NILKLYが1月22日に東京・clubasiaでワンマンライブ「RENWA CHU-TIE~猫背の君がめずらしく星を数えていた」を開催した。
このライブは昨年5月に加入した長門蓮の“中退”ライブ、すなわち現体制ラストライブとして行われたもの。この日に向けてパフォーマンスを仕上げてきたメンバーは、1曲目の「2Sound Down」から力強い歌唱とダンスをファンにぶつける。続く「Apathy」では長門が「夜に置き去りにしてかないで」と歌うソロパートで感極まり声を詰まらせてしまう場面もあり、ほかの3人の歌唱も序盤から熱を帯びていく。小笠原唯のエネルギッシュな歌い出しで始まった「Fact or Fable」、リバーブがかったボーカルで囁く「Night is Yours」、ポジティブなメッセージが込められた「I Heart U」、不穏なシンセベースの「REM」が畳みかけるように披露されたところで最初のMCへ。「本日はお越しくださり、誠にありがとうございます」とかしこまって挨拶した長門に続いて、小林潤は「今日はニコニコ蓮蓮のお別れ会。最初から終わりまで全部、鮮烈に記憶に残るようなライブに……思い出に残しましょう」と語った。
哀愁漂うイントロの「Hash Up」でパフォーマンスを再開した4人は、もう会えない相手に「Sey Hello Hello Hello」と思いをつなぎ止めるように歌い、立ちきれない腐れ縁を吐き捨てるように表現する「Anything」を続けて披露。「c.a.n.d.y.」でフロアをヒートアップさせると、CMJKが提供したポップチューン「DAY DREAM」でハッピーなムードを生み出していく。そんな中、銃声で始まる定番曲「Odyssey」ではメンバーがおもちゃのピストルを掲げて熱唱したが、長門だけがピストルを見失ってしまい、指で表現することに。またメンバーが1人ずつコメントするパートでは、感謝を伝えようとするものの地声が低いためオケにかき消されてしまった長門を、伊吹咲蘭が「なんて言ってるかわかんなかったね!」といじり、仲のよさを垣間見せていた。
「拳銃なくてですね……」とステージをウロウロし、笑いを起こした長門は、ここでファンに向けた手紙を朗読し、涙ぐみながらデビュー当時の不安や、ファンに支えられてきたことを語る。
「みんなが長門蓮がNILKLYに入ってくれてよかったと思っていてくれたらうれしいです。私は元から明るい人ではなかったから、アイドルじゃないときの自分をブログに書いたりすると常に暗い文章になってしまって。それでも“ブログが面白い”って言ってくれる方がいてうれしかったです。暗い私でもいいよと言われてるみたいで、これでもいいのかなと思えました。私はライブ中すごい楽しくて笑顔になっちゃって、明るい人って思われてたかもしれないんですけど、全然暗い人です。だけどアイドルを始めてから明るくなれました。みんなのおかげです」
そして“中退”後の個人の目標を語った彼女は、「私のことを知ってくれたり、好きになってくれたり、本当にありがとうございました。みんなに出会えてよかったです」とファンに伝え、「私はいなくなってしまうんですけど、3人とNILKLYをよろしくお願いします」と呼びかけた。
ライブ終盤、NILKLYは今月リリースしたばかりの「Like a Bending Spoon」を皮切りにパフォーマンスのボルテージを上げ、「Icecream」「Block System」「Manic Panic」を連発した。そして最後に長門の曲振りで「KANWA Q-DIE」がスタート。壊れていく関係や別れを連想させる言葉がアップテンポのモータウンビートに乗せて歌われる中、ファンが用意したサイリウムにより会場は長門のイメージカラーである青い光に包まれた。人見知りのため、なかなか信頼し合えない時期が続いたものの、時間をかけて本当の仲間になっていった4人のNILKLY。その力を出し切ってパフォーマンスを終え、残る3人とメッセージを送り合った長門は「どこかで見つけたら話しかけてください。みんなのことが本当に大切です。今までありがとうございました」とファンに改めて感謝し、手を振りながらステージをあとにした。YouTubeでは本公演のアーカイブ映像を公開中。
NILKLY「RENWA CHU-TIE~猫背の君がめずらしく星を数えていた」2022年1月22日 セットリスト clubasia
01. 2Sound Down
02. Apathy
03. Fact or Fable
04. Night is Yours
05. I Heart U
06. REM
07. Hash Up
08. Anything
09. c.a.n.d.y.
10. DAY DREAM
11. Odyssey
12. Like a Bending Spoon
13. Icecream
14. Block System
15. Manic Panic
16. KANWA Q-DIE