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hide映画「TELL ME」感謝祭でhide弟、ケンカエピソードや松本家の食卓事情など語る

約2年前2022年08月11日 13:04

本日8月11日に東京・新宿バルト9で映画「TELL ME ~hideと見た景色~」の感謝祭と銘打った舞台挨拶が行われた。

「TELL ME ~hideと見た景色~」はhideの実弟・松本裕士氏による著書「兄弟 追憶のhide」をもとに、hideが遺した音楽を世に届けるため奮闘する弟たちの軌跡を描いた映画。hideの弟で主人公の裕士役を今井翼、hide役をJUON(FUZZY CONTROL)、hideの共同プロデューサー・I.N.A.役を塚本高史、hide事務所チーフマネージャー・児玉役を細田善彦、レコード会社重役・鹿島役を津田健次郎が務めた。

舞台挨拶には塚本連平監督、hideの実弟でhide事務所のヘッドワックスオーガナイゼーション代表取締役の松本裕士氏、そしてhide存命時にユニバーサルミュージックで宣伝担当をしていた姉帯恒氏の3名が登壇。さまざまなトークを披露した。塚本監督はこの映画に携わるまでhideのことを詳しく知らなかったとのことで、「hideと言えばカリスマ、天才ミュージシャンの側面がありましたが、松本さんの著書『兄弟 追憶のhide』を読み、お話を聞き知っていった中で、hideさんと松本さんの“普通の兄弟”の部分に惹かれ、そこを映画の核にしました」と物語を作るにあたってのポイントを振り返った。実在の人物を描く難しさについても触れ、演者には「モノマネをしなくていい、実在する人物へのリスペクトを忘れないで」と伝えたことを明かした。

姉帯氏は「兄弟 追憶のhide」を出す前から映像化を考えていたという。「この本についてはまず、松本さんが『書きたくない』という段階がありました。でも飲んだりしながら『形にしていったほうがいい』という話をしまして。いずれ風化してしまうから、記録に残したいというところで(映画の配給元の)KADOKAWAさんと話を進めていました。その中で映像にしたいと思ったんですが、当時は映画というよりは、テレビの2時間ドラマみたいな形を考えてテレビ局にも話をしに行ったことがあります。でもなかなか形になりませんでした。で、2018年に映画『HURRY GO ROUND』のロケでアメリカ・ロサンゼルスに行ったとき、松本さんと本の映画化の話で盛り上がりまして、そのとき話したのがこの作品のスタートになりました」と映画化に至ったエピソードを語った。

松本氏はhideファンを公言する今井翼が自身を演じたことについてコメント。松本氏と今井が対面したのは7月に新宿バルト9で行われた完成披露上映会でのサプライズのときで、「ここで花束をお渡ししたときに初めてお会いしました。顔小さいな、カッコいいな。こんなカッコいい人が私を演じるなんて申し訳ないという本音を先に言わせてください」と冗談ぽく話す。続けて「苦しい思いにも入り込んで、演じていただいたことには感謝しかないです。とんでもない時間を費やしていただいて、精神的にもしんどかったと思います」と今井への感謝の気持ちを語った。松本氏はさらに「素晴らしい作品を作っていただいて、改めて生きててよかったなと。正直、この24年間、この仕事を辞めようと思うことが何度もありました。僕たちの苦労というか、気持ちをこのような形で伝えていただいて、本当にありがとうございます」と重ねて出演者や監督に感謝の言葉を送った。

また映画にも登場するhideが食事を取るシーンについて話題がおよぶと、幼少期に肥満児だったhideのエピソードが飛び出した。松本氏は「僕ら兄弟で餃子を母親にリクエストすることがあって、1人100個、120個と食べていたんです」と振り返ると、姉帯氏は「そんなに食べられる?」と驚く。松本氏はさも当たり前という様子で「お肉というか野菜なの。で、レモン、お酢がメインで醤油は少しでさっぱりしてたから。食べてるそばで母が餃子を包んでは焼いて、おかわりしてましたね」と松本家の食卓事情を明かす。姉帯氏は1度だけ当時のディレクターとともにhideの実家に行ったことがあるそうで、「すごくたくさん料理が出てくるんですよ。大皿の料理が食べ終わる前に次から次へと出てきて、台所でまたジャー!と何かを焼いてる音が聞こえてきて」と振り返った。

食事の話は続き、劇中にも登場するhideがシャケ弁当を路上で食べるシーンについても触れられた。hideはシャケ弁、牛乳を酒の席の前や合間に食べたり飲んだりすることがあったそうで、松本氏によると牛乳については飲酒前に胃に膜を張るつもりだったとのこと。シャケ弁は「飲みの席でお腹が減って外に出てきてシャケ弁を冷たいまま路上で食べてました。西麻布のローソンの前です(笑)。めちゃめちゃ目立ってましたけど、気付かれたことはありませんでしたね。『食ったら戻るぞ!』と一気に食べて、また飲みの席に戻ってました」と回想した。

hideの共同プロデューサーのI.N.A.とhideのエピソードにふれる場面もあり、I.N.A.はhideが酒を飲んで暴れると手をとにかくかばっていたという。彼は「明日からレコーディングできなくなっちゃうでしょ!」とhideの両手を押さえるも、そのまま2人して階段を転げ落ちたそうで、そのシーンは映画にも採用されている。また劇中にはhideと裕士がケンカし、hideが頭蓋骨を骨折するシーンが描かれている。そのシーンについて、「hideさんが酔っ払って“地球とケンカした”というのがオフィシャルの発表です(笑)。でも本の中で、実際は弟が殴ったというのを白状してるんですよね」という姉帯氏の言葉に、松本氏は「病院のベッドで絶対安静だったのに、2日目にあらゆる人から連絡があって。そしたら病院の廊下にある公衆電話からhideさんが『もしもし、hideだけど』って電話しまくってるんですよ(笑)。病院のロビーで看護師さんたちが騒然としちゃって長く入院できなかったんですよね」と苦笑い。しかし当時、hideは松本氏に殴られたことを「覚えていない」と話していたそうだが、電話口でKiyoshi(hide with Spread Beaver、MAD BEAVERS)に向かって「裕士に殴られちゃってさ」と話していたという。hideが弟に気を遣っていたことが伺えるエピソードだったが、松本氏は「実はケンカに至るまで2時間くらい、hideさんに罵倒され続けてまして。で、『中学生時代に戻って、やるか』と言われてケンカが始まった」というケンカに至るまでの出来事も振り返った。

最後に塚本監督は「いろんな人の思いが詰まった話ですし、それに関わる演じる人たちの思いが込められています。コロナ禍の影響で撮影は1年伸びましたが、演奏の再現を含めて心を込めて演じていただきました。スタッフを含めてみんなの気持ちがこもっています。『この映画を作ってくれてありがとう』という感想が多く、そう言っていただける機会はなかなかないので、本当にうれしいです。ありがとうございました」と締めくくった。

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