一般社団法人の日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽出版社協会の音楽業界4団体が6月30日に「今井絵理子、いくいな晃子決起大会」を開催。この経緯に関して、音楽ナタリーの取材に回答した。
音楽業界4団体は東京都内の自由民主党本部で「今井絵理子、いくいな晃子決起大会」を実施。7月10日に第26回参議院議員通常選挙の投票日を迎えることを受け、自民党候補の今井絵理子氏と生稲晃子氏を激励した。4団体は、過去に今井氏はSPEED、生稲氏はおニャン子クラブのメンバーとしてそれぞれ活躍したことから、音楽文化に与えた功績をたたえるため支援を決めたと発表していた。この支持表明について、音楽関係者による署名運動・SaveOurSpaceは、各候補を支援する明確な理由および支援するに至った経緯を公に説明する義務があると考え、7月2日に抗議声明を公開していた。
音楽ナタリーでは決起大会の開催について、その経緯を4団体に質問した。各団体は統一見解として、まず「当協会ではこれまで様々な課題に対し、会員や各会員に所属する皆様の努力と業界団体としての当協会の活動により解決を図ってまいりました」と前置きし、近年は団体の努力だけでは解決できない問題や課題が急速に増え、特にチケット不正転売の問題は法整備なしに解決することは困難との思いから、議員や政府当局者へのロビー活動を始めたと説明。「チケット不正転売禁止法」の成立、ライブエンタテインメント産業に対する補助金制度「J-LODlive」の創設を促すため、自民党のみならず立憲民主党、日本共産党にも協力を依頼していたことを明かした。
「今井絵理子、いくいな晃子決起大会」の開催、および両候補への応援については「業界団体として広く業界全体がコロナ禍の影響から回復し、将来にわたり発展していくこと」を目的とし、「10代から音楽・芸能業界の一線で活躍され、その活動の裏にどれほどの関係者やスタッフが関わっているかをご実感されている両氏に、この業界の生の声を国会に届けていただきたいとの思いによるものです」とコメント。また4団体の会員および所属者に対し、特定の党や候補者への投票呼びかけは行っておらず、個人の自由な意思による投票を妨げるものではないといい、「一人でも多くの音楽関係者を救いたいという理念は同じですので、袂を分かつのではなく、丁寧に話し合って、共闘できる部分は協力し合い、それぞれで動くべきところは別行動するというかたちになれればと思っております」と見解を示した。
なおSaveOurSpaceも日本音楽制作者連盟との面談に至ったといい、改めて報告するとしている。