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3年ぶり有観客「hide Birthday Party」満員御礼!スプレビメンバー大暴れの「TELL ME」で大団円

「hide Birthday Party 2022」集合写真(撮影:株式会社 LINKSOLU 大武ひろあき)
1年以上前2022年12月12日 1:01

hide(X JAPAN、hide with Spread Beaver)の58回目の誕生日を祝うライブイベント「hide Birthday Party 2022」が、昨日12月11日に神奈川・CLUB CITTA'で開催された。

「hide Birthday Party」はhideの誕生日である12月13日前後に毎年行われているイベント。新型コロナウイルスの影響で無観客配信ライブが続いていたが、3年ぶりに有観客となった今年はDJ桃知みなみ、Calmera、heidi.、DIE、SPEED OF LIGHTS、Chirolyn、MADBEAVERS、ZEPPET STORE、defspiral、I.N.A.(hide with Spread Beaver)、PATA(X JAPAN、Ra:IN)が出演し、会場を埋め尽くすファンの前でhideのバースデーを祝った。

桃知みなみが開園時DJでフロアを盛り上げたあと、トップバッターを飾ったのはCalmera。彼らはhideのジャジーなインスト曲「Cafe Le Psyence」を冒頭で演奏し、西崎ゴウシ伝説(Trumpet, G, Per)が「hide Birthday Party」の開会を宣言。彼は2006年のバンド結成後、2013年にもともとhide関係の仕事をしていたスタッフに見い出されたことや、約7年前にそのスタッフがhideのもとへ旅立ったが“最後のhideチルドレン”としての自負を持って活動していることを伝えた。また西崎はhideが1stソロツアーで使用したのと同じFernandes製の真っ赤なギター・Hモデル(通称“くじら”)を抱え、hide with Spread Beaver「ever free」のインストスカバージョンをメンバーとともに披露。豊かなホーンセクションのアンサンブルと軽快なギターカッティングでフロアを熱く盛り上げた。続いて登場したheidi.は、hide「Beauty & Stupid」でhideファンの心を一気につかむ。さらに「月光ショータイム」「一瞥」という自身の代表曲を連投して観客のヘッドバンギングを誘い、ラストにはhide with Spread Beaver「ピンク スパイダー」をカバー。このイベントならではのセットリストで観客を楽しませた。

次なる出演者はhide with Spread Beaverのメンバーとしても知られるキーボーディスト・DIE。彼はグランドピアノの前に座り、昨年発表したアンビエント系のピアノインスト曲「NO GRAVITAS」や、今年発表した「CRAZY FOR YOU」とムーディな曲を紡ぎ、熊本地震の復興支援アニメ「なつなぐ!」の劇伴曲「心ほどいて」などを披露。またメドレーではオリジナル曲の間にhideのミディアムチューン「FLAME」を弾き語って観客を喜ばせた。MCでDIEは「暴れん坊のDIEも少し大人になりましてね(笑)、最近はピアノのこういう音楽をやっています。春には(hide with Spread Beaverのライブが)ありますね。もう還暦ですよ!」と話して場内の笑いを誘った。次なる出演者であるSPEED OF LIGHTSは、観客と一緒にカウントダウンをしてから名刺代わりのスペーシーなロックチューン「SPEED OF LIGHTS」を投下。疾走感のあるサビでは観客が腕を大きく振ってステージにエールを送る。またCUTT(Vo, G)は曲中にhide with Spread Beaver「ROCKET DIVE」のギターソロを織り交ぜてhideファンを笑顔にさせた。そして「千葉県船橋市からお越しのホンマキヨシさんです、どうぞー!」というCUTTの呼び込みに、スペシャルゲストとしてMADBEAVERSのkiyoshi(G)が登場。kiyoshiは“サナエ”の通称で知られる変形ギター・ベルゼブブを低く構え、Zilch「Electric Cucumber」とhide「POSE」のカバーで参加。時折、中指を立てたり、ピックを投げたりとおなじみのパフォーマンスを織り交ぜつつ、ヘヴィなギターリフを響かせた。

Chirolynはベース弾き語りスタイルで出演。同期に合わせて10月に発表された最新アルバムの表題曲「Release yourself」などでソウルフルな歌声を響かせる。「Waiting for the Sun」を歌い終えたあとには「横須賀の夕日が見えてまいりましたでしょうかね。ああ、気持ちいいぞ!」と奔放なトークをし始める。その中で、アルバム「Release yourself」をR&B / ソウル部門で配信リリースしたところ、Apple Musicのチャートで収録曲「ピンク スパイダー」が48位にランクインしたと報告。拍手を浴びる中、Chirolynは「ロックじゃなくてR&B / ソウル部門で48位ですよ。ブルーノ・マーズに勝っていたタイミングもあったんだから! hideも喜ぶんじゃないかな」とコメントしたほか、「フィラデルフィアソウルを日本語で歌うとなぜか昭和歌謡になるの!」とテンション高く話した。最後にはROTTENGRAFFTYのNOBUYA(Vo)をゲストに迎え、ファンキーなスタイルの「ピンク スパイダー」をカバーした。

hide with Spread Beaverのメンバーが、ロック以外のジャンルの音楽を届ける機会が目立つ今回の「hide Birthday Party」。そんな中、寺沢功一(B)が別現場だったため実の息子である寺沢リョータ(B)をサポートに迎えたMADBEAVERSは、「ロックンロールしようぜ!」というkiyoshi(Vo, G)の宣言に続いて、hide with Spread Beaver「FISH SCRATCH FEVER」のカバーでロックなショーの幕を開けた。骨太なサウンドで「突然炎のように」などを響かせたのち、kiyoshiは今年4~6月に愛知で行われたhideにまつわる特別企画展「hide The 23rd Memorial 特別企画展 PSYCHOVISION hide MUSEUM Since 2000」を訪れたこと、そしていまだ多くのファンに愛されているhideの存在について回想。来年の春に控えるhide with Spread Beaverのワンマンライブに向けては「(1998年の)『Ja,zoo』のときとは違うライブができるんじゃないかって、みんなに期待しています。一緒にロックンロールしようぜ!」と合言葉のように「ロックしよう」と何度もオーディエンスに呼びかけた。なおkiyoshiのメッセージは、hideの亡きあとに残されたメンバーだけで行われた1998年の全国ツアー「hide with Spread Beaver appear!!"1998 TRIBAL Ja,Zoo"」の各公演において、hideを失った悲しみからファンが一様に号泣しているような状態だったことを受けてのものだ。MADBEAVERSはそんなkiyoshiの言葉のあと、天国のhideに向けた手紙のような曲「A walk in the sky」をhideとhideファンに捧げた。

ZEPPET STOREは木村世治(Vo, G)、五味誠(G)、赤羽根謙二(G)、中村雄一(B)、YA/NA(Dr)、サポートメンバーにHAZE(Dr)を迎えた6人編成の“ラウドスタイル”でステージに上がった。彼らはオルタナティブロックのバイブスたっぷりな轟音とともに、hideもお気に入りだった曲「FLAKE」や、1999年発表の「CROSS」という全編英語詞の曲を序盤に演奏。hideの曲「GOOD-BYE」のカバーでは、リズム隊の分厚いサウンドがボトムを支え、五味がギターをかき鳴らして音の洪水を生み出した。その後、6人は自由について歌う「TO BE FREE」、ライブ定番曲にして“人生”にまつわる思いを込めた「THE GAME」を披露。爽快な余韻を残してステージをあとにした。defspiralはクールに定位置に着き、「AURORA」「PULSE」で重厚なサウンドを響かせる。その後、Calmeraのホーン隊を迎えてhideもカバーしたことのあるKing Crimson「21st Century Schizoid Man」のイントロから、hide「BLUE SKY COMPLEX」へ。「BLUE SKY COMPLEX」はホーンセクションが重要なパートを担うロックチューンで、Calmeraのハリのある演奏にdefspiralのヘヴィなバンドサウンドとTAKA(Vo)のパワフルな歌声が混ざり合い、会場の熱気を一段と高めた。Calmera退場後、入れ替わるようにDIEが招かれ、「FLAME」でセッション。DIEの奏でる優しいピアノの音色に導かれるようにTAKAが感情のこもった歌声を響かせ、観客の感動を誘った。TAKAはフロアを見渡し、「愛のある空間。僕らは音楽でhideさんにいつでも会いに行けると思っています」と述べた。

イベントの終盤には、defspiralがバックバンドを務める形で、I.N.A.とPATAがステージに姿を見せる。大きな拍手が沸き起こる中、彼らは「ピンク スパイダー」を披露。PATAの奏でる轟音のギターサウンドに観客は大きな拍手を送った。そして最後にはオールキャストがステージに集結し、hide「TELL ME」を演奏。ボーカルにはhideのレコーディング音源が使用され、過去と現実がリンクするhideのオフィシャルイベントならではのセッションが展開される中、DIEはショルダーキーボードで動き回り、kiyoshiやChirolynが大暴れするという派手なセッションでイベントは締めくくられた。

なお来年はhideが「EYES LOVE YOU」「50%&50%」というシングル2作品でソロデビューを飾ってから30周年の節目にあたる。そんなタイミングでhide with Spread Beeverが2023年4月29日に大阪・Zepp Osaka Bayside、hideの命日にあたる5月2日に神奈川・神奈川県民ホールでワンマンライブを開催することが改めて告知された。また先日、21年ぶりのワンマンライブと告知されたが、21年前のワンマンライブではメンバーのK.A.Z(G / OBLIVION DUST、VAMPS)が参加できなかった。このため完全体としてのhide with Spread Beaverのライブは1998年のツアー以来、実に25年ぶりであると訂正された。そしてK.A.Zからのテキストメッセージとして「コロナ禍や戦争で難しい世の中の状況ではありますが、そんな時こそhide with Spread Beaverとライブで思いっきり打ち上がって、皆んなとハッピーな時を過ごせたらとおもいます 一瞬一瞬を素敵な時間に塗り替えていきましょう」という文章が紹介された。このほか、来年春に大阪・大丸梅田店でhideの特別企画展が行われることが告知された。終演後にステージに登場したhideの実弟・松本裕士氏(ヘッドワックスオーガナイゼーション代表取締役)は「念願の生ライブ。皆さんのおかげでできました! これからも前を向いてがんばっていきますので! 皆さん、お気を付けてお帰りください!」と来場者に声をかけた。

「hide Birthday Party 2022」2022年12月11日 CLUB CITTA' セットリスト(カッコ内はオリジナルアーティスト)

Calmera

OP. Cafe Le Psyence
01. No Chaser
02. IDOLA
03. ever free(hide with Spread Beaver)
04. 満身創痍
05. Hottest Hippies

heidi.

01. Beauty & Stupid(hide)
02. 月光ショータイム
03. 一瞥
04. ピンク スパイダー(hide with Spread Beaver)

DIE

01. NO GRAVITAS
02. CRAZY FOR YOU
03. 心ほどいて
04. Great Scenery~FLAME~Merlion~FLAME
05. MY LOVE

SPEED OF LIGHTS

01. SPEED OF LIGHTS
02. S.E.T.I.
03. Electric Cucumber(Zilch)
04. POSE(hide)
05. Home

Chirolyn

01. Release yourself
02. 真夏の夜のティーダ
03. Waiting for the Sun
04. 暇乞い
05. ピンク スパイダー(hide with Spread Beaver)

MADBEAVERS

01. FISH SCRATCH FEVER(hide with Spread Beaver)
02. 突然炎のように
03. A walk in the sky
04. DEVILS
05. BLACK SUNSHINE

ZEPPET STORE

01. FLAKE
02. CROSS
03. GOOD-BYE(hide)
04. TO BE FREE
05. THE GAME

defspiral

01. AURORA
02. PULSE
03. BLUE SKY COMPLEX(hide)
04. FLAME(hide)
05. HALO

defspiral+I.N.A.&PATA

01. ピンク スパイダー(hide with Spread Beaver)

ALL CAST

01. TELL ME(hide)

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