YOSHIKI(X JAPAN)が3月16、17日に東京・文京シビックホール 大ホールで行われた牧阿佐美バレヱ団の公演「プリンシパル・ガラ2019」にゲスト出演し、天皇陛下御即位10年の奉祝曲「Anniversary」などのコラボパフォーマンスを披露した。
YOSHIKIと牧阿佐美バレヱ団によるコラボは、2018年7月のディナーショー「EVENING WITH YOSHIKI 2018 IN TOKYO JAPAN 6DAYS 5TH YEAR ANNIVERSARY SPECIAL」、11月のコンサート「YOSHIKI CLASSICAL 2018 ~紫に染まった夜~ YOSHIKI with Philharmonic Orchestra」に続いて今回で3度目。「Anniversary」は1999年の「天皇陛下御在位十年をお祝いする国民祭典」において奉祝曲としてYOSHIKIが天皇皇后両陛下の前で演奏した楽曲で、「プリンシパル・ガラ2019」が平成最後の年に開催されるということもあり、バレエ作品として初披露されることとなった。
「プリンシパル・ガラ2019」で演目として用意されたのは、YOSHIKIの「Anniversary」のほか、チャイコフスキー「グラン・パ・ド・フィアンセ」、ミンクス「ドン・キホーテ」、島田雅彦「時の彼方に~ア ビアント~」、ラヴェル「ボレロ」。「ドン・キホーテ」の演目が終了したあと、YOSHIKIが白いジャケットスタイルで姿を見せると、場内からは割れんばかりの歓声が沸き起こった。YOSHIKIは数年前、三木谷浩史(楽天株式会社代表取締役会長兼社長)、三木谷社長の妻で、牧阿佐美バレヱ団の常任理事を務める三木谷晴子を通じて牧阿佐美と出会い、親交を深めたことを語りつつ、天皇陛下への奉祝曲「Anniversary」を制作した時期はX JAPANの解散、メンバーの死と大変な出来事が重なり精神的にギリギリの状態だったが、「天皇陛下御在位十年をお祝いする国民祭典」での御前演奏の話を受けたことが音楽家としての再スタートを切るきっかけになったことを振り返った。そしてそんな思い入れのある曲を牧阿佐美バレヱ団と共演できること、平成最後の年に再び演奏する機会を得たことに感謝を示し、「もうすぐ平成も終わりますが、次の時代を少しでも彩れるように……。今日は高円宮妃久子殿下もいらしているということで、緊張していますががんばります」と述べた。
YOSHIKIはピアノで参加し、オーケストラと共に「Anniversary」を演奏。ステージにはバレエダンサーが登場し、牧阿佐美による振り付けで優雅な舞いを見せ、場内を感動的なムードで包み込んだ。演目終了後にはバレエダンサーとYOSHIKIが並んで挨拶。拍手を何度も浴びるように3回ほど行うバレエ独自のカーテンコールに戸惑う様子を見せたYOSHIKIだったが、ダンサーのエスコートもあり、Xポーズを決めて観客を沸かせた。続く演目「時の彼方に~ア ビアント~」では、高円宮妃久子殿下の観覧席の近くでYOSHIKIも公演を観劇。来場客と共に「プリンシパル・ガラ2019」を楽しんだ。
終演後には記者会見が行われた。まず「Anniversary」のコラボパフォーマンスについて、「作曲したのが20年くらい前。今回、牧阿佐美バレヱ団と共演できるとは思っていませんでした」と語ったYOSHIKI。1999年に天皇皇后両陛下の前で「Anniversary」を演奏したことについては、「あのときのことは鮮明に覚えています。僕らのバンドが解散して、最愛なる友人が旅立ったあとだったので、音楽家として進んでいけるのかというときにお話をいただきました。あの日は雨が降っていたのですが、演奏前に急に雨が上がりまして。神聖なる気持ちになり、生かされていることに感謝しました。あのとき、陛下のために演奏できたのは自分にとってある種の転機になりました。あの日、第2の人生をいただけたように思います」と思いをゆっくりと語った。
また平成元年の1989年にXとしてメジャーデビューしたことから、改めて平成を振り返り、「平成が終わるまで僕らがこういう舞台にいられることに関して、ファンの皆さんに本当に感謝している。これから新しい時代が始まるので、これまであったことをもう一度振り返りながら、希望を持って進んでいきたい」と述べ、「僕は音楽家なので、少しでも皆さんに勇気を与えられるような曲を書いて、これからも演奏していきたい」と思いを伝えた。
今年がX JAPANのメジャーデビュー30周年という節目でもあることから、記者会見で恒例となっているニューアルバムについてもYOSHIKIは言及。記者から「平成が終わるまでには?」と問われると、「平成はもうすぐ終わっちゃう。だから新しい時代に向かって……次の年号に出すのはいいアイデアですね(笑)」と微笑んだ。さらにアルバムについては「自分たちで作品を出す意味、楽曲を作る意味のあるものにしたい。解散前に抱いていた世界に向かう夢。その夢は解散時に終わったと思ったが再結成のタイミングで世界へのドアを開けられる状態にあった。世界を視野に入れるのが大前提で、アルバムは一番いい発売タイミングを狙っている」と説明し、「ファンの皆さんにご理解いただけると」と付け加えた。