折坂悠太のバンド編成でのワンマンライブ「折坂悠太ばんど 独演 せぞん」が10月25日に東京・SGC HALL ARIAKE、本日10月31日に大阪・サンケイホールブリーゼで開催された。この記事では、東京公演の模様をレポートする。
9月に柴田聡子とのコラボ曲「シミレ(feat. 柴田聡子)」やシングル「せぞん」をリリースした折坂。SGC HALL ARIAKE公演はそんな彼にとってキャリア最大キャパシティでのワンマンとなり、大勢の観客を前に16曲が披露された。
ステージに現れた折坂たちは「トランポリン」でライブをスタートさせ、伸びやかな歌声と鷹揚なサウンドを響かせていく。その後朗読を挟みつつ、折坂は「人人」のパフォーマンスへ。1曲目に続きゆったりした演奏が繰り広げられ、肩の力が抜けた自然体のステージがしばし続いた。折坂は「今日は歌の中にある私の話に、聞き耳を立ててもらって」とライブへの思いを述べ、「自分の中にも話し声が生まれると思うので、それを頼りに、昔の写真を見返すみたいに、今日のこの時間を過ごしてもらえたらうれしいです」と落ち着いた語り口で告げる。「坂道」では人肌のような温かみのあるサウンドが鳴らされ、会場が優雅なムードにそっと包まれた。
「べっ甲」「凪」が披露されると、折坂たちのパフォーマンスは徐々にフリーキーなものへと変化を遂げていく。「努努」ではその性質がより強まり、鬼気迫る熱演が繰り広げられた。ここで折坂はゲストの柴田聡子を呼び込み、2人で「ぼくめつ」を歌唱。「オリンピックなんてなくなればいいのに」というフレーズが印象的なこの曲を2人は交互に歌い継ぐ。折坂は歌唱後に「これは私がライブを始めてまもないくらいの頃にリリースされて、大変火を点けられたという……」と語り始めたと思いきや、突如「ごきげんよう」と照れ混じりの挨拶を柴田と交わし、2人ではにかんだ。9月リリースのコラボ曲「シミレ」ももちろん披露され、洒脱なサウンドの上で2人の歌声が重なると、さわやかな風が吹いたかのような心地よい空気が会場中を満たしていった。
「信濃路」で神秘的な空気が醸し出されたのちに「スペル」が披露され、アウトロで演奏の熱量が増していく。さらに「針の穴」「夜学」と続き、サックスが激しく鳴り渡った「夜学」の演奏後には拍手喝采が沸き起こった。熱に満ちた空気を浄化させるような「無言」のパフォーマンスを経て演奏されたのは「せぞん」。潔さすら感じさせるシンプルなアンサンブルが強くこだまし、折坂の伸びやかな歌声がそこに乗る。痛快で抜けのよい、プリミティブな魅力に満ちたバンドサウンドが観る者の胸を刺激した。その後折坂は「もうすぐ冬がやってきますけど、今日の話し声を忘れずに乗り越えましょう。また会いましょう。ありがとう」と語り、「さびしさ」をパフォーマンス。アンコールでは色彩豊かなライティングの中で「芍薬」を高らかに奏で、ライブを締めくくった。
セットリスト
「折坂悠太ばんど 独演 せぞん」2026年10月25日 SGC HALL ARIAKE
01. トランポリン
02. 人人
03. 坂道
04. べっ甲
05. 凪
06. 努努
07. ぼくめつ(w / 柴田聡子、オリジナル:柴田聡子)
08. シミレ(feat. 柴田聡子)
09. 信濃路
10. スペル
11. 針の穴
12. 夜学
13. 無言
14. せぞん
15. さびしさ
<アンコール>
16. 芍薬


