夢眠ねむ(でんぱ組.inc)の芸能活動10周年記念イベント「カオスフェス presents 夢眠祭前夜祭 supported by ヴィレッジヴァンガード」が、11月4日に神奈川・Yokohama Bay Hallで開催された。
10周年を区切りとし、2019年3月をもって芸能活動を引退することを発表した夢眠。2019年1月には東京・日本武道館2DAYS「でんぱ組.inc コスモツアー 2019 in 日本武道館」をもってでんぱ組.incを卒業し、芸能界引退後はオリジナルキャラクター「たぬきゅん」のプロデュースと、書店の店舗開店を目指して活動していくという。
11月22日に東京・新木場STUDIO COASTで開かれるイベント「夢眠祭 ~夢眠ねむ 芸能活動10周年感謝記念~」の“前夜祭”として行われた「カオスフェス presents 夢眠祭前夜祭」には、でんぱ組.incの仲間である成瀬瑛美がソロ名義「マキシマムえいたそ」として応援に駆け付けたほか、かせきさいだぁと木暮晋也(ヒックスヴィル)によるユニット・トーテムロックや、ベッド・イン、坂口喜咲とシーパラダイスの皆さん、DJみそしるとMCごはん、閃光プラネタゲートといった夢眠ゆかりのゲストが参加。幕間にはピン芸人・もう中学生も登場し、段ボール製の書き割りを使った独自のコントや不思議な間合いのトークを繰り広げた。
オープニングアクトはでんぱ組.incと同じディアステージに所属する3人組男装ユニット・閃光プラネタゲートが務め、まずはオリジナル楽曲「START-UP」を披露。その後ステージには突然、緑色の奇妙な怪人・ぼっこりぼんぼんが乱入し、「カオスフェス? ぼっこりぼんぼんフェスにしちゃおうかなー」とイベント乗っ取りを目論む。しかしプラゲーを助けにきた成瀬が持ち前の明るさでぼっこりぼんぼんを仲間に引き入れようと話しかけるうち、パンパンに膨らんだぼっこりぼんぼんの体ははしぼんでしまう。するとその体内から、ぼっこりぼんぼんに身を乗っ取られ記憶を失った夢眠の姿が。先輩との謎の寸劇を終えたプラゲーは、ディアステージで代々歌い継がれているピヨラビのナンバー「光のキャンベル」を夢眠、成瀬と共に歌い、フロアは本編スタート前から異様な盛り上がりを見せた。
本編のトップバッターを務めたマキシマムえいたそは、夢眠による全身コーディネイトの衣装で登場すると、ソロ楽曲「トキメキ☆すちゃらかテキサス」とでんぱ組.incの「ブランニューワールド」と「キラキラチューン」をソロでパフォーマンス。場内は成瀬の担当カラーであるイエローのペンライトで染め上げられた。続いて登場したDJみそしるとMCごはんは「蒸篭(せいろ)ー」「ろー」「カレー食べるならやっぱり」「家(イエ)ー」など食にちなんだコール&レスポンスで一体感を作り上げ、「甘辛MCバトル ~たまご焼き編~」では甘い卵焼き、しょっぱい卵焼き、レフェリーの1人3役でラップバトルを展開。夢眠をゲストに迎えた「あんかけ炊炒飯」ではステージ上で炊き上げた炊炒飯に熱々のあんかけをトッピングし、夢眠はDJブースでひたすらあんかけ炊炒飯をもりもり食べるというエキセントリックなプレイを見せた。
3番手の坂口喜咲はバンドメンバー「シーパラダイスの皆さん」を引き連れ登場し、じっくり聴かせるメロウな「あいのうた」やグルーヴィな16ビートの「夏の姫」、叩き付けるようなロックチューン「あたしの彼氏の悪口言うやつ全員殺す」など短い時間にバリエーション豊かなステージを展開した。ペンライトに囲まれてのライブは初めてだという坂口は「ホントすごいですね、こんな感じなんですね……」と驚いた様子だったが、ラストの「終わる、眠れずに。」ではそのペンライトの海にダイブ。フロア後方までクラウドサーフで流されながら絶唱し、観客の心を惹き付けた。その後の幕間に挟まれたもう中のコーナーには夢眠と成瀬が参加し、もう中お手製の「ワニワニパニック」と「エス階ゲーム」にチャレンジ。ゲームの結果はともかく、夢眠と成瀬の2人にはもう中お手製の「霧ヶ峰」がプレゼントされた。
続いてのライブアクトは、活動初期から夢眠がいち早く目を付け応援していたベッド・イン。ピンクのペンライト一色に染められたフロアに中尊寺まい(Vo, G)と益子寺かおり(Vo)は「みんなクンピー色のサオをおっ立ててくれてさ……」と大興奮で、ギロッポン直送のバブリージョークを連発した。そして2人は「ねむきゅんサンクスモニカだよー!」と夢眠へのお礼を伝えると、バブリーなロックを連発。おなじみ「TVジョッキー」風の生着替えタイムにはボディコン姿の夢眠が現れ、場内は大きなどよめきが。ベッド・インと夢眠はジュリ扇を振りながら「ジュリ扇ハレルヤ」を歌い、2018年のYokohama Bay Hallをバブル全盛期にタイムスリップさせた。もう中の「象斉唱」などを挟み登場したトーテムロックは、かせきと木暮がでんぱ組.incに提供した「冬へと走りだすお!」や「くちづけキボンヌ」、夢眠をフィーチャーした「ホリデイ」を含む5曲を披露。「冬へと走りだすお!」では舞台袖で見ていた成瀬をステージに上げて一緒に歌い、「ホリデイ」では初のライブでのコラボが実現した。大ファンである2人との共演に夢眠は大喜び。夢眠を見送ったかせきと木暮は最後に「フリーダムフリーダム!」でフロアの熱気を引き上げ、トリの夢眠へとバトンをつないだ。
オープニングからたびたびステージに現れ、そのたびに衣装を替えていた夢眠。自身のソロパフォーマンス時にはミントグリーンのセーラー服風衣装で登場し、まずは2012年の初個展に合わせて発表されたソロナンバー「コズミックメロンソーダマジックラブ」を披露した。割れんばかりの歓声で迎えられた夢眠は「めっちゃ楽しくない? ちょっと震えた。このイベント、伝説的に面白い……よね?」と自らイベントを満喫している様子で、「今までいろんな人とコラボしてきたけど、その曲をライブでやったことがなくて。『いつかやりたいね』って何年も経っていたものを、ここで満を持していっぱいやりました!」と満足げに語った。さらに2曲目には、11月21日にリリースされる最初で最後のソロアルバム「夢眠時代」から、この日のゲスト・坂口が書き下ろした新曲「あたしの最後のラブソング」を、坂口本人と共にデュエットで初披露。客席には切ないラブソングに涙するファンの姿も見られ、夢眠自身も「1人だったら泣いて歌えなかったよ」とぽつり。続く「魔法少女☆未満」では一転、夢眠もファンも笑顔で盛り上がり、ラストの「蛍の光(PandaBoY Feat. 夢眠ねむ)2018」では「みんなで歌ってお別れしましょう!」とこの日のゲストがステージに集結。横一列で肩を組みハウスアレンジの「蛍の光」を歌い、4時間におよんだ“前夜祭”は盛大にフィナーレを迎えた。
“本祭”である11月22日の「夢眠祭 ~夢眠ねむ 芸能活動10周年感謝記念~」には、でんぱ組.incメンバーによるユニット「水玉おんらいん」や「横縞おふらいん」、ディアステの立ち上げメンバーである吉河順央、夢眠が大ファンだと公言しているスネオヘアーやMOSAIC.WAVほか多数のゲストが登場する。
カオスフェス presents 夢眠祭前夜祭 supported by ヴィレッジヴァンガード
2018年11月4日 Yokohama Bay Hall セットリスト
閃光プラネタゲート(オープニングアクト)
01. START-UP
02. 寸劇~光のキャンベル with 夢眠ねむ、成瀬瑛美
マキシマムえいたそ
01. トキメキ☆すちゃらかテキサス
02. ブランニューワールド
03. キラキラチューン
DJみそしるとMCごはん
01. おまんじゅう
02. スプーンガールのマイカレー
03. PIZZA
04. 甘辛MCバトル ~たまご焼き編~
05. あんかけ炊炒飯 with 夢眠ねむ
坂口喜咲とシーパラダイスの皆さん
01. あいのうた
02. 地下鉄
03. DO-SHE-YOU
04. 夏の姫
05. あたしの彼氏の悪口言うやつ全員殺す
06. 終わる、眠れずに。
ベッド・イン
01. ♂×♀×ポーカーゲーム
02. 劇場の恋
03. 男はアイツだけじゃない
04. 生着替え~ジュリ扇ハレルヤ with 夢眠ねむ
トーテムロック
01. STAY TUNE
02. 冬へと走りだすお! with 成瀬瑛美
03. くちづけキボンヌ
04. ホリデイ with 夢眠ねむ
05. フリーダム フリーダム!
夢眠ねむ
01. コズミックメロンソーダマジックラブ
02. あたしの最後のラブソング with 坂口喜咲
03. 魔法少女☆未満
04. 蛍の光(PandaBoY REMIX feat. 夢眠ねむ)2018 with トーテムロック、ベッド・イン、坂口喜咲とシーパラダイスの皆さん、DJみそしるとMCごはん、閃光プラネタゲート、もう中学生
夢眠祭 ~夢眠ねむ 芸能活動10周年感謝記念~
2018年11月22日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
OPEN 16:15 / START 17:00
夢眠ねむ / ONIGAWARA / スネオヘアー / たぬぴよ / 寺嶋由芙 / ニァピン[星野にぁ(妄想キャリブレーション)&藤咲彩音(でんぱ組.inc)]/ 二丁目の魁カミングアウト / 水玉おんらいん[古川未鈴&成瀬瑛美(でんぱ組.inc)]/ MOSAIC.WAV / 横縞おふらいん[相沢梨紗&夢眠ねむ(でんぱ組.inc)]/ 吉河順央
DJ:ごむお(Wienners)/ 汐りんご(バンドじゃないもん!)/ たぬきゅん[たぬきゅん / ラビやん / コアラさん]