UPLINKが運営するオンラインシアター、アップリンク・クラウドにて、七尾旅人によるライブ映像作品「兵士A」の有料配信がスタートした。
「兵士A」は七尾が2015年11月に東京・WWWで行った同名公演を映像作家の河合宏樹が撮影・編集した作品。断髪した七尾が「近い将来数十年ぶりに1人目の戦死者となる自衛官、または日本国軍兵士」に扮し、100年間におよぶ壮大な物語を表現した。公演当日の演奏には梅津和時、舞台映像の制作にはひらのりょうが参加。配信にあたって七尾は「COVID-19によってライブ自粛を余儀なくされて以来、アップリンク・クラウドで世界中のさまざまなリアリティを映し出した作品群に触れることが、自分の僅かな楽しみのひとつとなり、この壁の向こう側と接続する、得難い機会にもなっていたので、今回『兵士A』がそのライブラリに加わったことを、心から嬉しく思っています」とコメントしている。
また6月1日から30日まで行われる東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科主催のオンライン展示「Alter-narrativesーありえたかもしれない物語ー」では、作品の1つとして東京藝大の学生が「兵士A」の素材を使用して制作した「Fragments of Soldier A」が展示されるので、こちらも併せてチェックしよう。
七尾旅人 コメント
COVID-19によってライブ自粛を余儀なくされて以来、アップリンク・クラウドで世界中のさまざまなリアリティを映し出した作品群に触れることが、自分の僅かな楽しみのひとつとなり、この壁の向こう側と接続する、得難い機会にもなっていたので、今回「兵士A」がそのライブラリに加わったことを、心から嬉しく思っています。
また以前のように、街角のライブベニューや映画館が、作品と受け手の間に生じる想像力で、満たされるその日まで。
実際の観客収容キャパシティを遥かに超えた、つよい想像力で、満たされるその日まで。
それぞれのデバイスを小さなスクリーンに変えて、すぐ隣りにあるもうひとつの現実の中へ、足を踏み入れてみて下さい。
存在と存在の狭間にそびえる強固な壁に、なんとか一筋の亀裂をいれようと試みるさまざまな表現と、それを希求してやまない人々に、祝福がありますように。
─── 七尾旅人