椎名林檎、演出振付家のMIKIKOらがクリエーティブ・ディレクターを務める「東京2020オリンピック・パラリンピック」開閉会式総合演出チームが、新型コロナウイルス感染拡大を受けた演出の見直しに伴い解散することが発表された。
これは本日12月23日、東京都内で行われた会見で明らかになったもの。2018年7月の演出チーム発表時には、椎名やMIKIKOのほかチーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターとして式典全体の総合演出を手がける狂言師の野村萬斎、オリンピックの式典を担当する映画監督の山崎貴、パラリンピックの式典を担当する佐々木宏氏、映画プロデューサーの川村元気ら8人の参加がアナウンスされていた。
会見には野村のほか、東京2020組織委員会専務理事・事務総長の武藤敏郎氏、そして式典の総合演出を受け継ぐ佐々木氏が登壇した。冒頭、武藤氏は今回の体制変更について、大会延期や社会状況の変化を経て大会の簡素化について議論する中、開閉会式の演出企画のゼロベースでの見直し、効率的な準備のために新たな体制の構築が必要という結論に至ったと説明。今後は今年7月に行われた開会1年前プログラムの演出企画も担った佐々木氏が、開閉会式の総合企画・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターを務める。
武藤氏は任を解かれる総合演出チームの7人に向けて「組織委員会から、心よりの感謝と最大限の敬意を表します」と語り、野村は「企画に立ち会ってきたクリエーティブ・ディレクターやスタッフに感謝を申し上げたい。迅速な判断が求められる今の状況では機動力や効率を上げることが最優先であると同意しました。いろいろなものを作り上げてきたところで白紙になるのは苦渋の決断ですが、これが一番の対応だと思っています」と、総合演出を離れるにあたっての思いを明かした。「我々が積み上げてきたものを佐々木さんも受け取って、十分に発揮してくださると思います」という野村からのエールを受けた佐々木氏は「7人の皆さんとこれまで大変楽しい時間を過ごしてきました。皆さんの思いを受け継いで、コロナがあったからこその新しい式典のアイデアを出し、大きくなってきた(オリンピックの)式典のイメージを変えていきたいです」と語った。