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「筋肉少女帯のライブが完成された」バンド史上初のグッズで会場がすごい光景に

大槻ケンヂ(Vo)(撮影:コザイリサ)
1年以上前2022年11月28日 14:01

筋肉少女帯が2023年のデビュー35周年に向けたカウントダウンシリーズの一環となるツアー「KEEP CHEEP TRICK TOUR」の最終公演を、11月26日に東京・江戸川区総合文化センター 大ホールで開催した。

11月にリリースした結成40周年記念シングル「いくぢなし(ナゴムver.サイズ)」を引っさげて行われた今回のツアー。「オカルト」のミステリアスな響きをSEにメンバーが暗がりのステージに現れ、全員が一斉に音を出した瞬間、フロアにペンライトの海が広がった。コロナ禍で発声やコール&レスポンスができない状況で、なんとかクラップ以外でオーディエンスが感情を発露させられるものをと考案されたバンド史上初のグッズだが、多くの人々が予想していた以上に筋肉少女帯のライブにハマッていた。

1曲目「僕の宗教へようこそ」のテクニカルな演奏に呼応して揺れるペンライト。その光景に大槻ケンヂ(Vo)が「美しい! 光の海だ!」と喜びながら自身もペンライトを大きく回せば、その横で橘高文彦(G)も白いドレスを翻して華麗にターンする。いつの間にかステージど真ん中に陣取ったサポートメンバーの三柴理(Key)が、歌詞の通りオペラボイスを朗々と響かせ、フロアから拍手が沸き起こった。

声の代わりに拍手やペンライトで盛り上げてほしいと請う大槻が「日本印度化計画」の歌い出しで「日本を印度に!」と叫ぶと、オーディエンスは正確に「してしまえ」のリズムでクラップを返す。「ひさしぶりにやっていい感じ。なんでやらなかったかなあ。歌ってて気持ちいいんだよなあ」と、大槻が歌い終えて評したのが「境目のない世界」。この曲の、アコースティックギターとピアノの哀愁ある音色からバンドサウンドへのドラマティックな展開に、三柴が恍惚の表情で空を仰いで指揮棒を振るような仕草を見せた。

オリジナルメンバーである大槻と内田雄一郎(B)は、あわやキャンセルの危険もあったという40年前の初ライブについて振り返りながら「40年、不思議だね」と感慨深げ。「きらめき」では、客席を見上げる本城聡章(G)に橘高が寄り添い、一緒に笑顔で手を振っていた。本城と内田が原田知世役としてセリフを担当した映画「時をかける少女」挿入歌のカバー「愛のためいき」では、筋少ならではの不穏な世界観を存分に表現。結成40周年記念シングル「いくぢなし(ナゴムver.サイズ)」のカップリング曲で、空手バカボンの34年前の楽曲をセルフカバーした「KEEP CHEEP TRICK」も、キーを下げたことでブルージーな大人の色味を増した分、大槻が1人で語る大喜利や「凡庸な人々よ」という無感情なリフレインが空恐ろしさを誘う。

「コール&レスポンスではない、光の海という筋肉少女帯のライブが完成された、重要なツアーだったと思うんだよね」と、大槻はこのツアーを振り返る。「イワンのばか」では内田が勢いよく掛け声を放ちながら、輝くペンライトでベースを演奏。「君よ!俺で変われ!」から「サンフランシスコ」へと雪崩れ込むと、突き上がるペンライトも勢いを増した。そして橘高と本城がポジションをスイッチすると、上手がピンク、下手が青と、各位置のギタリストのカラーに客席が染まる。さらにベースソロに突入すれば、フロアは内田のカラーである緑の光に包まれた。そしてライブ本編は「いくぢなし(ナゴムver.サイズ)」で幕が下ろされた。

アンコールでは結成40周年記念シングル「いくぢなし(ナゴムver.サイズ)」に収録されている空手バカボンのセルフカバー「7年殺し」を披露。リズム隊と本城のギターがファンキーなノリの土台を作り、その上で橘高と三柴がソロを掛け合う。そしてこのライブを締めくくったのは「釈迦」。最後に橘高が「筋肉少女帯40周年、大槻と内田に大きな拍手を!」と求めると拍手が沸き、ステージに残っていた内田が「Merci beaucoup, Salut!(=どうもありがとう。またね)」とフランス語で返した。

この江戸川区総合文化センター公演の模様は生配信も行われており、Streaming+にて12月2日までアーカイブ映像を配信中。なお筋肉少女帯は、デビュー35周年に向けたカウントダウンシリーズの一環として、12月18日に東京・LIQUIDROOMで「2022ライブファイナル」を開催する。

筋肉少女帯 Debut35th カウントダウン シリーズ「2022ライブファイナル」

2022年12月18日(日)東京都 LIQUIDROOM

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