スペースシャワーTVが主催する野外ライブイベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2019」が、8月30日から9月1日にかけて山梨・山中湖交流プラザ きららで開催された。この記事では2日目の模様を中心に紹介する。
昨年までLAKESIDE、Mt.FUJI、FOREST、WATERFRONTの4ステージ制で開催されてきた「ラブシャ」。今年は木々に囲まれたGOOD VIBESが新たに加わり、5ステージでライブが行われた。FORESTにはズーカラデル、Hump Back、アルカラ、平井大、never young beach、OKAMOTO'Sが登場。GOOD VIBESではROTH BART BARON、ReN、D.A.N.、湖畔に設営されたWATERFRONTでは藤井風、松本大(LAMP IN TERREN)がパフォーマンスを披露した。この記事では会場内では最大規模のLAKESIDE、LAKESIDEの次に広大なMt.FUJIのライブの模様を中心にレポートしていく。
この日のMt.FUJIにはthe telephones、THE BAWDIES、KANA-BOON、Nulbarich、フレデリック、KREVAといったジャンルの異なるアーティストたちが登場した。再始動後初、4年ぶりの「SWEET LOVE SHOWER」出演となるthe telephonesは、「Monkey Discooooooo」「We are DISCO!!!」などテンションの高いディスコチューンで固めたセットリストを用意。石毛輝(Vo, G, Syn)はおなじみのハイトーンボイスで「おはようディスコ! 体力100%使って踊ろうぜ」と煽り、銀色のシャツを着用しさながら人間ミラーボールと化した岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)はステージを所狭しと暴れまくる。4人は観客のテンションを存分に高め、Mt.FUJIのトップバッターとしての役割を全うした。
「SWEET LOVE SHOWER」常連のTHE BAWDIESは、スーツをビシッと着込み颯爽とステージへ。ROY(Vo, B)の激しいシャウトでライブの口火を切り、「SING YOUR SONG」「JUST BE COOL」などの豪快で情熱的なロックンロールナンバーを爆音で奏でた。さらにライブの定番曲である「HOT DOG」を演奏する前には、“同期”the telephonesを巻き込んで小芝居を打つ遊び心を見せ、フィールド一帯に爆笑を巻き起こした。またKANA-BOONはサポートベースにシナリオアートのヤマシタタカヒサ(B)を迎え、「シルエット」を皮切りに、「盛者必衰の理、お断り」「バトンロード」など新旧の楽曲を力強く奏でる。中盤では「ラブシャ」を盛り込んだコール&レスポンスを繰り広げて一体感を強めたのち、アクセルを踏み込むように「フルドライブ」を投下し、全力で約30分強のステージを駆け抜けた。
Nulbarichのライブは「It's Who We Are」でスタート。JQ(Vo)の「自由に楽しんで」という言葉に応えるように、オーディエンスは体を揺らしたり、手を挙げたりしながら心地よいアンサンブルを全身で堪能する。JQ自身も楽器隊が作り出すグルーヴに身を委ねながら、「VOICE」や「Sweet and Sour」などで美しく伸びやかな歌声を響かせ、涼やかなひとときを観客に提供した。続くフレデリックのライブは、高速ビートが印象的な「KITAKU BEATS」で幕開け。三原健司(Vo, G)は「今日はまだまだやれるって人どれだけいますか?」と叫び、夕日が差し込み始めたステージで「イマジネーション」「シンセンス」「VISION」といった最新の楽曲を続けて披露。カラフルな照明演出が壮大な楽曲の世界を彩り、フィールドを埋め尽くすオーディエンスを魅了した。
Mt.FUJIのトリを務めたKREVAは、“ニューベストアルバム”「成長の記録~全曲バンドで録り直し~」からフルバンドを従え「パーティーはIZUKO? ~2019 Ver.~」「基準 ~2019 Ver.~」を続けて投下。「ここが日本で最高のラップ偏差値を記録してます。なぜなら俺がいるから!」と宣言し、新曲「無煙狼煙」で攻撃的な表情を見せる一方、JQとのコラボ曲「One feat. JQ from Nulbarich」や「音色 ~2019 Ver.~」といったメロウな楽曲でロマンチックなひとときを紡ぎ出した。
LAKESIDEにはNICO Touches the Walls、あいみょん、sumika、クリープハイプ、Perfume、[ALEXANDROS]6組が登場した。トップバッターを務めたのは、THE BAWDIESと同様に「SWEET LOVE SHOWER」常連のNICO Touches the Walls。4人は「手をたたけ」「THE BUNGY」というキラーチューン2曲を序盤に投下して、一瞬でオーディエンスのテンションを引き上げた。さらに、新曲のみで構成された最新アルバム「QUIZMASTER」より「MIDNIGHT BLACK HOLE?」「18?」の2曲をプレイする挑戦的な一面も披露。バンドの最新型をオーディエンスに印象付けて、最後は肩を組み深々とお辞儀をしてステージを降りた。
続くあいみょんは、観客を前に照れたような表情で「今日は楽しみにしてきました」と笑い、バンド編成で「愛を伝えたいだとか」「君はロックを聴かない」「生きていたんだよな」といったシングル曲を惜しみなく熱唱。そして「最後に1曲、大好きな花の歌を歌って終わりたいと思います」とラストナンバーとして「マリーゴールド」を届け、柔らかで温かな空気でステージ一帯を包み込んだ。
涼しい風が吹く中で現れたsumikaは、「ラブシャを信用してこの曲を1曲目に持ってきました!」という言葉に続いて「『伝言歌』」をパフォーマンス。その後も「Lovers」「Traveling」などのポップな楽曲を披露し、楽器隊の躍動感たっぷりのアンサンブルと伸びやかな歌のハーモニーを全方位に響かせた。中でも「ふっかつのじゅもん」では観客が大いに盛り上がり、その壮観な景色に片岡健太(Vo, G)が「こんなラブシャ、見たことない!」と驚くほどだった。クリープハイプは歌詞の一部を「ラブシャ」に変えて「鬼」をプレイしたり、西日が差し込むシチュエーションに似合う「ラブホテル」をプレイしたり、この日にふさわしいパフォーマンスを展開。ラストナンバーの「HE IS MINE」では、大勢の観客の「SEXしよう」のコールが盛大に響き、強烈な一体感が作り出された。
マジックタイムならではの美しい夕暮れが広がる時間帯に登場したのはPerfume。ピンク色の衣装に身を包んだ3人は、9月18日発売のベストアルバム「Perfume The Best "P Cubed"」に収録される新曲「ナナナナナイロ」や「無限未来」「FLASH」などで構成されたあ~ちゃん曰く「とっておきのセットリスト」をもとに息ぴったりのライブを繰り広げた。またあ~ちゃんは担当マネージャーがこの日をもってチームを離れることについて触れ、「いいライブをしたいと思ってるんさ!」と気合いの入ったパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。
そして、2日目のライブアクトのトリを担当した[ALEXANDROS]は、貫禄を感じさせるスケール感のあるライブを展開。勢いのあるサウンドが特徴の「Starrrrrrr」や「ワタリドリ」では大きなシンガロングを巻き起こし、ミディアムテンポの「アルペジオ」や「PARTY IS OVER」ではしっとりとした空気を会場に送り込んだ。川上洋平(Vo, G)は時折カメラを覗き込み、会場後方まで埋め尽くしたオーディエンスにアピール。磯部寛之(B, Cho)は憧れていたイベントでヘッドライナーを務める感慨を口にして、観客の大きな拍手を浴びていた。
3日間のイベントの模様は、10月5日(土)、12日(土)、19日(土)の計3週にわたってスペースシャワーTVにて放送される。
スペースシャワーTV「SPACE SHOWER TV 30TH ANNIVERSARY SWEET LOVE SHOWER 2019 Day1 / Day2 / Day3」
2019年10月5日(土)21:00~24:00
2019年10月12日(土)21:00~24:00
2019年10月19日(土)21:00~24:00