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のっちはゲームがしたい! 第10回 平岩康佑さんの実況を生で聞くべく、Crazy Raccoonオフィスで「Apex Legends」に挑戦しました

Crazy Raccoonオフィスでゲームをするのっちさん。
約4年前2022年02月18日 9:05

ゲームが大好きなPerfumeののっちさんが、ゲームに関わるさまざまな人々に会いに行くこの連載。今回は“日本初のeスポーツアナウンサー”として知られる平岩康佑さんとお会いして、eスポーツ実況中継というお仕事についていろいろなお話を聞いてきました。

平岩さんに実際にゲームの実況・解説をしているところを見せてもらうために、のっちさんが訪れたのは、プロゲーミングチーム・Crazy Raccoonのオフィス兼ゲームスペース。まずは平岩さんへのインタビューの前に、のっちさん自ら「Apex Legends」をプレイし、その様子を実況してもらうことになりました。

※この取材・撮影は2021年11月末に、感染対策を講じたうえで実施しました。

取材 / 倉嶌孝彦・橋本尚平 文 / 橋本尚平(取材後記は除く) スチール撮影 / 上山陽介 動画撮影・編集 / 宮田航輔 ヘアメイク / 大須賀昌子 題字 / のっち

目次

Crazy Raccoonに到着! そこにいたストリーマーは……?

秋葉原にあるCrazy Raccoonのオフィス兼ゲームスペースに到着したのっちさん。今日は自分もゲームをプレイする企画とあって気合い十分です。

こちらが平岩康佑さん。2011年に朝日放送に入社してテレビアナウンサーとしてスポーツ実況などの第一線で活躍しますが、ゲームが好きすぎて2018年に退社し、eスポーツアナウンサーへと電撃転身。日本初のeスポーツ実況事務所・ODYSSEYを設立しました。

平岩さんに案内してもらいながら、まずはオフィス内を見学。Crazy Raccoonのスタッフの皆さんは、基本的に在宅で仕事をしているそうですが、この日は主催の大会「CRカップ(Crazy Raccoon Cup)」が近いこともあり、マネージャーやグッズ担当者が作業をしていました。のっちさんは皆さんに挨拶しつつ、「CRのグッズ、かわいいんですよねー」とグッズ担当者に声をかけます。

ゲームスペースは2部屋あり、片方は選手たちの練習用。磨りガラスで囲われていて外から見えないようになっています。そしてもう片方は一般開放エリアで、誰でも無料でゲームを楽しめる場所にする予定だったそうですが、コロナ禍になってしまったため、あまりそういう使い方はされていないみたいです。

ちなみにCrazy Raccoonのオフィスが秋葉原にやってきたのは昨年4月ですが、今年春頃には渋谷に引っ越すとのこと。200坪ある体育館のようなスペースに大量のCRコラボPCが設置される予定で、プロ選手やストリーマー(配信者)だけでなく一般の人も、スポンサーであるロジクールの新製品を触りながら無料でゲームができるそうです。のっちさんは「渋谷だったら行きやすいですね。事務所から近いし。ウチの回線の調子が悪いときにお邪魔したいです(笑)」と興味を示していました。

今回は平岩さんに実況してもらうため、Crazy Raccoonに所属するストリーマーの、カワセさんとFranciscoさんにもゲームプレイヤーとして来ていただきました。カワセさんはかつてプロゲーマーとして「Apex Legends」で日本1位、世界5位という輝かしい戦績を残しており、一方Franciscoさんは過去に「Fortnite」にてデュオモードでの勝率がアジア1位という記録を収めています。2人を見つけたのっちさんは「わっ! カワセさんとシスコさんだ! よろしくお願いします!」とうれしそうに挨拶しました。それではさっそく、2人にゲームをプレイしてもらいましょう。

開始前からバチバチ!カワセさんとFranciscoさんの1対1の撃ち合いを実況

今回プレイする「Apex Legends」はアメリカのエレクトロニック・アーツが配信しているバトルロイヤルFPSゲーム。オンラインで3人1組のチームが20組集まって戦い、最後の1チームになるまで生き残ることを目指します。

のっちさんは普段FPSでもPlayStation 5のゲームコントローラーでプレイしているので、PCのキーボードとマウスでプレイするストリーマー2人に興味津々。多くのゲーマーはマウスを激しく動かしてもはみ出さないように大きなマウスパッドを使っており、のっちさんは2人の手元を覗き込んで「見たことないくらいデカいマウスパッドですね。ウチにあるやつの4倍以上あります」と驚いていました。

ちなみに、カワセさんのマウス設定は振り向き28cm(マウスを28cm動かすと真後ろを向ける)というローセンシ(低感度)。マウスを大きく動かさないと視点が動かないので、ゲーム中は周囲のパーティションにぶつかるくらいの勢いで手を振り回します。一方のFranciscoさんは、最近は10cm程度でプレイしていますが、以前までは1cmという超ハイセンシ(高感度)だったそう。のっちさんに「えっ! 振り向き1cm? それでどうやって撃ってるんですか?」と聞かれたFranciscoさんは、実際にその設定でほとんど手を動かさずに弾を命中させてみせ、のっちさんは「すげー!」と声を上げました。Franciscoさんによると「腕にはいいですよ。疲れないんで。カワセの場合は腕をすごく動かすから疲れちゃうんですけど」とのこと。

※参考:カワセさんの手元動画。
※参考:Franciscoさんの手元動画。

まずは射撃訓練場でカワセさんとFranciscoさんに2人で撃ち合ってもらい、その様子を平岩さんに実況してもらうことに。ルールはBO5(3マッチ先取)で、互いに持つ銃はCAR SMGの1丁のみ。あくまで平岩さんの実況を聞くことを目的にプレイするゲームなのですが、2人は開始前からバチバチの雰囲気を漂わせています。

Franciscoさんがグレネードを投げ、その音が鳴ったら一騎打ちの勝負がスタート。すかさず平岩さんが「さあCrazy Raccoon新旧世代交代決定戦! Francisco対カワセ!」「カワセは20歳になったばかり。そしてFranciscoは26歳。Crazy Raccoonの中では最年長の部類に入ります。その先輩の意地を見せられるか!?」と前口上を述べ始めました。

「ダメージはほぼ互角! ただ、カワセのほうが少しダメージは大きい! ここは先輩Franciscoがリードか!? 上を取ったのはカワセだが……体力的に厳しい! まずは先輩Franciscoが先手を打ちました! 1対0とリードです」

「カワセが突っ込んでいった! 前に出るが……ここもFrancisco! これで2連勝! Franciscoが王手をかけました! カワセあとがありません!」

「先制はFranciscoか? カワセはどう動く? おっと近付いて勝負に行く! しかしカワセ返すことができない! 3対0! Francisco圧倒的でした! 先輩の強さを存分に見せつけました!」

白熱した実況が響き渡り、オフィスの景色が大会の会場のように様変わりしていきます。

結果はFranciscoさんの圧勝。2人のプレイに圧倒されたのっちさんは思わず拍手をしています。勝利したFranciscoさんは「台本通りでしたね(笑)」と余裕の表情。これを受けてカワセさんも「台本通りでした」と負け惜しみを言っていました。

のっちさんは目の前で聞いた平岩さんの実況について「楽しいです! いろんな情報をその都度入れてくれるんで、このゲームとこのお二人についてめちゃめちゃ詳しくなったような気持ちです」とコメント。ゲーム中は主に2人のいる位置と体力を見ていたという平岩さんに、のっちさんは「私も2画面同時に見てたけど、2人がどこにいるのか位置関係が全然わからなかったです……」と感服していました。

チャンピオン獲得なるか? のっちさんも交えてバトルロイヤルに参戦

いよいよ次はのっちさんも入れて、カワセさん、Franciscoさんと3人組でオンライン対戦のバトルロイヤルをプレイ。その様子を平岩さんに実況してもらいます。普段自分ではあまりバトルロイヤルゲームはせず“見る専”だというのっちさんですが、この取材に向けて10時間しっかり練習してきたとのこと。「このために10時間って、けっこうやってますね……」と驚く平岩さんに、のっちさんは「ガチ初心者ですけど、配信はいっぱい観てるんで……!」と自信を見せました。

のっちさんは「何か仕事をしたいです!」と2人に申し出て、敵の位置を検知できるスキルを持つブラッドハウンドというキャラクターを使うことに。Franciscoさんはレイス、カワセさんはパスファインダーでプレイすることに決まりました。のっちさんは「ゲームをやるときはいつも1人なので、人と一緒にゲームをすると緊張しちゃう」とそわそわしています。

ちなみに「Apex Legends」には、強い人は強い人同士、初心者は初心者同士でマッチングする“スキルベースマッチメイキング”というシステムが導入されています。そのため、カワセさんとFranciscoさんがいるのっちさんチームは、対戦相手もかなりの上級者になることが予想されます。初心者のっちさんの運命やいかに?

カワセさんとFranciscoさんはゲーム開始後まもなく次々と敵を倒し始め、後を追うのっちさんが現場に到着したときには、すでに戦いは終了済みという状態。ハイペースでバトルは進行し、20組いた部隊はあっという間に残り7部隊になりました。ここでカワセさんとのっちさんが敵襲に遭い、次々にダウン。

しかしApexでは一度倒されても、味方が自分のバナーを拾ってマップ内の“リスポーンビーコン”と呼ばれる場所に運んでくれれば復活することができます。Franciscoさんはのっちさんを救出するべく、敵のど真ん中に突っ込んでバナーを回収。この王子様のようなプレイに、のっちさんは「かっけえー!」と声を上げます。

Franciscoさんの活躍により、のっちさんとカワセさんは再び戦場に降り立ちますが、今度はFranciscoさんが敵に倒され、のっちさんも背後から銃弾を浴びてしまいました。カワセさん1人となって再び窮地に陥ったのっちさんチーム。執拗に追いかけてくる敵から逃げながらカワセさんは1人でチャンピオンを目指します。のっちさんチーム、現在20チーム中3位です。

ここでカワセさんに大チャンスが到来。圧倒的な火力を誇る一撃必殺のスナイパーライフル、クレーバーを手に入れます。クレーバーは使いこなすのが難しいことで知られていますが、カワセさんにとってはもっとも得意とする武器の1つ。一気に形勢逆転なるか?

「先ほどは年長のFranciscoにボコボコにされましたが、カワセ今度はいいところを見せたい!」と、平岩さんの実況にも熱が入ります。

クレーバーを手に入れたカワセさんですが、背中を見せていた敵への遠距離射撃を2発続けて外してしまう痛恨のミス。しかしのっちさんからの「カワセさんがんばって」という声援を受けて放った3発目が、見事相手の頭に命中しました。さらにもう1人のヘッドショットも成功させ、のっちさんチームの2位は確定。「これはもしかしたらチャンピオンもあるのか……?」という興奮した空気の中、カワセさんは最後の戦いに挑みます。

のっちさんが「なんで死なないのかが全然わかんない」と首を傾げるほど、縦横無尽にフィールドを動きながら敵の激しい攻撃をかわし続けるカワセさんでしたが、健闘およばずゲームオーバー。しかしのっちさんは負けた瞬間も「かっけー!」と思わず声を漏らし、カワセさんの孤軍奮闘を讃えていました。

のっちさんはプロと組んだゲームを振り返って「何がなんだかわからないうちに終わっちゃった。敵、誰も見えなかったですもん」と呆気にとられ、2人の紳士的なプレイについて「配信では観たことのない優しさだった(笑)」と笑顔を見せました。

次のページからは、のっちさんが平岩さんへのインタビューを実施。さらにカワセさんとFranciscoさんにも同席していただき、選手目線でもeスポーツ実況や平岩さんの仕事ぶりについてお話を聞かせてもらいました。

平岩さんは僕らにとってお父さんみたいな存在なんですよ

のっち 私はもともとゲーム実況が好きで観ていて、にじさんじの面々が「Apex Legends」の大会に出たときに、「CRカップ」という大きな大会があること、それを主催しているのがCrazy Raccoonというチームだということを知りました。「ポップなイラストの人がたくさんいるな」って。

Francisco 僕らのことですね。

のっち ピンクの髪がかわいくて、女の子なのかなと思ったら男の人の声でした(笑)。

Francisco こんな声で申し訳ないです(笑)。

のっち プロゲーミングチームって、例えば蛍光の青とか緑をビジュアルに使ってるイメージがあるんですけど、CRは見た目がポップでキャッチーですよね。皆さん華があるなあって。

Francisco 立ち上げた当初は「ゲーマーをカッコよく魅せる」という理念があったんです。今はもう「自由が一番」ってことで、おのおの伸び伸びやらせていただいてますけど。

平岩康佑 4年くらい前にオーナーに初めて会ったときに、ずっと思い描いていた夢を話してくれたんです。そこで「いかにもプロゲーマーっぽいユニフォームやチームカラーは使いたくない」と言っていて。XLARGEと組んでユニフォームを作ったり、映像の中で流す音楽をヒップホップにしたり、そういうのはこだわっているみたいですね。

のっち あとCRカップって、解説のあれるさんがメイド服のコスプレをして出てきたり、両親への感謝の手紙を読み上げるとポイントを減らせる「感謝ポイント」ルールがあったり、競技としてだけでなくエンタメとしても面白い大会だなあってところから気になりましたね。

Francisco めちゃくちゃ観てくれてるんですね! あれるさんの名前が出てくるなんて(笑)。

のっち でも、そんなふうにすごく間口が広いのに、個人個人を見るとみんなめちゃめちゃ本気でゲームをやってるから、CRを入り口にプロゲーマーやストリーマーにのめり込んでいく人は多いだろうなという印象です。

平岩 うん、ゲームだから「遊んでるんでしょ」と思われる方もまだ多いので、そのイメージは覆したいですね。みんな1日10時間くらい練習したり、覚悟を持ってゲームに人生を費やしてるし、家族と和解できないままプロゲーマーになった子もいる。だから「彼らは本気で勝負してるんだ」ということが観ている人に伝わったらいいなと思いながら実況をしているところはあります。

のっち 私もさっき「のっちさんはこの日のために10時間プレイしてきました」って実況されました(笑)。

平岩 10時間もやって来てるとは思わなかったので(笑)。「番組でプレイするためにちょっと触ってきました」「一応インストールはしました」程度の人は多いですけど、そのレベルではないじゃないですか。

のっち 多少は動けるようになってから来たかったので(笑)。選手のそういう情報はどうやって得ているんですか?

平岩 プロ野球とかでも、選手に直接会いに行って「昨日のピッチングはどうでしたか」みたいなことを取材して、仲よくなるとプライベートで一緒に食事に行ってより深い野球の話を聞いたりするんです。だからそのとき聞いた話を実況でみんなにも聞いてもらいたいという気持ちがあって。eスポーツでもなるべく選手とはコミュニケーションを取るようにしていますし、試合前に選手に話を聞く時間があったら絶対に取材してますね。

Francisco 平岩さんは僕らにとってお父さんみたいな存在なんですよ。

平岩 えっ! お父さん? そこまでは歳は離れてないでしょ(笑)。

Francisco 僕らのことをここまで知ってくれる人ってなかなかいないですし、特定の誰かじゃなくて全員のことを万遍なく調べてくれてるんですよ。大会中に間違った情報を言ってもすぐに修正するし、そういうところもすごく誠実だから、お父さんみたいな人だなって思ってます(笑)。

のっち 「ゲームの大会で実況してる人って何者なんだろう?」ってずっと思ってたんですけど、平岩さんはアナウンサーから転身した方ということで、安心して観れるなと思ったんですよね。変な言葉遣いをしたり、おかしなことを言ったりしないだろうという安心感。

平岩 そうですね。正確じゃない情報は言えないので、現地調査したことを話すようにしています。

韓国でeスポーツの大会を観て、帰国した次の日にテレビ局に辞表を出しました

のっち テレビ局のアナウンサーだった頃は、平岩さんは報道の人だったんですか?

平岩 ニュースも読んでましたけど、メインはスポーツ実況でしたね。基本は野球とサッカーで、ラジオでも箱根駅伝や女子ゴルフを実況してました。

のっち そこからゲーム専門の実況に転身したのはどうしてですか?

平岩 もともとゲームが好きだったんですが、2017年の冬くらいに「eスポーツが海外で盛り上がってる」という話を聞くようになって、日本に先駆けて盛り上がっていた韓国で「リーグ・オブ・レジェンド」というゲームの専用スタジアムに大会を観に行ったんです。300人くらいが入る円形のスタジアムだったんですけど、熱気がすさまじくて。見た目はゲーマー的というか、サッカースタジアムにいるのとはちょっと違ったタイプの人たちが、拳を突き上げて声を枯らしながら一心不乱に選手に声援を送ってたんです。それを見て「きっとこんな人たちが日本にも潜在的に眠ってるんじゃないか」と思って、韓国から帰国した次の日にテレビ局に辞表を出しました。

のっち ええええ!

平岩 「日本でも、ゲーマーがこれだけ脚光を浴びられるようにしたい」と思ったら、いてもたってもいられなくて。アナウンサーを辞めたら当然収入もなくなるし人生を失敗するかもしれないけど、乗り遅れてほかのアナウンサーに先を越されるのが一番嫌だったんですよ(笑)。自分が第一人者にならなければ一生後悔するぞと思って、すぐに部長に相談しまして。高校野球の第100回大会の直前だったのでいろいろ大変だったんですけど。

のっち フリーアナウンサーになって、ゲームの仕事と今までやっていたような仕事を両立する道もあるじゃないですか。そこでeスポーツ専門の会社を作ったのはどうしてですか?

平岩 それまでもゲームの大会を実況していた人はいたんですけど、「アナウンサーのプロの技を見せて、eスポーツ実況のクオリティを数段上げる」というのを一気に進めたかったんです。そうすれば「ゲームをするのはカッコいいこと」というイメージが付いて、大会や実況に対するみんなの見方も変わるんじゃないかと思って。

のっち 今までになかった会社を始めることに不安はなかったんですか?

平岩 会社を辞めたときはやっぱり少し不安はあって、僕はあんまりお酒を飲まないんですけど、珍しく弟とかなり飲んでたんですよ。現実を見たくないと(笑)。次の日に昼頃まで寝てたら、弟が「会社を辞めたことがYahoo!ニュースのトップに出てるよ!」って教えてくれて。当時すでに幕張メッセとかビッグサイトでも大会をやるようになっていたので、ニュースを見たゲーム会社やイベント制作会社などから連絡があって、その日のうちに70件くらい仕事が来ましたね。1日中電話が鳴り止まなくて。

実況のために準備した、選手全員に話を聞いて情報を書き込んだメモ

のっち プロの大会だけでなく、社内ゲーム大会で実況をされることもあるんですね。

平岩 ありますね。自動車を作っている方々の大会とか。オープンなイベントではないんですけど、社内大会ってすごく楽しいんですよ。新人が部長をボコボコにしたりするわけで(笑)。そのために事前に部署名、仕事内容、家族構成とかを全部教えてもらって「システム開発部部長! 対するは1年目! 4月に入社したばかりです!」「部長のヘッドショットが決まった!」みたいな実況をすると、ものすごく盛り上がるんですよ。

のっち それは盛り上がりますね(笑)。やっぱり事前の準備は大事なんですね。

平岩 基本的に実況は準備がすべてで、試合が始まってからできることって実はあんまりないんです。これ、普段は人に見せないんですけど、僕が実況のために準備した選手の資料です。60人いる選手に1人ひとり話を聞いた情報を書き込んで、「この人が勝ったらこんなこと言おう」というメモを付けてます。

のっち うわー、これはいつの大会ですか?

平岩 山田涼介(Hey! Say! JUMP)くんが出たときのCRカップですね。例えば山田くんの場合「湘南ベルマーレのジュニアユース」「日本アカデミー賞 新人俳優賞」みたいな情報を書いておいて、前日にWokkaくんとの1対1を制していたのでそのことを赤ペンで追加してます。

のっち 叶さん(にじさんじに所属するバーチャルライバー)のとこ「人脈プレデター」ってすごい(笑)。

平岩 読まれるのはちょっと恥ずかしいんですけど、皆さんの配信を観たりTwitterをチェックしたりして、こんなことを調べてます。

のっち カワセさんの名前もありますね。

カワセ えっと……「クレーバー得意」。それだけっすか?(笑)

平岩 まあまあ(笑)。ほかにも「自由に動かす」って書いてますね。カワセくんと同じチームのDJ Foy(Repezen Foxx)くんに前日たまたま会ったので意気込みを聞いたら、「カワセは自由に動かして、ほかの2人でカワセをカバーするような戦いをしたい」と言ってたので。

カワセ コメント薄くないっすか? 「湘南ベルマーレのジュニアユース」「日本アカデミー賞 新人俳優賞」と差がすごくないっすか?

Francisco そりゃ山田さんと比べたら差はあるだろ(笑)。

平岩 でも、クレーバーを持ったときに「カワセはこれが得意です!」って言えるのは大きいんですよ。観てる人の期待感が全然違ってくる。

カワセ そんなふうに言われたら、外したときにヤバイんですけどね(笑)。

平岩 バトロワゲームで生き残るのって、芸能界でサバイブすることに例えたりもできるんです。だから今日ののっちさんの場合、「アクターズスクール広島で2000年春に結成されて以来、20年以上にわたって活躍」みたいな情報が実況に使えたんですよ。

のっち ありがたかったですね、それ言ってもらったとき(笑)。

平岩 あと「Apex」はワールドワイドなゲームなので、「2019年にはアメリカ最大の音楽フェス『Coachella』に出演」というのも使いどころがある。ほかにも「大舞台の一発勝負に強い」という話につなげるために「『NHK紅白歌合戦』に14年連続出場」という話をしたり。14年連続って高校野球で言えば超強豪校、大阪桐蔭みたいな存在ですからね(笑)。何が生きるかわからないので、できる限りのことは調べて、それを適所で出してます。

ゲーマーの9割は負けず嫌いですよ

のっち 平岩さんから見て、シスコさんやカワセさんはどういうプレイヤーだと思いますか?

平岩 カワセくんはすごくやんちゃなイメージがあるけど、けっこう責任感があるんじゃないかなと思ってます。チームを組んだときに自分が一番うまいというパターンが多いので、そういうときに「俺ががんばらないと」ってすごく気を遣ってるのを感じる。

カワセ 僕は後衛が得意なんです。スナイパーを使って後ろから撃つという。でもそういう人たちってたいてい、前衛の立ち回りは慣れてなくて不得意なんですよ。自分もそうなので、前衛に入るときは「味方に迷惑をかけてるな」って思っちゃう。サッカーでゴールキーパーがわざわざフォワードに行ってゴールを決めようとしてるようなものなんで。

平岩 そうは言っても本番中はめっちゃ明るいんですよね。だから偉いなって(笑)。

のっち ゲームをしてるときの雰囲気がめちゃくちゃいいですよね。

カワセ マジで雰囲気だけは大事にしてます。イラっとするようなコメントが付いてもスルーするし、味方がミスっちゃっても、どんな負け方をしても気に留めないようにして。味方に文句を言う人っているんですよ。でも、それで嫌な気持ちになって「Apex」が嫌いになっちゃったら元も子もないじゃないですか。

平岩 そういうところ、すごくいいですよね。シスコくんはすごく負けず嫌いだなと思います。もともとサッカーをやっていて、U-16の東京選抜だったんです。ケガをしてやめたけど、それがなければ日本代表選手になっていたような。だからアスリート気質がたまに出るんです。例えば今日もカワセと1対1をしたときに、のっちさんにどんなものか見てもらうのが目的だったのに「死んでも負けねえ」みたいな気持ちになってて(笑)。スポーツマンならではの負けず嫌いさが随所に現れるんです。

Francisco でもゲーマーの9割は負けず嫌いですよ(笑)。だから強くなるわけですし。

カワセ そうですね。俺も絶対勝ってやろうと思ってました。

Francisco 今日は先輩の威厳を見せてやりましたね(笑)。

平岩 スポーツ選手から転身してゲームでもここまで来るというのは、やっぱり戦うセンスや努力をするセンスがあるということなんですかね?

Francisco 人より何倍も時間をかけて練習することは意識してます。あとは練習効率も。サッカーと同じように「今日はこの練習」「明日はこの練習」というのを自分で組み立ててやってるんです。ゲームを始めたのが高校生からでちょっと遅いんですけど、それでプロになれたのは効率的な練習のおかげなのかなと思いますね。

カワセ そんなの考えたことない……ただひたすら友達と楽しくゲームしてたら、いつの間にかプロになってました。

のっち それはそれですごい(笑)。

「この選手は勇気を持って前に踏み出したんだよ」というのを言葉にして伝えたい

のっち 平岩さんはいろんなゲームで実況をされてますけど、自分でもそれぞれプレイされるんですか?

平岩 新しいゲームを実況することになったら、100時間プレイしてから資料を作って、実況の練習をしてから本番に臨むんです。eスポーツを観ているのは本当にゲームが好きな人たちなので、そういうファンを裏切るわけにいかない。「実況の人、このゲームやってないの?」と言われるのが、一番怖いし屈辱です。

のっち 新シーズンが始まったり新しいキャラが増えれば、ゲームの環境はガラッと変わりますよね。そういうのは逐一チェックしてるんですか? それとも大会前に一気にお勉強?

平岩 大型アップデートは確認しています。知識を入れないと間に合わないので、それが一番厄介ですね。野球の場合「大谷翔平は来週から右バッターになります」なんてありえないじゃないですか(笑)。ゲームだとそのレベルの変更は、例えば武器やキャラが調整されて弱くなったとか普通にあるので。

のっち 確かに。それは好きじゃないとできないですよね……。

平岩 できないですね。全国各地のアナウンサーの方から「自分もやりたいです」って言われるんですけど、ゲームがあんまり好きじゃなさそうな人は断っています。本人もつらいと思うので。例えばスマブラ(「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」)のキャラは87体いて、それぞれ必殺技が4つと“最後の切り札”を1つ持ってるんですが、87×5=435種類の技を覚えてくれって言われても、本当に好きな人じゃないと無理ですからね(笑)。

のっち ALGS(「Apex Legends」の公式世界大会「Apex Legends Global Series」)で平岩さんが実況してるのを観たんですけど……。

平岩 ALGSまで観てるんですか! すごいな(笑)。

のっち 私が最初に平岩さんを見たのがそのときだから、おちゃらけた雰囲気も全然なくて、第一印象は「すごく真面目な人だな」だったんですよ。でもCRカップだとちょっとふざけ気味というか、全然テンションが違ってて。そういうところは大会の色に合わせて変えてるんですね。

平岩 変えてますね。ALGSに出ている人は全員、Apexの強さで生活してる競技プロなんです。大会は生活を懸けて出場する神聖な場なので、面白おかしくいじれない。試合前の口上でも「この大会が始まったのは6月12日、雨の日でした」「いよいよ今日、アジアの頂点が決まります」みたいなちょっとカッコいいことを言うんですよ。

のっち エモい!

平岩 あとは「Fortnite」の高校生大会だったら、「コロナ禍の2021年。友達と並んでゲームをすること、みんなで自転車で一緒に帰ること、修学旅行に行くこと、そんな日常がいかに幸せだったかを痛感した1年でした。そんな100人の選手たちが今、フィールドに降りて行きます! 第3回『STAGE:0』、高校生部門決勝戦です!」とか。コロナで修学旅行がナシになるって、仕方ないことではあるけど、本人たちからすれば人生で一番楽しいイベントの1つが失われたわけで、その悔しさやつらさを代弁したかったんですよね。どのスポーツでもそうですけど、どんなに強気に振る舞ってても、一流の選手ほど試合当日は怖いものなんですよ。僕は「この選手は勇気を持って前に踏み出したんだよ」というのを、ちゃんと言葉にして観ている人に伝えたい。だから大会の1週間くらい前になると、お風呂に入ってるときや移動中とかに「どんなこと言おうかな」って考えてます。

のっち 聞いてるだけで涙出そうです(笑)。その思いやり、やっぱりお父さんだ。

平岩 そんな立場じゃないですって(笑)。

のっち 私が選手だったらめちゃくちゃ頼れる存在だなって思いました。

「ゲームが好き」って堂々と言える世の中にしたい

のっち eスポーツの競技タイトル以外では、平岩さんはプライベートでどんなゲームをしてるんですか?

平岩 今はeスポーツタイトルをどうしてもやらないといけないので、なかなか時間がなくてできてないんですけど、もともと「バイオハザード」とか「ファイナルファンタジー」とかも好きなんです。だから「いつか仕事を終えて隠居したら積みゲーを全部やる」というのが人生の楽しみで。「死ぬまでに全部できるかな?」と思いながらどんどん積んでます(笑)。

のっち ははは(笑)。いいですね。

平岩 ウチは中学受験をしていたのもあってゲーム機を買ってくれなくて、友達の家に行ってやらせてもらってたんです。ゲームが欲しすぎて、本体がないのにソフトだけ買ったり、弟とゲームの絵を描いたりして。その絵もピカチュウとかマリオじゃなくて「NINTENDO64」とか「PlayStation 2」の本体の絵なんですよ(笑)。兄弟2人ともそれくらい飢えてました。弟もいまだにそうなんですけど、幼少期にそんなふうに抑圧されたから、今どれだけゲームをやっても全然満たされないんです(笑)。

のっち 実況のために仕事でゲームをやっていても苦じゃない?

平岩 楽しいですね。「覚えるため」とか考えずに、仕事を忘れちゃうこともあります(笑)。

のっち 平岩さんが「これからこんなことをやりたい」ということはありますか?

平岩 オリンピックの実況はしてみたいです。局アナ時代にできなかったことなので。2022年のアジア競技大会で、eスポーツが正式にメダル種目になるんですよ。あとは会社として、日本でeスポーツをプロ野球くらい盛り上げていきたいと思ってます。「ゲームなんて子供の遊びだ」とか「ゲームなんかしてると頭が悪くなる」とか言ってるおじさんたちが、eスポーツを観て感動して泣く世界を実現させたい。

のっち スポーツ観戦が好きな人なら絶対好きですよね。がんばってる人たちを応援するのは。

平岩 そうですよね。「ゲームが好き」って堂々と言える世の中にしたい。

のっち 言えなかったですね(笑)。私もずっとゲーム好きだったけど、言えるようになったのはここ数年のことです。「休みの日に何してる?」って聞かれて、なかなかゲームとは答えられなかった(笑)。

平岩 言いづらかったですよね。「時間を無駄にしてるんじゃねえか?」って思われるのも嫌だし(笑)。そういう偏見みたいなものを、自分がなくせたらなと思ってます。

みんなの質問、のっちが代わりに聞いてきますのコーナー!

のっち ここからは皆さんに、読者から届いた質問に答えてもらいます。まずはこちら。

平岩さんの著書を拝読しました。転職もeスポーツ実況も、状況や情報の取捨選択のスピードが必要かと思いますが、インプット・アウトプットのコツや心がけていることを教えてください。

平岩 まず取捨選択をするためには、いろんな情報を知ってなきゃいけませんよね。僕は情報をインプットするのが好きで、特に本を読むことを大事にしてるんです。「読書は効率が悪い」と思っている若い子も多いようですけど、著者の数十年の考えや経験が詰め込まれた1冊を、読者は4、5時間で読むことができるわけで、そんなにコスパのいい体験ってなかなかないと思います。そして、人と話しているときに「俺は最近こんな本を読んだよ」「こんな面白いことがあったよ」みたいなことをお互いに伝え合うと、相手のアウトプットが自分のインプットになる。これを繰り返していくと、自分の中にいい情報がどんどん集まってくるんです。

のっち なるほどー。私はよく「どこの大学に行こうか迷ってる」「どこの企業に入ろうか迷ってる」みたいなお悩み相談をもらうんですよ。

平岩 のっちさんも進路について相談を受けるんですね。子供の頃からポップアーティストとして全然違う生き方をしてるのに。

のっち 悩める10代が多くて(笑)。でもそういう悩みって結局、自分の中にある情報が少ないってことなんですよね。どれを選ぶか考える前に、少しでも多く情報を入れてから取捨選択をすれば決断しやすいのかなって、今の平岩さんの話を聞いて思いました。では続きまして。

お互い(アーティスト・ゲーマーとして)「プロ」として大切なことは何だと思いますか?また「あ?!この仕事で良かったな!」と思う時はどのような時ですか?

のっち これは皆さんに聞いてみたいです。プロとして大切なこと。

カワセ 僕はプロゲーマーをやってる期間がめちゃくちゃ短かったんですよ。18歳で始めて、半年もやってないんじゃないかな。だからプロ意識を語るなんておこがましいんですけど、“プロストリーマー”という立場で話をすれば、言っちゃいけない言葉とかはめちゃくちゃ調べました。今でこそTwitterのフォロワーは30万人いるんですけど、高校生の頃は60人くらいしかいないし、友達しか観てないと思ってそこまで気を遣ってしゃべってなかったんです。でも今は、誰もが知っているような有名人と絡む機会も多くなったので、誰が観ていても失礼のないようにしゃべらないといけない。普段使ってるけど言わないほうがいい言葉って、山のようにあるんで。プロになってよかったことは、好きな時間に寝て好きな時間に起きれることですね。二度寝しても誰にも怒られないんで(笑)。

Francisco 僕も今はカワセくんと同じく配信者なんですけど、プロゲーマーをやっていた時期は「絶対に誰にも負けない。自分が味方を引っ張っていくぞ」というギラついた気持ちを常に持ち続けてました。その気持ちがたくさんの練習につながって、そしてその練習が自分の励みや自信につながるんです。でも「あの子には勝てないな」と思ったときに、ギラつきがなくなって、もう勝負の世界にはいられないなって踏ん切りが付いたんですよね。

のっち ギラつきって自然と湧き上がる感情だから、コントロールできるものじゃないですもんね。それを保ち続けるってなかなかできることじゃないし、プロゲーマーってすごいなと思います。

平岩 僕の場合はやっぱり「準備」かな。準備を怠らない人がプロです。75点の実況をしろと言われればできるんですよ。局アナだった経験もあるし、準備をしなくてもやろうと思えばできる。でも「まだまだ足りないかな……?」と思いながら睡眠時間を削って書いた1行のフレーズが、自分の人生で一番いい実況を引き出すこともあるんですよ。使わないまま捨てる情報もいっぱいあるんですけど、そこまで準備したときにしか100点は出せないし、奇跡的な瞬間にも立ち会えないんですよね。

のっち 今の話、自分たちのライブに向けての練習と重ね合わせて聞いてました(笑)。あとPerfumeの場合、いろんな業種の人たちと力を合わせて1つのライブを作っていて、振り付けを考える人も、曲を作る人も、照明さんも音響さんも、それぞれがプロ中のプロなんです。だから「自分にできることを全うして、それ以外は相手の技量に任せられる」というのがプロなんじゃないかなって思ってます。

カワセ 相手を信じられるのもプロですね。

Francisco 確かに。「Apex」みたいにチームを組むゲームもそうですね。

スクリムや大会当日、また大会中でも特に初戦と最終戦では緊張感が全然違い、ピリついた空気が伝わってきます。配信をしていると言うだけでも十分緊張しそうだなと思うのですが、どのように緊張をほぐしていますか?メンタルを保つ秘訣を知りたいです。

カワセ スクリムというのは要は練習試合のことなんですけど。

のっち 緊張はしますか?

カワセ しますね。全然します。

のっち 緊張してるときにはどうしていますか? 緊張を抑えようとするのか、それとも緊張を自分のモチベーションに変えるのか。

カワセ 初戦がやっぱり一番緊張するんですよ。その日の流れは初戦で決まるっていうくらい大事なので。でも、気付かないうちに緊張は解けてますね。なんでだろう……全然考えたことなかったです。

のっち 「緊張して手が震える! どうしよう!」みたいなことは?

カワセ まったくないっす。

平岩 のっちさんも、紅白に出るときに緊張しないですよね? 14年も連続で出てるし。

のっち いやいや、めちゃくちゃ緊張しますよ(笑)。メンバーと指を合わせる振りのときに、みんな手が震えてるんですよ。

カワセ やっぱりストリーマーより競技シーンで戦ってるプロのほうが強いんですよ。彼らがなんで強いのか考えると、より緊張に強いというのが大きい。緊張を力に変えるから、本番になると強いんだろうなと思います。

Francisco 僕がやるのはチームを組んでやるゲームばかりで、1人でプレイするゲームを今までしてこなかったんですけど、「自分1人で戦ってる」と思っちゃうと「がんばらないと」というプレッシャーで緊張しちゃうんです。「みんなで同じ目標に向ってるんだ」と思えば、勝ちにこだわりすぎずに落ち着いた気持ちでゲームができるんですよね。

のっち チームの関係がうまくいかなくてギクシャクしてきたときは、どうしてるんですか?

Francisco 逆に自分が一番慌ててあげるんです。例えば最終試合とかになると、みんな熱くなって手が震え始めるんですよ。そういうときは僕が率先して、声を出してテンパってる感じを出す。それで「ああ、自分だけじゃなくてこの人も緊張してるんだ。自分はそこまでじゃないからまだ大丈夫だ」という空気を作って落ち着いてもらう、という。

のっち へー!

平岩 それができるのはすごいね。

カワセ 負けず嫌いが過ぎると、チームメイトに対しても負けず嫌いになっちゃうんですよね。明らかに僕のせいではないミスなのに突っかかってくる人とかいるんですよ。でも僕はそういうときも耐えますね。「ごめんなさい、僕が悪かったです」って。

Francisco なごませるのは大事だよね。

カワセ 言い合いをするのが100%悪いとは思わないし、時には腹を割って話し合うべきだけど、本番中にそれをするのは違うと思うので。

今後はゲーム制作やプロゲーマーだけでなくゲーム実況者を目指す子供たちも増えていくと思われます。そのような子供たちに何かアドバイスするとすればどのような事でしょうか?

平岩 近いうちにアナウンサー的な立場で地上波のテレビにゲーム実況者が出演するようになると思いますが、アナウンサーってやっぱりしゃべるのが好きなんです。アナウンス部の忘年会に行くと、全員しゃべりたいから声の大きさで上回ろうとしてすごいことになるんですよ(笑)。もしここで「1時間つないでください」と言われても、何も困ることなく1人でしゃべり続けることができます。だから、相手が家族でも学校の友達でもいいんですけど、「しゃべるのが好きで、それを聞いてみんなが楽しそうな顔をしてるのが好き」という人は合ってるんじゃないかな。

のっち この質問はストリーマーであるお二人にも聞きたいですね。

Francisco 僕はゲームが好きであることが一番重要だと思います。ゲームの人気って移り変わりが激しいので、特定のタイトルだけでなくいろんなゲームに興味を持ってやりたくなる人じゃないとキツいかもしれない。

カワセ 自分で言うのもアレですけど、僕は本当に運がよかったんですよ。配信者をやるんなら、いかに面白い人だろうが強い人だろうが、知られてなかったらどうしようもない。僕はもともとプロになる気なんてまったくなくて、働く気で就活してたのに、気付いたらこうなってたんです。周りにいた仲のいい人と一緒にゲームをやってたらひょんなことからプロゲーマーになって、プロでがんばってたらCRのオーナーとつながって。正直、人脈と運はマジで大事だと思います。

のっち うん、大事。Perfumeも出会いに恵まれて14回目の紅白です(笑)。

カワセ 14年連続はマジでえぐい(笑)。14年前って僕まだ6歳ですよ、お父さん。

平岩 俺に言わないで(笑)。

のっち 今日はどうもありがとうございました。平岩さんがしているような実況がみんなの魅力を引き出してくれて、eスポーツが楽しくなってるんだというのがよくわかりました。自分より選手を大事にしていることが、観てる側にも伝わってるんだろうなって。

平岩 のっちさんはやっぱりプロ意識が高い方なんだなと思いましたね。予想していたよりもずっとCRに詳しくて。今日、最初にFranciscoくんを紹介したときに、のっちさんが「あっ! シスコさん!」って言ったのにビックリして。その呼び方は本当にいつも観てないと出てこないから。ツアーの真っ最中でお忙しい中なのに「Apex」を10時間プレイして来たこともそうですし、しっかり準備してくるプロ意識にたじろぎました。やはり「紅白」14年連続出場は伊達じゃないですね。

のっち それ、私のことイジり始めてますよね?(笑)

のっちさんの取材後記

こんにちは、家にいるときは基本的にゲーム配信を流しながら生活してます、のっちです。


なんだけど、忙しくなると長時間の配信を流す時間が無くって、配信の切り抜き動画(ハイライトや面白いシーンを集めた魅力バカ詰め詰め動画[※編注:配信者と契約した公認切り抜きチャンネルも多数あり])ばかり見るようになるんですよ。

特に大会があると、練習配信から二次会ゲームまで、至る所で名シーンが爆発的に生まれて、切り抜かれて。
で、切り抜き動画見てたら、いつの間にか《あなたへのおすすめ》が面白そうな切り抜きでいっぱいになっちゃって、切り抜きに出てきたストリーマーの本配信をおすすめされて。見ちゃって。好きになっちゃって。次の大会はライブ配信で応援したりして。

頻繁に名前や顔が目に入ると「あれ私この人のかと好きなんかな?」って思っちゃうことないですか? なんかそういう心理学の効果ありますよね。まんまとですよね。
そんな毎日です(ハート)


さて! 今回はeスポーツアナウンサーの平岩さん、Crazy Raccoon所属ストリーマーのカワセさん、Franciscoさんに話を伺いにCrazy Raccoonオフィスへおじゃましました。

ねえ!!!!!
もっかいやりたかったあ!Apex!
楽しかったなあ~。
楽しかったけど、もっとちゃんとカメラ役を!やりたかった!
ちょっとガチめに「ちょともっかい……やりたいす」みたいな空気出してみたけど、完全一発勝負でした(笑)

私がこの先どれだけ頑張っても、この人達と楽しく遊べるレベルまで強くはなれないし……もう一生この人達と遊べることはないんだろうなあ……って思うと寂しくて、小学生の時に英会話教室の合同キャンプでその場限りだとわかって仲良くなった友達との別れを思い出していた……。
また遊んでほしいなあ。


そんな、初心者Apexにも平岩さん流石の実況で、優しくて面白い試合に仕上げてくださいました!(感謝) 本物だった。
平岩さん、今この場で1時間繋いでくださいって言われても全然困らず喋り続けることができるって。
大会実況やアナウンサーに合っていると思う人物像、のような話の流れで仰ってたんですが。すごすぎ。わたしなら2分だね!

これから目指す子どもたちへのアドバイスとして、苦手意識があると、どこかで悩んだり苦しくなることもある。とにかく喋ることが好きで、それで楽しんでもらうことが好きな人が合っている。といったようなことを仰ってて、それがとても印象的でした。


苦手意識をもっていることが魅力になり、後々プラスに働くことも職業によってはあるけれど。「好き」でいるって、それだけで“闘う”世界が変わっちゃう。目線と速度が変わるすごい才能です。それを体現してる方たちでしたねえ。

ここ数年個人的にテーマにしている「好き」の力を、目の当たりにした出会いでした。
平岩さん、カワセさん、シスコさんありがとうございました!!!


次回は、大好きな『テイルズ オブ』シリーズだ!
絶賛プレイ中の「テイルズ オブ アライズ」IP総合プロデューサーの富澤祐介さんに会いにゆきます。
まず最初の質問は「IPって、何ですか?」になることでしょう! 楽しみです!!

次回予告

人気ストリーマーと一緒にゲームをして、その様子をeスポーツキャスターに実況してもらうという、なかなかない貴重な体験をしたのっちさん。次回はバンダイナムコエンターテインメントを訪問し、「テイルズ オブ」シリーズのIP総合プロデューサーの富澤祐介さんに、昨年発売されたRPG「テイルズ オブ アライズ」についてお話を伺う予定です。

この連載では、訪問相手に聞いてみたいことをTwitterで募集中。ハッシュタグ「#のっちはゲームがしたい」を付けてツイートされた富澤さんへの質問を、のっちさんが代わりに聞いてくれるかもしれません。ぜひ質問をツイートしてください。

※募集期限は2月28日(月)まで。1つのツイートに書き込む質問は1つだけにするようにお願いいたします。

Perfume最新情報

TBS系で毎週火曜22:00より放送中のドラマ「ファイトソング」に、Perfumeが主題歌として新曲「Flow」を提供。これを表題曲としたシングルを3月9日にリリースします。

 

 

※記事初出時より本文の一部表現を変更いたしました。

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