ドレスコーズのワンマンライブ「12月20日のドレスコーズ」が昨日12月20日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで開催された。
毎年12月のクリスマス前後には恒例のワンマン公演を行っているドレスコーズ。今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響により一部日程が中止となったツアー「IDIOT TOUR 2020」より、愛知公演「NAGOYA QUIET」と大阪公演「OSAKA RIOT」の内容をダイジェスト形式で披露するものとなった。
この日のライブは2部構成となり、第1部は“QUIET”パートとして実施。“静かな静かな演奏会”をテーマに掲げ、志磨遼平(Vo)、菅大智(Dr / ex. ドレスコーズ)、有島コレスケ(B)、中村圭作(Key)、伊藤彩(Violin)、福島健一(Sax, Banjo)の6人体制でのパフォーマンスとなった。SEなしの静かな状況の中バンドメンバーが入場し、「でっどえんど」の演奏が開始されると、志磨もステージに登場。彼は拡声器を用いて歌ったり、紙吹雪を撒きながらステージ上を練り歩いたりと、トム・ウェイツを彷彿とさせるステージングを繰り広げた。
打ち込みをメインに据えた「もろびとほろびて」ではピアノサウンドと有島のコーラスを前面に押し出したり、ストレートなロックナンバー「Trash」ではサックスやバイオリンの美しい音色がたっぷりと盛り込まれたりと、各楽曲は大胆なアレンジを施してのプレイとなった。そして「欲望」で志磨は「2020年のおしまいに、祈りを込めて歌います」と告げ、波乱に満ちた1年を過ごした人たちを労うよう、穏やかに歌声を響かせた。そんな中「銃・病原菌・鉄」で志磨がメンバー紹介を終えると、突然演奏がストップし会場は暗転。そのまま第1部の幕は閉じられた。
しばしの休憩を挟み、第2部の“RIOT”パートは志磨、菅、有島、越川和磨(G / ex. 毛皮のマリーズ)、ケンゴマツモト(G / THE NOVEMBERS)の5人体制へとチェンジ。第1部とは打って変わり、2本のギターサウンドを生かした轟音でのパフォーマンスとなった。志磨たちは前半、「人生」「アンダー・マイ・ヘア」「ロマンチック」とインディーズ時代の毛皮のマリーズの楽曲を中心にプレイ。越川とケンゴは激しくギターを引き倒しつつ、縦横無尽にステージを動き回るアグレッシブな立ち回りを見せた。
「ボニーとクライドは今夜も夢中」「トートロジー」といったメジャー期のナンバーが披露されると、客席は拳を突き上げる人でいっぱいに。そんな観客たちの熱気に応えるかのように、「ビューティフル」はオリジナル版よりも遥かにテンポアップしたアレンジとなり、オーディエンスを圧倒した。さらに各メンバーのステージングもどんどんと熱を帯びていき、「世界のトップ」では志磨がステージ上を転がったり、マイクを咥えたりとどんどんパフォーマンスが過激化。彼らはそのままの勢いでラストナンバー「(This Is Not A) Sad Song」をハイテンションに届け、アンコールおよびMCなしのストイックなスタイルでライブを締めくくった。
現在Streaming+では「12月20日のドレスコーズ」のアーカイブ映像を配信中。チケット購入者は12月24日(木) 23:59まで視聴できる。
ドレスコーズ「12月20日のドレスコーズ」2020年12月20日 恵比寿ザ・ガーデンホール セットリスト
第1部 QUIET
01. でっどえんど
02. 嵐の季節(はじめに)
03. エリ・エリ・レマ・サバクタニ
04. センチメントがお好き?
05. バルバラ・ソング
06. もろびとほろびて
07. Trash
08. ゴッホ
09. 欲望
10. 銃・病原菌・鉄
第2部 RIOT
01. 人生
02. アンダー・マイ・ヘア
03. ロマンチック
04. ACボーイ / DCガール
05. ボニーとクライドは今夜も夢中
06. アンプリファイヤー
07. トートロジー
08. ビューティフル
09. コミック・ジェネレイション
10. 世界のトップ
11. (This Is Not A) Sad Song