7月5日公開の映画「いちごの唄」の完成披露試写会が本日6月4日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの古舘佑太郎、石橋静河、和久井映見、岸井ゆきの、峯田和伸(銀杏BOYZ)、宮本信子と菅原伸太郎監督が登壇した。
岡田惠和が脚本を担当した本作は、銀杏BOYZの楽曲「漂流教室」「ぽあだむ」などをイメージソースにしたラブストーリー。1年に一度しか会えない“あーちゃん”を思いながら日々を暮らす主人公・笹沢コウタを古舘、あーちゃんこと天野千日を石橋が演じた。
本作が映画初主演作となった古舘はコウタの人物像をなかなかつかめなかったといい「何度も彼と喧嘩し、ある種の絶交宣言もしました」と振り返る。だが、石橋との顔合わせでその悩みは解決したことを明かし「頭で考えず、直感で演じろ!ということを学びました。作品でもコウタはあーちゃんを女神と崇めているんですけど、作品の外でも僕は石橋さんのことを女神だと思っております」と彼女を称賛した。
石橋は古舘との顔合わせについて「私自身不安だったんですが、古舘さんにお会いしたらコウタにしか見えず、チャーミングでユーモアのある動きをされるのでおかしくて、そこからコウタと千日の関係性が始まったような気がしています」と語って笑顔を見せた。そして、複雑なバックボーンを持つ千日役にのめり込み、考え込むこともあったと明かし「そういうときに峯田さんの音楽を聴いて本当に救われました。撮影中も撮影後も聴いて励まされていました」と峯田に伝える。石橋のコメントを聞いた峯田は恥ずかしそうに「よかったです、ありがとうございます」と頭を下げた。
小説版の原作者でもある峯田は、作品が完成した心境を「足かけ3年弱ぐらいかかって映画が完成して、無事“出産”できてよかったという気持ちです。岡田さんがお母さんで僕がお父さん。岡田さんが身を削って産んでくださって、産まれたぞ!って待合室で聞いて、ああ……よかったという感じ。うれしいです」と身振りを交えながら表現してみせた。本作が長編デビュー作となった菅原監督も「峯田さんがおっしゃる通り、子供のような作品なので本当にかわいいです。ちょっと不細工な部分があったり、コウタもヤバいところがあったりするんですが、共感やいろんな思いを持っていただけたらなと思います」と思いを語る。
最後に古舘は「僕が最初に銀杏BOYZの曲を聴いたのは15歳の頃でした。うまく説明できないんですが、うわーっていう感情があふれて部屋で1人で大暴れして、そんなこと人生で1回だけでした。青春とは説明できない感情が爆発するものだと銀杏BOYZに教えてもらいました。言葉にできない衝動をこの映画から感じてもらえたらと思います」と挨拶。石橋は「青春にはいろんな意味があって、青春真っ只中の方もいらっしゃると思いますし、こういうことあったなと思い返す方もいらっしゃると思います。自分の記憶に重ねて観ていただけたらと思います」と呼びかけていた。
(c)2019「いちごの唄」製作委員会