いぎなり東北産のワンマンライブ「サンプラ大一番 いぎなりメジャーデビュー」が11月23日に東京・中野サンプラザホールで開催された。
東北地方を中心に活動しつつ、東京・日本武道館で単独公演を開催することを目標に掲げているいぎなり東北産。7月から8月にかけて東京公演のない初の全国ツアー「東京行かないツアー ~外堀を埋めろ!~」を行った彼女たちは、満を持しての“東京侵略”に踏み出し、中野サンプラザホールでの大一番のライブのチケットを見事にソールドアウトさせた。
オープニングではこの公演のために作られたというにぎやかな「overture」が流れ、華やかな管楽器の音色に客席の期待が高まってゆく。そしてステージ前方の幕が上がると、そこにはきらびやかなステージセットに立ち並んだメンバーの姿が。登場から会場の皆産(いぎなり東北産ファンの呼称)を驚かせた9人は笑顔でライブをスタートさせ、2曲目の「うぢらとおめだづ」では弾けるようなパフォーマンスを展開。曲中に北美梨寧と安杜羽加が手にした銃でスモークを噴射してステージを盛り上げると、オーディエンスは手にしたペンライトをより一層大きく振った。また「乾杯ニッポン」では、途中で袖に駆けていった藤谷美海が金色に輝くワイングラスを片手にステージに戻り、皆産に向かって乾杯。彼女を先頭にして客席にウェーブを作るなど、会場中が一体となって盛り上がった。
1人ずつ自己紹介とともに本公演への意気込みを語ったメンバーは、目の前に広がる景色とバックのステージセットがいかに壮観であるかをテンション高く語る。また登場時から9人が身にまとっている真っ白な新衣装が、11月11日に発売されたミニアルバム「いぎなりメジャーデビュー」のジャケット写真で着用したものであることを明かし、それぞれ注目ポイントをアピール。メンバーカラーが純白の律月ひかるが「黄ばみがなくて非常にいいと思います」とコメントすると、客席から笑い声が漏れた。中野サンプラザのステージに立つまでの道のりや支えてくれた周囲の人へ感謝を語った葉月結菜は、グループの目標である東京・日本武道館の単独公演に向けて「これからもみんなで手を取り合って前に進んでいきます」と決意を口に。横一列に並んだいぎなり東北産は、新曲「Symphony」で堂々とした歌声をホール中に響かせた。その後、しっとりした雰囲気を一転させるかのように場内をレーザー光線が行き交う中、彼女たちはロックナンバー「re;star」をアグレッシブにパフォーマンスし、一旦ステージをあとにした。
幕間の時間、ステージ後方のスクリーンには、いぎなり東北産がホームパーティをしている映像が映し出される。桜ひなのが「ここまで来れたのは皆産のお陰」だと映像の中から客席に向かって呼びかけ、全員で扉を開けるシーンで映像が終わると、再びメンバーがステージに登場した。自身の顔が大きくプリントされた斬新な新衣装に着替えた彼女たちは、エレクトロポップな新曲「HiGHER,HiGHER!!」をクールにパフォーマンス。さらに金色の拡声器を手に「メタハンマー」をワンコーラス披露したところで、怒涛のソロ&ユニット曲のコーナーへ。目まぐるしく展開されるこのコーナーを一瞬でも見逃すまいと、オーディエンスは一心不乱にステージを見つめる。9人が再びステージにそろったところで、先ほどワンコーラスのみの披露だった「メタハンマー」の続きを歌い上げたメンバーは、会場の皆産とともに「BUBBLE POPPIN」を踊り、中野サンプラザをダンスフロアに変えてみせた。
ここでひと息付いたいぎなり東北産は「気になって気になって仕方なかったと思います」と2着目の新衣装について話を切り出す。会場後方の観客にも“顔”が見える衣装には、インパクトを重視するあまりこれまでの衣装には必ず入っていたメンバーの名前が入っていないことが明かされた。また新曲「HiGHER,HiGHER!!」の感想、ソロ&ユニット曲メドレーの解説が口々に語られたあと、吉瀬真珠の「ここで来年の大切なお知らせがあります」という声をきっかけに、スクリーンに流れたVTRによって2023年3月~5月に「全国絶対に負けないツアー」が開催されることが発表された。客席から大きな拍手が起こる中、このツアーではプロ野球の球団がある都市を回ることも併せてアナウンスされた。大切なお知らせを皆産に伝えたメンバーは、客席の下手側を藤谷率いる“ラッキーチーム”、下手側を伊達花彩率いる“ゴッドチーム”として2人を筆頭に“おいおい合戦”を開始。ライブの終盤戦を迎える前に、彼女たちの煽りに対するオーディエンスの動きをひとつに合わせた。
会場を大いに盛り上げるMCの流れから歌われたのはアッパーチューン「ワンダフル東北」。オーディエンスは先ほどまでの“おいおい合戦”以上に、手に持ったペンライトやうちわを大きく動かし、盛り上がりを見せた。さらにいぎなり東北産は代表曲であるキラーチューン「天下一品 ~みちのく革命~」をパフォーマンス。会場中を巻き込みながら激しいラストスパートを駆け抜けると、最後はステージに現れた10人の“ダンサリーナ”と一緒に「伊達サンバ」を披露し、華やかに公演を締めくくった。
記念撮影のあと、公演を振り返った律月が「9人で、笑顔でやり切ることができて、うれしいなって思います。今回華やかな衣装、舞台、演出を用意していただいて、私は小さい頃から女の子のアイドルが好きなんですけど、憧れていたものになれてうれしかったです。アイドルになって、東北産のみんなを見て、想像していた以上に自分たちを晒して命を懸けてステージに立っているんだなと感じました。顔とか汗とか見え方を気にせずにぐちゃぐちゃになる楽しさを教えてくれた東北産はすごい素敵なグループだなって思うから、それをもっとたくさんの人と共有していきたいです。皆産がいてくれるからアイドルになれています。ただの田舎の厨二病だったひかるのことをキラキラアイドルにしてくれて本当にありがとうございます!」と語ると、客席から大きな拍手が起こる。また藤谷は「今日はあの本当に本当にコップンカー!」とタイ語で感謝を述べて場内の笑いを誘い、「私はステージに立って、ライブをしている空気感が本当に本当に好きで、なんだろう……限界突破している気持ちになれるし、自分じゃないみたいに勝手に体が動いてる! もう本当に楽しくて、これからもこの大切な空気感を続かせていきたいです。これからも皆産と、こんな素敵なペンライトの景色を見れたらなって思います」と挨拶。最後に再び「コップンカー!」と感謝の思いを叫んだ。
ラストに橘花怜は「今年も本当にいろいろありましたが、こうやって大一番を迎えられたのは、皆産が支えてくれたからです。ステージ裏でいろんな壁にぶつかったり困難があったりしたけど、ステージに出ると皆産がペンライトを振って迎えてくれて、皆産の笑顔が私たちを無敵にしてくれます。だからこれからもいつもパワーをくれて支えてくれる皆産に、笑顔を届けるような存在でいられるようにがんばっていきたいと思います。今年あとワン公演! 1公演、サンプラザ大一番もまだまだ終わっていませんので、12月24日に仙台サンプラザで、今年最後に最高の思い出を一緒に作っていけたらいいなと思っております。今日も本当に本当にありがとうございました。これからも皆産と一緒に前に進んでいって、皆産にたくさんの愛を届けられるようにがんばっていきます!」と、「サンプラ大一番 いぎなりメジャーデビュー」が12月24日に宮城・仙台サンプラザホールでも開催されることに触れながら客席に呼びかけた。そして9人がステージの中央に並んで深く頭を下げると、ステージ前方の幕が降り始める。メンバーはステージに腹ばいになりながらも、幕が降り切る最後まで手を振り続けた。
全国絶対に負けないツアー
2023年3月5日(日)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
2023年3月12日(日)神奈川県 Yokohama Bay Hall
2023年3月18日(土)兵庫県 Harbor Studio
2023年3月19日(日)大阪府 Takara Osaka
2023年3月21日(火・祝)愛知県 DIAMOND HALL
2023年4月8日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
2023年4月9日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2023年5月3日(水・祝)福岡県 DRUM LOGOS
2023年5月5日(金・祝)広島県 LIVE VANQUISH
2023年5月13日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
2023年5月19日(金)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
2023年5月20日(土)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)