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くるり「音博」が3年ぶり梅小路に帰ってきた!マカえん、槇原敬之ら“選り取り見取り”アクトが熱演

「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」よりくるりのステージの様子。(撮影:井上嘉和)
2年以上前2022年10月11日 3:02

くるり主催のライブイベント「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」が10月9日に京都・梅小路公園 芝生広場で開催された。

2007年にスタートし、今年で16回目を迎える「音博」。2020年と2021年のオンライン開催を経て、今回は2019年以来3年ぶりに「音博」お馴染みの会場である梅小路公園にて行われ、くるりをはじめ、マカロニえんぴつ、Vaundy、SHISHAMO、槇原敬之、ブラジル出身のアントニオ・ロウレイロ&ハファエル・マルチニが多彩なパフォーマンスを繰り広げた。

上空が厚い雲に覆われた梅小路公園の舞台に、くるりの岸田繁(Vo, G)と佐藤征史(B)が姿を現すと、芝生に座っていたファンは立ち上がり拍手で歓迎する。会場を隈なく見渡した岸田は「オンライン開催を経て、3年ぶりに梅小路公園に戻ってきました。ただいま! バッチリ成功させたいと思います」と気合い十分に開会宣言を行った。

まず岸田から「くるりの遺伝子を受け継いでいるようなところがあります」と紹介されたのはトップバッターのマカロニえんぴつ。手始めに彼らはくるり「尼崎の魚」をリスペクトを込めながらカバーし観客の心をぐっと引き寄せる。そして長谷川大喜(Key, Cho)の瑞々しいキーボードをきっかけに「レモンパイ」でライブを始め、疾走感たっぷりの「MAR-Z」「洗濯機と君とラヂオ」を連発。「ヤングアダルト」でははっとり(Vo, G)が「『音博』ヤングルーザー」とアドリブを交えながら歌ってさらなる興奮を誘い、最後は新たな代表曲「なんでもないよ、」でロックバンドとしてのたしかな存在感を示した。

岸田からは歌唱力の高さを、佐藤からは幅広い世代から支持されていることを称賛されたVaundy。そんな彼は「音楽を作るときによく聴いて参考していたバンドです」とくるりに敬意を払った。雨が降り始める中、Vaundyは「不可幸力」で軽やかなステップを踏みながら高揚感に満ちたパフォーマンスを展開。「踊り子」で心地よいグルーヴを生み出すと、オーディエンスは思いおもいに体を揺らした。上着を脱いでカットソー1枚になると「裸の勇者」で重厚なバンドサウンドに乗せてパワーみなぎる歌声を轟かせ、「東京フラッシュ」ではメロウなムードを描き出す。その後、ひと際華やかなポップチューン「花占い」「怪獣の花唄」を畳み掛けた彼は、さっそうとステージを去った。

「音博」の見どころの1つと言えば、さまざまな海外アーティストのパフォーマンス。岸田は「地球の裏側、ブラジルからやってきました」「すごい人とすごい人が音楽をやったら当然すごいことになる。1×1を5億にするお二人です」とアントニオ・ロウレイロ&ハファエル・マルチニについて語った。アントニオとハファエルは向かい合って持ち場に付き、「Universo」でスペーシーな世界観を表現。「Dual」ではスキルフルなプレイにいっそう熱がこもり、観客を釘付けにした。手を合わせながら感謝の言葉を述べた2人は「Luzz da Terra」でもドラムやキーボードが絶妙に絡み合う卓越した演奏で聴衆を引き込んだ。

岸田から「天才。トリオのバンドといえばこの方たちです」、佐藤から「ライブをずっとやってる、叩き上げのイメージがあります」という紹介を受けて登場したのはSHISHAMO。雨脚がいっそう強まる中で宮崎朝子(G, Vo)、松岡彩(B)、吉川美冴貴(Dr)は挨拶代わりにくるり「THANK YOU MY GIRL」をカバーし、SHISHAMOらしい熱烈なラブソング「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」でオーディエンスを興奮の渦へと巻き込む。さらに、複雑な恋心を表した「夏の恋人」や「夢で逢う」でセンチメンタルなムードを演出したかと思えば、ソリッドなロックチューン「狙うは君のど真ん中」「明日はない」でアグレッシブなプレイを見せつけ、晴れやかな表情でステージを終えた。

「毎年呼びたいと思っていて今回オファーしたらまさかの“イェス”のお返事がありました。中学のときに夢中で聴いていました」という岸田のラブコールを受け取った槇原。日が少しずつ傾き始め、雨が弱まってきた頃に彼は笑顔で舞台に現れた。平成を代表する大ヒットソング「遠く遠く」「どんなときも。」を続けオーディエンスを歓喜させた槇原は、刺激的でダンサブルなナンバー「Fall」「Hungry Spider」を投下して瞬く間に熱気を引き上げる。そして、SMAPへの提供曲「世界に一つだけの花」のセルフカバーや新たな旅立ちを後押しする「宜候」を披露したのち、ラストには「四つ葉のクローバー」を通じて温かなメッセージを送った。

日没によって暗闇に包まれるステージには、1冊の本を手にした又吉直樹(ピース)が登場。「ピースのアメリカに旅立たなかったほうです」と自己紹介すると、その本を開き、くるりへの思いを綴った詩を丁寧に読み上げた。又吉の朗読が終わると、そのまま最後のアクト・くるりのライブへ。夏の情景が描かれた「真夏日」で静かにライブの幕が上がり、「潮風のアリア」ではメンバーの織りなす芳醇なハーモニーがあたり一面に広がった。R&Bやヒップホップを盛り込んだ「琥珀色の街、上海蟹の朝」でアーバンなムードを漂わせたくるりは、駆け抜けるようなギターサウンドをきっかけに「everybody feels the same」を軽快にプレイ。「太陽のブルース」で哀愁に満ちたサウンドを、「ブレーメン」で壮大なアンサンブルを響かせた。ここで岸田は「天候はあいにくになりましたが、素晴らしい『音博』になったと思います」と述べ、「3年ぶりに梅小路公園に帰ってくることができました。選り取り見取りのアーティストの皆様、ありがとうございました。気持ちがいっぱいなので話すのはこのへんで」と思いをあふれさせる。出番の最後には、メンバーが岸田のアコースティックギターのアルペジオから始まる「奇跡」を届けて感動的なムードをもたらした。アンコールでは「宿はなし」も披露し、今年の「音博」をフィナーレに導いた。

なおスペースシャワーTVでは12月8日(木)22:00より「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」の模様がオンエアされる。

スペースシャワーTV「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」

2022年12月8日(木)22:00~23:30

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