたい。それを使ってアナログ用に音を整えて、カッティングする。ただ、そのトラックダウンマスターがテープでしか残っていない場合、状態が劣化していることがある。テープから問題なくデジタル化できるかどうかも含めて確認する。だから権利関係がクリアになったからといって、スムーズに進むわけではないんです。
──再発するときに「リマスタリングする / しない」は、どうやって決めているんですか?
私は絶対作業します。CDの話になりますが、音って時代によって好みがあると思います。1980年代ならシンセがバーンと派手な音だったり、2000年代になるとドンシャリだったり。音をギュッと圧縮して、潰したような音が流行っていた時代もある。あくまでも個人的な意見ですが、今はアナログの温かさや柔らかさがある音が好まれる気がします。昔の作品を今の音に合わせるのか、当時の音をそのまま残すのか。そこは、お客さんがどう聴くのかを考えて決めますが、CDの場合は今の時代に合わせて変えることが多いです。そこは、マスタリングエンジニアさんと相談しながら決めています。
──アナログ盤の場合も、CDと同じように“今の音”に合わせてリマスタリングする?
アナログ盤の場合は、そもそもCDと同じ作業工程ではないんです。専門的に言うと、CDの場合はマスタリングエンジニアがいて「リマスタリング」と言うけど、アナログ盤については「リマスタリング」という言い方はせず、「テストカッティング」の工程がそれに相当します。
──えっ、そうなの? 「カッティング」というのは、レコードの溝を実際に作る工程のことですよね。
ほかの人はリマスタリングと言うこともあるかもしれないけど。私の場合はまずトラックダウンマスターをデジタルに変換して、それをカッティングエンジニアに渡す。カッティングエンジニアというのは、レコードに溝を刻む人のことです。作業的には、例えばA面の1曲目を1分くらいだけ切ってみる。元の音源をそのまま使ったものと、EQ(イコライザー)をかけたものを聴き比べて調整していく。さらにアナログ盤の場合は、レコードの外周と内周で音質にも違いが出るので、慎重にサウンドチェックを行います。
──へえ、外側と内側で違うんだ。
レコードの特性上、内周に行くほど音圧が下がり、高音域が減衰するんですよ。だから例えば外周にある1曲目の頭と、内周にある4曲目の頭を聴き比べて、音に差が出ていないかをチェックする。そういう確認をするために、私とカッティングエンジニアさんでテストカッティングをして、聴き比べながら音を決めていく。ただ、「プリマスタリング」といって、マスタリングスタジオでアナログ用の音を先に作ってからカッティングする方もいらっしゃると思います。ですが、私はそれをやらない。信頼しているカッティングエンジニアさん──個人的にはWarner Music Masteringの北村勝敏氏と加藤拓也氏の両名が国内で最高峰だと思っているんですが、お2人のどちらかと、まずトラックダウンマスターの音を聴いて、「ここをこうしよう」と決める。そもそもトラックダウンマスターがどういう状態で残っているかによっても変わってきます。なので、これはあくまで私のやり方として聞いてもらえればと思います。
カッティングのあともまだまだ続く! テスト盤を聴いて商品を完成させるまで
──カッティング作業が終わったあとは、どんな工程に進むのでしょう?
カッティングすると「ラッカー盤」というものができるから、それを工場に運んでメッキ処理を施して「スタンパー」を作る。音溝が反転した凹凸のあるものなのですが、簡単に言えばレコード盤を作るためのハンコみたいなものです。そのスタンパーを使ってまずはテストプレス盤を作ってもらう。それでノイズの有無や音の品質を確認します。
──実際に商品として流通させるレコードを作るための、重要なチェックですね。
そうです! ただ、そこでOKが出てから商品化しようとしても、当然そんなスケジュールでは間に合わない(笑)。だから、アナログ盤の場合はだいたい1年前に企画を始めて、半年くらい前にはカッティングをして、テスト盤を聴いて……という作業を何度も繰り返しながら、発売に間に合うよう完成させていきます。そこまでできたら、最後はジャケットをどうするかといった商品としてのディテールを詰めていく作業です。
──一連の工程の中で、特に苦労するのはどの部分ですか?
やっぱり最初の権利関係のところじゃないでしょうか。権利関係がクリアになったら、もう半分くらいOKというイメージ。あともう1つ大変なのは、テストプレス。アーティストの方から、「試聴したのですが、音をもっとこのようにしてほしい」と修正依頼がくることも多々ありますので。
──アーティストの方もこだわり強そう……。
ただ、アナログ盤は今言ったように多くの工程を経るから、CDのマスタリングみたいに簡単に直せるものではない。ラッカー盤からプレスするまでにも、プレスするときの冷却温度を変えるとか、細かいディテールの調整が必要になります。アーティストの要望を聞きつつ、それをエンジニアや工場とどう詰めていくかも非常に大事な作業です。
過去にも世界に届けるべき作品がたくさんある
──これまで村井さんが手がけてきた作品の中で、特に印象に残っているものはなんですか?
Rainychというインドネシアの女性ボーカリストですね。彼女はインドネシアの学校の先生なんですが、YouTubeで日本の曲のカバーを大量に公開していたんです。その中には松原みき「真夜中のドア~Stay With Me~」もあって。
──「真夜中のドア~Stay With Me~」と言えば、海外でも人気の高いシティポップの代表的な作品ですね!
Rainychがいなかったら、海外で今ほどのシティポップブームは起きてなかったかもしれません。それくらい動画がバズっていました。それで、「このRainychっていう子、いいよね」と話していたら、ソニーミュージックグループ内で同じことを思ってる人がいて盛り上がって。GREAT TRACKSのアナログチームだけでなく、部署をまたいでチームを組んで、Rainychに正式にオファーしたんです。GREAT TRACKSとしては「真夜中のドア~Stay With Me~ / BLIND CURVE」と「RIDE ON TIME / Say So -Japanese Version-(tofubeats Remix)」の2枚をリリースしましたが、予約の段階から注文が殺到して、かなり売れました。「こういうこともあるんだな」と思いましたね。
──へえ、面白いなあ!
ほかにもBO GUMBOSのどんとさんの命日に合わせて、毎年1回アナログ盤とリマスタリングCDを出していて。当時聴いていた人にはもちろん聴いてほしいし、BO GUMBOSのことを知らない人にもぜひ聴いてほしいです。私はたまたま今ソニーミュージックの膨大なカタログを扱う部署にいるから、その中から「これは後世に残したい」と思うものも掘っている。やっぱり、素晴らしい作品は文化遺産というか、次世代に引き継ぐべきだと思っています。それは日本だけじゃなく、世界に向けて。
──世界……! スケールが大きいですね!
もうひとつ、今はthree blind miceというジャズレーベルにかなり力を入れていて。1970年に設立された、「日本のBLUE NOTE」とも言われるような本格的なジャズのインディーズレーベルなんですが、レガシープラスが原盤の権利をすべて買い取っていて、以前から入門編のようなCDをリリースしていました。ここ数年、海外の需要がものすごく高くて、SACDとアナログ盤の2形態で年間で12タイトル出しているんですよ。「日本にこんなに素晴らしいジャズミュージシャンがいて、こんな素敵な作品があるんだ」ということを世界中の人に知ってほしい。最先端で売れている音楽がある一方で、過去にも世界に届けるべき作品がまだまだたくさんあります。「これは自分がやらなきゃいけない」と思ってやっています!
──すごい、使命感を持って再発に取り組んでいるのが伝わりました! 今日はありがとうございました!
プロフィール
村井英樹
1992年ソニーミュージックグループに入社。大阪オフィスを経て、EPICレコードジャパン、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズにて、制作、A&Rを担当。2019年レガシープラスに異動、吾妻光良 & The Swinging Boppers、GONTITI、TMNETWORKらの制作ディレクターを担当しつつ、アナログ専門レーベル・GREAT TRACKSの統括ディレクターを務める。


