3月より東京・帝国劇場ほかで上演されるミュージカル「SPY×FAMILY」の製作発表会見が、昨日12月7日に東京都内で行われた。
「SPY×FAMILY」は遠藤達哉による人気マンガを原作としたミュージカル。精神科医のロイド・フォージャーに扮した凄腕スパイ・黄昏と超能力者の娘・アーニャ、正体は殺し屋である妻・ヨルによる“仮初めの家族”が、さまざまな事件に巻き込まれながらも互いの正体を隠して普通の家族を装うべく全力を尽くす姿が描かれる。
ロイドを演じるのは森崎ウィンと鈴木拡樹、ヨルを演じるのは唯月ふうかと佐々木美玲(日向坂46)。ヨルの弟で姉を溺愛する秘密警察官のユーリ・ブライアを岡宮来夢と瀧澤翼(円神)が、黄昏の後輩スパイのフィオナ・フロストを山口乃々華が、黄昏に協力する情報屋のフランキー・フランクリンを木内健人が、アーニャが入学を目指す名門校教諭のヘンリー・ヘンダーソンを鈴木壮麻が、黄昏が所属する組織の上官シルヴィア・シャーウッドを朝夏まなとが演じる。会見にはキャスト9名のほか、脚本と作詞、演出を手がけるG2が登壇した。
森崎はロイド役のオファーについて「帝劇の主役の一員としてお声がけいただいたことに、驚きと喜びが混在しておりました」と話すが、その口調に自ら「すごい硬いな……(笑)」と苦笑い。また出演が発表されたのち、テレビ番組の撮影でイギリスを訪れたときに現地在住のミャンマー人から「出るんだよね、『SPY×FAMILY』!」と声をかけられたというエピソードを明かし「国境も超えた作品だなと驚きました」とそのときの心境を話した。
鈴木は「ロイド・フォージャーは素晴らしいスパイ。照らし合わせると自分は不器用な人間で、そういう生き方はできなかったので最高のチャンスをいただいたなと。舞台の上で演じる間は楽しみながら、普段とは違う完璧な人間でいたいです」と、凄腕のスパイを演じることへの意気込みを語る。唯月は「ヨルはとてもカッコよくて色気のあるイメージなので、何度も『私がヨルですか?』と聞いて驚きが隠せなかったです。でもプロモーションビデオや扮装での写真を撮るうちに自覚が出てきました。ヨルのカッコよさと天然さの二面性を表現したい」と、ヨル役への意識を語った。
佐々木も「コミックもアニメもどちらも楽しませていただいていたので、自分がヨルさんを演じるということの想像が付かなかった」とオファーに対する驚きを明かす。そして「周りの(日向坂46の)メンバーも『おめでとう! 観に行くよ!』って言ってくれて。今日の衣装も事務所でメンバーが『絶対この柄の衣装が似合うよ』と選んでくれたんです。そういうみんなの気持ちも背負ってがんばりたい」と、日向坂46メンバーとの絆に支えられていることを話した。
もともと原作マンガやアニメの大ファンで、かつユーリが“推しキャラ”だったという瀧澤は、出演の話を受けたときを「(原作内の)ユーリのように理性を失うくらい喜びました。自分が推しを演じられるんだ、と」と振り返る。さらに瀧澤はユーリと同じ身長179cmで姉がいること、本公演の開幕直前にユーリと同い年の20歳を迎えることを明かし、共演者たちをどよめかせた。
会見の終盤では2022年の振り返り、そして2023年への意気込みが各キャストに問いかけられた。瀧澤は円神として数々のライブを実現させ、ドラマやミュージカルへの出演も果たした1年を回顧し「この経験を生かして『SPY×FAMILY』に臨みたいです。『わくわくっ!』していますし、この作品をよくするためなら何だってする。何だってだ!」と、原作ファンらしくアーニャやユーリのセリフを引用してアピールした。
佐々木は「日向坂46の夢だった東京ドームのライブをやったり、個人としてもドラマに出たり、夢だったことがたくさん叶った幸せな1年でした」と振り返り、「来年は『SPY×FAMILY』もありますし、いろいろ挑戦していきたい」と気合を見せ、森崎は「僕自身にとっても全世界もいろいろな情勢が変わる年で、エンタテインメントをできているという幸せを改めて実感した年でした。『SPY×FAMILY』は明日への糧になるようなエンタテインメント作品ですので、精一杯お届けしたい」と上演に向けた思いを語った。