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大人の沼 ~私たちがハマるK-POP~ Vol.4 後編 アイドルからヒップホップまで、オカモトレイジが選んだ10曲(後編)

左からオカモトレイジ、土岐麻子。
5年以上前2020年10月30日 8:05

アーティスト土岐麻子が中心となり、さまざまな角度からK-POPの魅力を掘り下げていくこの連載。4回目となる今回はK-POP好きとして知られ、韓国のアーティストとも積極的に交流を重ねているオカモトレイジ(OKAMOTO'S)がゲストとして登場し、彼が作成した10曲のプレイリストを元に土岐とK-POP愛に満ちたトークを繰り広げている。後編ではレイジが「100点満点」と太鼓判を押す女性アイドルや、日本とは異なるバンド文化、レイジと現地アーティストの交流などについて語ってもらった。

取材 / 土岐麻子 文 / 岸野恵加 撮影 / 森好弘

いろんなことに思いを馳せる「ピンナリ」

オカモトレイジ 次はPENTAGON「Shine」か。俺的には「ピンナリ」(「Shine」の韓国語読み)はK-POP史上最高にいい曲です! 確実に5本の指には入りますね。

土岐麻子 この曲もだけど、プレイリストに挙げてくれた曲は、基本的にダンスミュージックでも3分台とか、短い曲が多いね。

レイジ K-POPはあんまり長い曲がないですよね。EDMっぽいのとかハウスっぽいのをやってても、あくまでポップスだという前提で作られてるから。いいメロディ、いい展開で、ツルッと聴けるところが好きなんです。玄人向けにしていない。

土岐 なるほど。

レイジ 「ピンナリ」は大ヒットしたのに、その直後にメインのイドンがいろんな事件があって辞めちゃったんです。イドンが別でやってたTriple Hっていうグループのメンバーでもある事務所の大先輩……というかK-POP界のリビングレジェンドのヒョナと熱愛報道が出て、事務所は否定したのにヒョナ自身が自分のインスタで交際を公表しちゃって。結局2人とも事務所を辞めることになっちゃったんです。そこからまた人気がちょっと下がってしまっていて。今PENTAGONは「Road to Kingdom」(ボーイズグループのサバイバル番組)に出たりしてるけど、この曲を聴くといろいろあったなあって思い出しますね……。

土岐 その騒動をレイジくんはリアルタイムで見てたんだね。

レイジ そうなんですよ。イドンが抜ける直前の「KCON JAPAN」で全員そろっているPENTAGONのピンナリを生で観ました。フイくんも兵役行っちゃいますし……でも最後に1位獲れてよかったです(泣)。

土岐 切ないけど、K-POPはメンバーの入れ替わりが激しいのも常なんだよね……。私、結局MONSTA Xを、ウォノがいる7人の状態で観れていないのが本当に悲しくて。

レイジ そっか。俺もMONSTA XのMONSTAの部分を担ってるのはウォノだと思うもんな……。

土岐 だいぶ担ってる(笑)。うちのお母さんもこの連載を読んでからMONSTA Xにハマってて、メンバーの名前はあんまり覚えてないんだけど、ウォノだけは印象が強いみたいで。「ウォノってもういないんだよね? あの子がいないなんて、大きな痛手じゃない?」って言ってくるの(笑)。やっぱりお母さんでも感じるんだ、って。

レイジ お母さん、わかってるなあ(笑)。

土岐 とはいえ、いまの6人体制のモネクのこともウォノのソロも全力で応援はしているし、これからもそうするつもりだけど。

100点満点のアイドル

土岐 次は……フロミスナイン?

レイジ fromis_9(プロミスナイン)。「プ」なんです!(笑) 「アイドル学校」っていうオーディション番組で生まれたグループなので、「フロムアイドルスクール」。そこに「最高のアイドルグループになるという『約束(promise)』を守る」っていう意味が加わってるんです。韓国語って、ぱ行とは行の発音が同じなんですよね。この「Love Bomb」って曲は、もう俺の中では100点満点って感じです。何気にアイドルの中では今一番好きかも。

土岐 めちゃくちゃ歌いたくなる曲だね。

レイジ これの前までの曲がモロにロリ美少女って感じで、曲はよかったんだけど、そこまでグッと来てなくて。何がいいって、一番ロリキャラだったジホンちゃんが、この「Love Bomb」で突然髪をバッサリ切って金髪にしたんですね。その垢抜け方がもう、エグくて。

土岐 (写真を見比べて)ああ、ホントだ、すごく変わったね! プロミスは、いかにもK-POPのガールズグループらしくて、初心者向けっていうか、すごく入りやすい気がするね。

レイジ そうですね。ハマりやすいと思います。毎回毎回、全員が「今までで一番かわいい」を更新してる。ナギョンは女の子受けするかわいさだと思うし、俺の推しのジソンは「Feel Good」のソロパートのメロディが本当にかわいくて最高。ジホンのラップもマジでアイドルラップすぎてたまんねえ……。

土岐 私はドラマ「サイコだけど大丈夫」を観てたから、ギュリちゃんだけ認識してます。看護師役を演じてて、かわいい子だなと思ってた。

レイジ ギュリは「PRODUCE 48」にも出てたから、一般的な知名度は一番高いかもしれないですね。でも日本ではまだまだ知られてないんですよね、fromis_9……。とはいえサンプラ(中野サンプラザホール)完売くらいの人気はありますけど(笑)。

土岐 私はガールズグループだと、どっちかというとBLACKPINKとかMAMAMOOとか、ガールクラッシュ感があるグループが好きで。こうやっていわゆるアイドルっぽいのを聴いてみて、入門としていいなあと気になりました。

レイジ ガールズグループなら、俺はホントはRed Velvetがイチ推しなんですけどね。もうすでにかなり知られてるし、ここであえてしゃべるまでもないかなと。

クルーの乱立具合が半端ない

土岐 次はIcey Blouieの「Make You Smile(feat. Futuristic Swaver)[Prod.Dayrick]」。これはまたヒップホップかな。

レイジ そう。俺の友達なんですけど、このMVを観てほしいんです。今年の頭に自分が福岡でイベントをやって、Icey BlouieとそのクルーのSTAREXに出てもらったんですけど、このMVはそのときに撮ったやつなんです。なので俺も出てます。曲が切なくて、コロナの自粛期間中に「また一緒にパーティしたいね」ってやりとりしながら観たら、めっちゃ感動しちゃって。涙なしでは観られないMVになりました。

土岐 年代もレイジくんと近いのかな?

レイジ もっと若くて、23くらいですね。STAREXは、顔までタトゥー入ってたりするけど普通にみんないい奴なんですよ(笑)。今日俺が着てる服もIceyが作ってるやつです。

土岐 どういうきっかけで友達になったの?

レイジ クルーの中のFuturistic Swaverっていう奴が、日本人のラッパー・TYOSiNと一緒にやってる「YABAI」って曲の映像を観たのが最初なんですけど、その中で「ぽんぽんうぇいうぇい」って、きゃりーぱみゅぱみゅのサンプリングをしてるところがあって。「きゃりーちゃんもデビューしてもうすぐ10年だし、1周して韓国のこういうアーティストにもカッコいいって思われてるんだな」ってけっこう感慨深くて、インスタのストーリーに載せたんです。そしたらFuturistic Swaver本人から「ありがとう!」って反応があって。「俺、きゃりーちゃん友達だから、本人にも聴かせておくね」って伝えたら、「それはヤバい!」ってぶち上がってくれて、東京に来るタイミングで会うことになったのが始まりでした。

土岐 へえー。インスタでつながるんだね。

レイジ 俺はインスタのDMをめっちゃフランクに使ってますね。それで東京に来たときにまんだらけに連れて行ったり。

土岐 楽しそう(笑)。

レイジ がんばって英語でしゃべりました。そのとき一緒に来てたSTAREXのもう1人、Flavordashは俺とタメだったので、兵役に行った話とかもしてくれて。近しい距離感で話を聞くと、徴兵制度をすごくリアルに感じたり。そのあとも、俺が韓国に行ったときに遊んだり、彼らが普段過ごしてる街を案内してもらったり。ここでパッピンスを食うとか、THE HENZっていうクラブに行ったあとはここで牛肉鍋を食う、とか。

土岐 いい関係だね。そういうヒップホップの世界について、私もすごく知りたいんです。以前、MONSTA Xの流れでいろいろ聴いてCosmic Boyっていう人にたどり着いたんだけど、その人の曲が全部すごく好きだったの。コンポーザーというかトラックメイカーというか、とにかく曲を作る人だから、歌う人はフィーチャリングで1曲ずつ違うんだけど、その中でOLNL(オルネリム)っていう声が低い男の子が歌ってる曲がすごく気になって。レイジくんに聞いてみたら、最初は「知らない」って言われたんだけど。

レイジ 2人のユニット名(areyouchildish)で聞かれたから最初はわかんなかったんです。OLNL、Cosmic Boyと言われたら「ああ、会ったことあるわ!」って。その2人は、WYBH(ウジュピヘン)っていうクルーに属してるんですよ。

土岐 WYBH、すごく気になってる。

レイジ WYBHにはGiriBoyとかKidmilliがいるんだけど……なんか、クルーの乱立具合が半端なくて。日本で言うとKANDYTOWNとかCreative Drug Storeとかと同じ概念なんだけど、そこがごちゃごちゃに混ざっちゃってるんですよ。

土岐 だからかな。「このシーンについて知りたい」と思ってネットを駆使しても、なかなか全体像がつかみづらくて。

レイジ 現地に行かないと難しいところはあるかもしれないですね。でもWYBHはそれぞれが有名になりすぎちゃって、自然消滅しかけちゃってるかも。直近の動きなんだけど、OLNLも、前編のオメガ・サピエンのときに話したレーベル・Wedapluggのメンバーになったんです。だから今後けっこう動きがあるかもしれないですね。だいたい新人のラッパーはWedapluggにいるんですけど、IndigoにはKidmilliとかNO:EL、Justhisがいて、みんな近いようで遠いようで近い、みたいな。それこそ国土の狭さを物語っていると感じますね。オーバーグラウンドもアンダーグラウンドも、だいたいみんな友達だったりするので。ジャッキー・ワイも土岐さんにおすすめしたいですけどね。V系っぽいバンギャの格好してるけど、曲もラップも超カッコいいんですよ。声が特徴的で、顔もかわいいし。

土岐 チェックしてみる! それにしても、レイジくんが交友関係を広げていくコミュニケーション力は素晴らしいなあ。

レイジ 海外の人って日本人と違って、むしろ知らない人と交流することを目的にSNSをやってると思うんですよね。俺はもともと日本人的な感覚を持っていたので、フランクにSNSを使えるように努力しました。HYUKOHのボーカルのオ・ヒョクとも、インスタでフォローされてたことから3、4年前にDMして交流が始まって。「普通に海外のアーティストと交流できるんだ」って実感が湧いたんですよね。まともに話せる共通言語もないまま2人で遊んだりするのはめちゃめちゃ緊張しましたけど、そういう状況に置かれると、「音楽って言語だな」と改めて実感しました。

土岐 確かに私も、プレイリストを作ってタグ付けしただけで、カナダ人のカリテクニスがフォローしてくれたり、 LAのユニット・The Bird And The Beeが反応してくれたりしたときは「うれしい!」って思ったなあ。

レイジ 出会い方がリアルと違うだけで、結局のところは変わらないつながりを築けるんですよね。

土岐 そうやってフレンドリーでつながりやすい雰囲気が醸成されるのにも、韓国の国土の狭さが影響してるのかな。日本ではアイドルはアイドルの世界っていうのがしっかりあると思うんですけど、韓国はプロデューサー陣とか、ゲストボーカルで呼ばれている人とか、あんまり垣根がない感じ。すべてがつながっている気がする。だから今回作ってきてくれたプレイリストにも、それがすごく表れている気がして、納得感がありました。

100点の演奏を再現し続けるバンド

土岐 次のSe So Neonもレイジくんのお友達なのかな?

レイジ 俺は全然交流がなくて、ヨギー(Yogee New Waves)がよくツーマンやってますね。すっごいうまくてカッコいいんですけど、1個だけ気になっちゃう点があって。彼らはライブで絶対にクリックを聴いて演奏するし、毎回同じフィルを入れたりするから、そこがちょっと物足りないんですよ。「今日めっちゃ走ってる」「もたってる」とか、そういうのを感じるのがバンドのライブ特有の面白さだと思うんですけど。それがない。HYUKOHもそうなんですけど。

土岐 うますぎるってこと?

レイジ それもあるし、限界を超えようとしないっていうのかな。「今日このバンド、なんかテンションヤバかったね」みたいなのがないんです。

土岐 なんでクリックを聴いて演奏するんだろう? 同期してるのかな?

レイジ それもあるだろうけど、エンタテインメントの基準になっているところが日本とは違うんでしょうね。“ゆらぎ”の部分の面白さが、おそらく韓国にはないんですよ。

土岐 それはなんだかわかるかも。私も15年くらい前に韓国の音楽番組でジャズを歌ったときに、あちらのテレビ局が用意してくれたジャズミュージシャンのプレイが、揺れがなくてかっちりしてて。歌いやすいっちゃ歌いやすいんだけど、なんだかよくできたカラオケみたいだったんだよね。そういう文化があるのかなあ。

レイジ 100点の演奏を再現し続けるっていう。そこがなんというか、韓国でロックバンドが突出してこない要因なのかなと。オ・ヒョクに「日本はロックバンドが活躍するシーンがあってうらやましい。韓国はアイドルとヒップホップしかないから」って言われたこともあります。

韓国でレジェンドになっていたOKAMOTO'S

土岐 ついに最後の曲になりました。キム・アイルの「Somethin' New」。

レイジ キムは、彼が作る音楽が好きでインスタをフォローしたら「なんで君みたいな有名アーティストが僕のことをフォローしてくれたんだ?」ってDMをくれて、「ええ?」と(笑)。

土岐 OKAMOTO'Sのファンだったってこと?

レイジ 話を聞くと、Jazzy Ivyっていう韓国のレジェンドDJが10年くらい前に世界中を旅して各地で大量にCDを買って帰った中に、OKAMOTO'Sがたまたまチョイスされていて、それがThe Cohort所属のCoke Jazzやキム・アイルの手に渡り、一時期めっちゃ聴いてたらしいんですよ。それでキムから「OKAMOTO'Sは韓国の俺ら世代ではちょっとしたレジェンドだよ。ここ最近のバンドに欠けているピュアなフロウがある」って言われました。さっきの韓国のバンドシーンに通ずる話かもしれないですね。俺たちが17歳の時に出したインディーズ盤が韓国で聴かれてるなんて本当にびっくりです。ちなみにそのとき日本のCDでほかにチョイスされてたのはOOIOOだったみたいです(笑)。

土岐 そうなんだ。キムの声って、韓国人にしてはちょっと珍しい感じだね。日本だといそうな気もするけど、韓国語でこの雰囲気は珍しい。

レイジ そうなんですよ。声が独特でいいんですよね。

「嘘みたいだけどリアル」な距離感がいい

土岐 これで完走しました。レイジくんが、選びきれない中から10曲にとりあえず絞ってきてくれた、ということはとてもよく伝わりました(笑)。

レイジ うん、オススメの曲なんていくらでもあるけどどうしようかな、と思いながら、なんとか選んできました(笑)。土岐さん、何か発見はありましたか?

土岐 ものすごくあった! EVERGLOWとfromis_9を知って、もっとガールズグループも深く聴いてみようと思ったし、今一番知りたかったヒップホップのシーンについても、マップを示してもらった感じ。私の場合は、たぶん韓国に生まれてあちらに住んでたら、そのあたりに興味を持たなかったと思うんですよ。一番自分から遠い感じがある世界だから。日本にいて、絶妙な距離があるから興味を持った。だからこそときめきがあるのかもしれない。

レイジ 隣の国で、人々の外見もほぼ一緒なんだけど、使っている音が全然違う。嘘みたいだけどリアル、っていう距離感がすごくいいんですよね。惹き付けられるものがある。

土岐 あと、韓国語は言語的に、ラップがめちゃくちゃ映えるでしょ。音の抑揚とか弾ける感じが、英語とも日本語とも違って独特で、それがラップになったときにひたすら気持ちいい。逆に、日本語のラップを外国の人が聴いたらどう思うんだろう?とも思うけど。

レイジ でも韓国のアーティストからも、「日本のこのアーティストと一緒にやりたいから連絡先を教えてくれ」ってちょいちょい連絡が来るんですよ。向こうも向こうで日本のシーンが気になってるんじゃないですかね。ナタリーでもこの間、渋谷系が韓国のシーンに与えた影響について書いたコラムがありましたよね。あれ、面白かったっす(参照:渋谷系を掘り下げる Vol.11 韓国のポップミュージックへの影響)。

土岐 私も読んでみよう。レイジくんは、DJじゃなくバンドとして韓国でライブをやったことはあるの?

レイジ  1回だけあるけど、そのときはサマソニの流れでアーティストが来るフェスだったから、あんまりコミットできなかったですね。遊びに行ったクラブでは、盛り上がり方がすごいなと思いましたけど。街中で流れるBGMの音量もすごいデカいし(笑)。

土岐 国民性が出てる(笑)。聞いた話だと、韓国はタクシー代が安いから、夜中のクラブ文化が盛り上がってるって。飲食店も夜中までやってるから、夜中まで遊べる土壌があるんだよね。

レイジ これは音楽とは関係ないんですけど、釜山のBALANSAっていうブランドの服を韓国で買ってきてインスタで紹介したら、「ありがとう! いろいろ送るから住所教えて!」って連絡をくれたんですね。で、Tシャツとかをクソ大量に送ってくれて。俺からも自分たちのレコードとかグッズとかを送って、関係を築いてきたんです。そしたらある日突然、俺の名前が入ったオリジナルのAirPodsケースとかTシャツとかを、50枚くらい作って送ってきてくれたんですよ。営利目的じゃなくて、「レイジは兄弟だから」って。

土岐 (実物を見て)かわいい! レイジってハングルで書いてあるんだ。これはすごくうれしいね。

レイジ 日本でもこのブランドが最近流行ってきて、「レイジのおかげだから、いつもサポートありがとう」って言ってくれて。決して俺のおかげとかではないんですけど。事務所とちゃんと相談して、オフィシャルコラボとして一緒にグッズを作ったりもしました。韓国は、そういう兄弟意識みたいなのがすごいなってあらゆるところで感じますね。

土岐 いろいろお話して、韓国にすぐにでも飛んで行きたくなっちゃいました(笑)。今日は本当にありがとう!

新沼のコーナー

こんにちは、土岐麻子です。

前回から新沼のメールフォームを設置したところ実にたくさんの沼呼び込みが届きまして、感動しているところです。ありがとうございます。

すべて目を通していて、すべてを紹介したいと思いながらも、まず今回はうさこさんからのStray Kidsを。

結論から言うと、こちらのMVを最初に観て、数十秒でいきなり沼に頭から突き落とされました。(日本語字幕をONにして観てください)

冒頭数カットの静止画で「あれ? コレまだ広告か?」となった直後に音がブレイクして「はいお客様~」からの厨房ラップ、そしてカラスがバササ……え、アイドルのMVにカラス!? 歌詞にもカラスって出てきたぞ……。

そのあとも登場するのはコック帽だったり防護服だったり、カーレースの整備をするのは女学生だったり、とにかく変。最高に変で最高。

シュールな世界観は脱力的な表現と相性よかったりしますが、この方たちはシュールさの中で全力に爆発してて、気づいたら私は爆笑をしていました。この爆笑はモネクとの出会い(「Shoot Out」のリレーダンス)のときにも飛び出しましたが、どうやら素敵なものに出会うと出るようです(モネクにはそのあと深い沼に沈みました)。

カメラワークのめくるめく感じも世界を作っていますね。私はビョークの初期の映像集が大好きなんですが、「Bachelorette」(ミシェル・ゴンドリー監督)や「It's Oh So Quiet」(スパイク・ジョーンズ監督)の中毒性に通じる魅力があると感じたりも。

うさこさんいわく「楽曲やダンスがすごくユニークで個性的なグループです。振り付けも面白くてみていて本当に飽きません。数多くいるK-POPグループの中でもなかなか異彩を放っているグループだな~と思います」とのことですが、本当にそうですね。仕上がり方が異彩過ぎますね。

そうこうしてるうちに「俺は五つ星、ミシュラン」と低音ラップする人の声に「めちゃいい声」とハッとなりましたところ、うさこさんのメールに「特に飛び道具的なフィリックスの歌声! 最初に聞いた時は本当にびっくりしました。彼がいるのといないのとではだいぶん印象が違うのではないかと思います」との記述があることを思い出し、調べてみるとまさに彼でした。

先の曲の世界があまりに好きになったのでもうひとつ観てみました。

この映像の始まり方ったら!

まるで殺戮旅行劇のフラグだよ!

美しい男の子たちのさわやかな映像の使い方が最高ですし、そのコントラストをつくるメンバーの皆さんの表現力も素晴らしいですね。

ダンスの振り付けのセンスも創作的で冴えててかっこいい。

うさこさんはもうひとつ、Red Velvetの「Psycho」のカバー映像も送ってくれたのですが、そちらは色っぽい表現力が素敵でした。大好きな曲なのですが、そもそもの選曲センスにもグッときたりして。

曲、歌詞、ダンス、映像。それらがひとつとしてブレなく仕上げられて作り出すコンセプト、そしていろんな顔を持っていそうなメンバーの魅力。

無事、新沼にハマりました。ありがとう、うさこさん。

このコーナーでは、私をこれから新しいK-POP沼にハマらせてくれる情報を引き続き募集します。こちらのフォームから、ぜひあなたの沼を熱くプレゼンしてください。

土岐麻子

1976年東京生まれ。1997年にCymbalsのリードボーカルとして、インディーズから2枚のミニアルバムを発表する。1999年にはメジャーデビューを果たし、数々の名作を生み出すも、2004年1月のライブをもってバンドは惜しまれつつ解散。同年2月には実父にして日本屈指のサックス奏者・土岐英史との共同プロデュースで初のソロアルバム「STANDARDS ~土岐麻子ジャズを歌う~」をリリースし、ソロ活動をスタートさせた。2007年11月にアルバム「TALKIN'」でメジャーデビュー。ユニクロのCMソング「How Beautiful」や資生堂「エリクシール シュペリエル」CMソング「Gift ~あなたはマドンナ~」などで注目を集め、さまざまなアーティストとのコラボレーションでも評価を集めている。2019年10月にソロ通算10作目となるオリジナルフルアルバム「PASSION BLUE」を発表。2020年7月にテレビアニメ「『フルーツバスケット』2nd season」第2クールのオープニングテーマ「HOME」を配信リリースした。

TOKI ASAKO OFFICIAL WEBSITE
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オカモトレイジ(OKAMOTO'S)

1991年東京生まれ。中学校からの同級生4人で結成されたロックバンド・OKAMOTO'Sのドラマー。DJとしても活動するほか、「YAGI EXHIBITION」を主宰しエキシビションのキュレーションも行うなど、幅広い活躍を見せている。OKAMOTO'Sは2019年6月に東京・日本武道館にてワンマンライブ「OKAMOTO'S 10th ANNIVERSARY LIVE "LAST BOY"」を開催。2020年は4月に初のベストアルバム「10'S BEST」、8月に6曲入りの音源「Welcome My Friend」をリリースしている。

OKAMOTO'S OFFICIAL WEBSITE
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