昨日10月25日に東京・NHKホールにてイベント「The Covers'Fes.2018」が開催された。
このイベントはNHK BSプレミアムで放送中の音楽番組「The Covers」のスペシャルライブ企画の公開収録として実施されたもの。OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND、シシド・カフカ、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、向井秀徳(ZAZEN BOYS)、Little Glee Monsterのほか、“LEGENDゲスト”のBARBEE BOYSがパフォーマンスを繰り広げた。
イベントはシシドと田島による「接吻 kiss」のコラボでスタート。シシドは伸びやかな歌声でこの楽曲を披露し、会場に集まったオーディエンスを温かく歓迎した。続くリトグリは中島みゆき「ファイト!」を美しいコーラスワークでカバー。向井によるYUI「CHE.R.RY」はソリッドなエレキギターにこぶしをきかせた歌声を重ねる独自のアレンジが施され、観客たちは圧倒されていた。
田島がカバーしたオフコース「眠れぬ夜」では、ノスタルジックなムードが表現された。ベッツィ&クリス「白い色は恋人の色」と吉田拓郎「人生を語らず」をプレイしたOAUは、開放感あふれるアレンジでホールを包み込んでいった。さらにこの日は、番組MCを務める池田エライザも青江三奈「恍惚のブルース」を披露。昭和の雰囲気あふれるムーディなサウンドをバックに、繊細な歌声を観客に届けた。
収録中盤に入ると、この日がおよそ8年ぶりのライブとなったBARBEE BOYSがステージに登場。客席にはメンバーの名を叫ぶファンの姿が数多く見られ、場内の熱気は一気に高まった。バービーは今回「目を閉じておいでよ」「女ぎつね on the Run」の2曲を演奏。KONTA(Vo, Sax)と杏子(Vo)が縦横無尽にステージを駆け巡る中、いまみちともたか(G)、エンリケ(B)、小沼俊昭(Dr)は8年のブランクを感じさせない息ぴったりのセッションで貫禄あふれるパフォーマンスを展開した。
後半戦でも各出演者は続々とカバー曲を披露。向井は斉藤由貴の「卒業」をチョイスし、アコースティックギター1本でスケール感あふれる音色を響かせた。一方シシドはアン・ルイスの「六本木心中」をパワフルなドラム演奏を交えて歌唱。リトグリはkokuaの「Progress」をカバーし、若々しさに満ちた声を響かせた。さらに田島はサザンオールスターズの「思い過ごしも恋のうち」をグルーヴィなアレンジのもと披露。最後はOAU、シシド、田島、向井、リトグリの5組によるソウル・フラワー・ユニオン「満月の夕」で美しくフィナーレを彩り、約2時間に渡った「The Covers'Fes.2018」の幕は閉じた。
番組収録後にはBARBEE BOYS、MCのリリー・フランキーと池田による囲み取材も実施された。収録を終えた感想として、リリーは「お客さまを家に呼んで、好きなCDをかけて『これよくない?』って共有しているような時間でした」、池田は「テレビの向こう側にいる皆さんとこうしてお会いできる機会となって、より一層がんばっていきたいと思いました」と回想。バービーのいまみちは「お客さんの前で生演奏できて、非常にありがたかったです」、KONTAは「出演者の方でうちらの曲をカバーしようとしてた人がいたらしい、というのを聞いて。カバーされる立場になったんだな!って思いました」と喜びを明かした。また杏子は「もっとやりたかったなー、っていう感じもします。こんなチャンスを与えてくれてありがとうございます!」、エンリケは「昔から俺たちのファンだった人たちがいっぱい来てくれたのがうれしくて。懐かしい顔とか、客席から見れました」と振り返る。小沼は「まさか出演できるとは思っていなかったからびっくりして。出演に向けてコンディションを整えたり、練習したりしました」と語った。
さらに取材陣の「当時のファンに向けて一言」という質問に対し、小沼は「健康にお互い注意して、また会えたらいいなと思います」、KONTAは「歳をとるのもそんなに悪いもんじゃないなと思いましたね。だから同世代、がっかりすんな!」と熱くコメント。いまみちは「Twitterで『うちの両親がBARBEE BOYSを観に行ってるらしい』ってツイートを見て。(その両親が)『いいバンドだったよ』って伝えてくれたらいいかな」とにこやかに答えた。
「The Covers'Fes.2018」の模様は11月30日(金)にNHK BSプレミアムにて放送。こちらのオンエアもお見逃しなく。
※「kokua」のoはマクロン(長音記号)付きが正式表記。
NHK BSプレミアム「The Covers'Fes.2018」
2018年11月30日(金)22:00~23:29