桑田佳祐が12月27日に全国で公開される、映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」の主題歌「男はつらいよ」を歌唱する。
渥美清が主人公の“寅さん”こと車寅次郎を演じ、1969年8月に第1作が劇場公開された「男はつらいよ」。シリーズ50作目の「男はつらいよ お帰り 寅さん」は1997年公開の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来、22年ぶりの新作となる。本作は新たに撮影されたパートと旧作の名場面を組み合わせた構成となっており、寅さんの甥・満男と、彼がかつて思いを寄せた女性・イズミの2人を軸にして物語が描かれる。キャストには吉岡秀隆、後藤久美子、倍賞千恵子、前田吟らが名を連ねた。
監督を務める山田洋次は、桑田があるテレビ番組で映画の主題歌「男はつらいよ」を歌唱する姿を見て感激し、今回オファーしたことを明かした。山田は当時の心境を「なんとかして桑田君に主題歌を歌ってもらいたいと強く願って直接に手紙を書きました。いわばラブレターです。その承諾の返事を聞いたときは本当に嬉しかった」と回想。長年「男はつらいよ」シリーズのファンであった桑田は「憧れの人にお逢い出来た瞬間、私は全身から力が抜けてしまった事を忘れません」とコメントしている。
また桑田は映画本編のオープニングに登場することも決定。彼は撮影時の様子を「私のおぼつかない『演技』に、暖かく御指導をいただきましたことは、一生の思い出です」と振り返っている。
桑田佳祐 コメント
山田洋次監督始め、山田組や松竹映画スタッフの皆様には、何と御礼を申し上げたら良いのか言葉もございません。
映画「男はつらいよ」には、我々世代も沢山の笑いと涙と感動のドラマを“魅せて”頂きました。渥美清さん演ずる「寅さん」には、あの方ならではの男の色気で、恋することのもどかしさ、家族や人間同士の絆、生きることの脆さ、儚さ、せつなさ、そして渥美さんご自身の「粋な口上」の数々や、お上手な歌などもたくさん教えて頂き、私も渥美清さん演じる「寅さん」を、どこかファンのひとりとして、真似をしながら生きて来たような気が致します。
昨年末、私のライブにまでわざわざお越し頂き、4時間越えのステージを最後までお立ちになったままご覧頂いた山田監督。憧れの人にお逢い出来た瞬間、私は全身から力が抜けてしまった事を忘れません。撮影スタジオでは、主題歌を歌うシーンで、私のおぼつかない「演技」に、暖かく御指導をいただきましたことは、一生の思い出です。
今回、この夢のようなお話を頂き、本当にありがとうございました。そして天国におられる渥美清さんには、心より深く感謝申し上げます。
山田洋次監督 コメント
桑田佳祐さん主題歌に寄せて
桑田佳祐という人と渥美清さんは、心情において深く重なっているのではないか、と前々から思っていて「男はつらいよ」の50作目を作るなら、なんとかして桑田君に主題歌を歌ってもらいたいと強く願って直接に手紙を書きました。いわばラブレターです。その承諾の返事を聞いたときは本当に嬉しかった。桑田君が歌う「男はつらいよ」は、人を優しい気持ちにさせ、元気づけてくれる。「まあ、こんな私でもなんとか生きていけるんじゃないかな」観客の背中をポンと押してくれるような素晴らしい主題歌となり、記念すべき50作目のオープニングを飾るに相応しい名シーンとなりました。桑田君、「寅さん」の世界に飛び込んで来てくれてありがとう!「音楽寅さん」はまさに「映画寅さん」でもあった。渥美さんもきっと喜んでくれると思います。