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のっちはゲームがしたい! 第13回(後編) 初めての「東京ゲームショウ」はどうだった?ファミ通編集長&TGS事務局長と感想を語り合いました

のっちさん
2年以上前2022年12月16日 11:05

9月15日から18日にかけて千葉・幕張メッセで開催された世界最大級のゲームの総合展示会「東京ゲームショウ2022(TGS2022)」に行ってきたPerfumeのっちさん。前編ではその様子をレポートしましたが、後編では会場見学に同行していただいた「週刊ファミ通」編集長の嵯峨寛子さん、東京ゲームショウ事務局長の田辺太陽さんと一緒に、今年のTGSを振り返りながら感想を語り合います。

取材 / 倉嶌孝彦・橋本尚平 文 / 橋本尚平(取材後記は除く) 撮影 / 上山陽介 ヘアメイク / 大須賀昌子 題字 / のっち

一番感動したのは、テーマパークっぽい“体験してもらい方”の演出

のっち わかってはいたんですけど、規模感にびっくりしました。私もゲームが好きでいろんな情報をチェックしてるし、お友達が「東京ゲームショウに行ってきたよ」って言ってるのを聞いて憧れてたんですけど、ここまでの規模で盛り上がってるとは思わなかった。もちろん知っているタイトルもあれば知らないタイトルもあって……あれはスクエニ(スクウェア・エニックス)さんの新作でしたっけ?

嵯峨寛子 「FORSPOKEN」ですかね?

のっち とか、そういうのを「なんなんだろうこれは」って思いながら見てました。各社が今推している作品を知れて面白かったです。

嵯峨 音楽フェスで見る幕張メッセとはまた違いましたか?

のっち 全然違いました! なんだろう。ビジネスデイだったからというのもあるのかもしれないけど、音楽フェスの会場で感じる「楽しもうぜ!」という熱気だけでなく、「とにかく知ろう!」という情報を求める前のめりさを、来ている皆さんからすごく感じて。

嵯峨 「限られた時間内でいろんなことを知るぞ」という熱気は、特にビジネスデイでは強いですね。海外から来ている方も多いですし。

のっち あちらこちらから最新ゲームの名前が聞こえてきたり、「AI売ります」みたいなブースがあったり、未知の世界に来た感覚でした。ここでいろんな出会いがあったりゲームが生まれたりしてるんだなって。みんなここに向けて自分たちの作品を仕上げてきてるし、お客さんも何かあるって期待して来てるんだなって感じました。一番感動したのは、KOMODOブースでのSteam Deckの“体験してもらい方”の演出ですね。ほとんどの人が初めて触るものだから、ただ試遊させるんじゃなくて、まず最初にみんなで集まってムービーを観ながら基本的な操作を覚えるっていう。なんかテーマパークっぽいなと思いました。そのあと各々が棚からSteam Deckを手に取って、自分が座る椅子を選んで、という一連の流れにワクワクしました。

田辺太陽 確かに、おっしゃるようにテーマパークみたいでしたね。ゲームショウでは珍しい演出です。

嵯峨 しっかり広い空間に椅子やソファが置いてあって、楽しませようっていう気持ちを感じましたね。やっぱり各社さん、とにかくたくさんの人に試遊してもらえるようにモニタをいっぱい置かなきゃと思って、スペースがギチギチになることも多いので、あんなにゆったり座れるのはかなり珍しいんじゃないかと。

田辺 今回はブース内に感染対策を施してもらうようにお願いしているので、各社いつもよりはゆったり目にブースを作ってくれているんですけど、それにしても僕もあまり見たことがない形でした。

のっち Steam Deckを試してみるなら、やっぱり1人の空間が欲しくなりますもんね。実際に自分の部屋にいるみたいにリラックスして遊んでみたい。うちにもPCはあるんですけど、なかなか手が伸びなくてあんまり立ち上げてないんですよね。家のネット回線が弱いからっていうのもあるんですけど(笑)。だから今、めっちゃ気になっています。

嵯峨 テレビの前でソファーに座って“ながら”でPCゲームができるのはすごくいいですよね。今はSteamで本当にいろんなゲームが遊べますし。Steam Deckは内蔵ストレージの容量違いで3種類のモデルがあって、一番リッチなモデルは約10万円するんですけど、ゲーム目的でPCが欲しい人なら、10万で最上位が買えると思えばいいハードじゃないかなって思います。

のっち そうですよねー。

田辺 3段階のグレードが用意されると、日本人って上から買っていくんですよ。興味深いことに皆さん、松竹梅があったら松から選ぶ傾向がある。

のっち うわ! そうなんだ。あれって、真ん中のを安く見せて買ってもらうために高いのを作ってるんだと思ってました(笑)。

田辺 ほかの地域だとスタンダードタイプが売れるんですけど、日本ではハイエンドモデルから売れますね。

嵯峨 まさに私の同僚も、「あとで後悔するよりは」って一番高いのを選んでました(笑)。

TGSはディズニーランドみたいなものですよね

のっち あとはPS VR2でやった「バイオハザード ヴィレッジ」。怖かった(笑)。

嵯峨田辺 おつかれさまでした(笑)。

のっち 10分間くらいやってたのかな?

嵯峨 PS VR2を装着したりする時間も含めたらもっとありましたね。

田辺 レクチャーの時間もしっかりありましたしね。

のっち 初めて触るものだったので、スタッフのお姉さんが優しく教えてくれてよかったです。VR、めっちゃ進化してましたね。

嵯峨 そうですね。初代PS VRと比べると、まずコードが細くなってるんですよ。昔は太いコードでつないでいたんですけど、PS VR2はUSBケーブルをつなぐだけなので、かなり手軽になっていますし、画質も上がっています。

のっち すごかったです。PS VRはお誕生日に友達にもらったので、うちにもあるんですけど、「バイオハザード7 レジデント イービル」をやってみたら、最初のシーンをちょっとだけやって「もう無理!」って外したくらい怖かったんですよ。でも今日はみんながいる手前……(笑)。

嵯峨 がんばってくださって、ありがとうございました(笑)。

田辺 「のっちさん、その扉を開けてください! まだ何も怖いもの出てきていませんよ!」って周りから言われながら(笑)。

嵯峨 せっついてしまいまして、すみません(笑)。

のっち 画質はめちゃくちゃきれいでした。怖くて前が見れないので、主に景色を見てたんですけど(笑)。お城もきれいで本当にそこにいる感じがしました。

田辺 没入感がこれまでよりもさらに上がっているんですかね。

のっち 上がってました。装着感も、全然重くないし居心地の悪さがなくて。バイオ好きには絶対にオススメですね。私も改めておうちでやってみたいと思いました。10分が限界かもしれないから、休み休みできるのであれば(笑)。私、初代PS VRのほうで、家庭教師になって女の子と遊ぶゲームをやってたんですよ。

嵯峨 「サマーレッスン」?

のっち ですです。そこからOculus Quest 2(現:Meta Quest 2)でも遊んだりしてたので、めちゃくちゃ進化してるのを感じました。PS VR2は最初の設定で目線のトラッキングがあるんですけど、そんなことしちゃったら、それこそ「サマーレッスン」では目のやり場に困っちゃいますよね(笑)。

嵯峨 TGSで「サマーレッスン」が展示されたときに私もやったんですけど、ちょっと恥ずかしかった記憶があります。「この画面をみんなに見られてるのかな」って(笑)。

のっち 「スーパーボンバーマン R 2」も楽しかったですねー!

嵯峨 弱くてごめんなさい(笑)。全然できなかった。ナタリーさん、まったく忖度がありませんでしたね(笑)。

田辺 ひさびさに「ボンバーマン」をやりましたが、やっぱり楽しいですよね。単純なルールなんですけど。

嵯峨 その単純なところが今でも面白い理由なんでしょうね。みんなでワチャワチャして楽しかった。

のっち 私は64人同時対戦の「スーパーボンバーマン R オンライン」を普通に遊んでるんですけど、めちゃくちゃ下手なんですよ。だから今日のために練習しようと思って昨日もやって、うまくいくかなと思ったんですけど、その成果を全然発揮できなかったなあ。誰も実際に触れたことがない新作でああやってみんなで遊べるの、面白いですね。

嵯峨 最近は発売前に体験版が配信されることも多いですけど、体験版を配信するためにはプラットフォームのテストを通らないといけないので、メーカーも若干の準備期間が必要になっちゃうんですね。でもゲームショウなら、まだ開発中のバージョンを気軽に試遊してもらうことができるんですよ。

のっち あとは最初に行ったスクウェア・エニックスのメガシアター。ずっといれそうでした。

嵯峨 あそこでいつまでもボーッと眺めてるのも楽しいんですよね(笑)。スクエニさんは発売されるタイトルが多いから、全部観ようとすると30分はかかると思うんですけど。

のっち そうですよね。だからTGSって本当に1日中楽しめるイベントなんだなって思いました。

嵯峨 ディズニーランドみたいなものですよね。1日かけていろんなアトラクションを体験して、ごはんを食べてグッズを買って、みたいな(笑)。ゲームの最新情報を知りたいだけなら今はネットでだいたいのことは知れるんですけど、現地に来て実際にゲームをやって好きになる体験ができるという、TGSの楽しみってそういう部分がすごく大きいと思うんです。だから、ゲームのキャラと一緒に写真を撮れたり、サッカー選手になれたりみたいな、“体験”を提供しているブースが多いんですね。

のっち こういうところで触れた思い出が愛着になって、「発売されたらまた遊ぼう」って気持ちに今なってます。

インディーゲームって言葉はそのうちなくなるかもしれないですね

のっち 今日行かなかったところだと、途中で通りがかった「PUBG」のブースがカッコよくて印象に残ってます。

田辺 ああー。

のっち 透明なボックスの中に1人ずつ入って、ヘッドフォンを付けて対戦してて楽しそうでした(笑)。あとはPC周辺機器とかを展示してるブースも気になりましたね。

嵯峨 本当はゲーミングチェアの座り比べとかもしていただけたらよかったんですけどね。

のっち あー! 座ってみたい! 確かにゲーミングチェアって、試せるお店もあるけど……。

嵯峨 各店舗を回ったりがなかなかできないときに、こういう機会に各社が出している椅子に実際に座って比べるのはいいと思いますよ。

田辺 ゲーミングチェアって、「私はこれだな」っていう好みは、けっこう人によって差がありますからね。

のっち 私は動画で人が説明しているのを観て「これがいいかな」って選びがちだから、実際に座りながら選べるのはメチャクチャいいなあ……。

嵯峨 あと時間がなくて立ち寄れなかったんですけど、物販ブースにも行けたらよかったですね。お買い物もTGSの楽しみの1つではあるので。

のっち ああ、そうだそうだ! 会場マップを見たら物販ブースがめちゃくちゃ広くとってありましたね。

嵯峨 行くとついつい買っちゃうんですよ。お財布のひもが緩くなる、イベントならでは感覚になります。

田辺 会場のテンションがそうさせちゃいますよね。

のっち へえー! 行ってみたい! いっぱい買っちゃいそうだな。

田辺 ほかに今日行けなかったところでいうと、インディーゲームコーナーも面白いです。TGSは皆さんが知っているような世界的に有名なタイトルだけでなく、まだゲーム事業を始めたばかりの会社が作ったタイトルや、個人で作っているタイトルなども世界中から集っているんですよ。そして、そういうブースは開発者がすぐ近くにいるんです。だから「これってどうなってるんですか?」みたいな話を直接聞きながら遊ぶことができて。

のっち へえええ! 面白い。

嵯峨 そこから世界的なヒット作が生まれる可能性もありますしね。

田辺 多種多様なジャンルのゲームがあって、普段あんまり触れないようなゲームでも遊べるので、もしこのあとお時間があればぜひ行ってみてください。

のっち 試遊もできるんですね。インディーゲームコーナーに出展している人は、皆さん「TGSに参加したいです」って応募するんですか?

田辺 お金を払って出展するパターンもありますし、選考出展と言って、500社以上の応募の中から審査委員会がいいなと思った78社が無料で出展できるというパターンもあります。さらにその中からさらに選ばれたトップ8が明日(※9月16日)プレゼンテーションをして、審査員がインディーの今年の「センス・オブ・ワンダー ナイト2022(SOWN2022)」の“Audience Award GP”を決めるんです。賞金は3000ドルなんですけど、今は円安だから例年よりも若干おいしいですね(笑)。

のっち やっぱり話題になったら遊んでみたくなりますよね。

田辺 インディーゲームって重要なんです。今年の選考出展はソニーさんや任天堂さんなどがスポンサーとして協賛してるんですけど、彼らにしてみたら、優秀な面白いゲームがあれば自分たちのプラットフォームで開発してほしいんですよ。「プレステで出してください」「Switchで出してください」って。

のっち はあー、なるほど。

田辺 最近はマルチプラットフォームのタイトルも多いですけど、とはいえプレステが主となるプラットフォームになれば、ゲームがヒットしたときにプレステも盛り上がりますから。

嵯峨 大手メーカーが作るゲームって世界中に売らないと採算が取れないくらい制作費がかかるから、新作タイトルの数はだんだん減ってるんですよね。でも一方でインディーは小規模でフットワーク軽く作っているので、短期間にいろんな種類のゲームを発表できるんです。ソニーさんや任天堂さん、マイクロソフトさんは、そういう人たちにいろんなゲームを作ってほしいから、インディーを支援してそこから生まれるものに期待している。そんな背景があるんです。

のっち 私は実況を観てそのゲームをやりたくなることが多いので、それがインディーゲームだと気付かずに遊んでることもよくあるんです。今はインディーゲームであっても動画をきっかけに流行ったりしてそうですよね。

嵯峨 「有吉ぃぃeeeee!」みたいなテレビ番組でもインディーゲームを扱ってますしね。でも最近はインディーゲームへの期待が高まりすぎて、インディーメーカーが結局お金と時間をたっぷりかけた大作を作ってるみたいな状況も起きてるので、難しいところだなと。ただ、そのうちインディーって言葉はなくなるかもしれないですね。

田辺 ユーザーは全然気にしてないですしね。インディーかどうかって。

嵯峨 昔は海外メーカーのゲームを「洋ゲー」って言ってたじゃないですか。

のっち 洋ゲー! 聞いたことある!

嵯峨 でも今は言わない。当たり前のようにみんなが海外ゲームをプレイしてるから。これからはインディーも当たり前な存在になって、そういう呼び方自体がなくなっていくのかもしれません。

コロナ禍を振り返るとPerfumeも、ただ「何もできなかった」わけじゃなかった

のっち 嵯峨さんは雑誌編集の立場で毎年TGSに来てると思うんですけど、ブースを見て「このタイトルを推そう」って決めることもあるんですか?

嵯峨 実際に遊んでみて面白かったかどうかはもちろん判断材料です。「面白かったから取材を申し込んでみよう」とか。あと、ゲームショウは各社さんが今後推していくタイトルが一堂に会している場所だから、「今後どのタイトルが特にプッシュされるのかな」というのはブース内のコーナーの大きさからわかったりするので、そういうのも参考にしてます。

のっち 「意外と盲点だった」っていうタイトルもあるんですか? 事前に全然気にしていなかったのに、始まってみたら「このゲームがめっちゃ盛り上がっているぞ」みたいな。

嵯峨 海外のタイトルまでいくと、情報が入ってきていなくて把握できないこともあるので、「こんな個性的なタイトルだったんだ……!」と気付かされたりはありますね。ネットで自分から情報を取りに行くときは知れる範囲が狭いんですけど、TGSだと会場を歩いていたらなんとなく目に入ってくる情報がいっぱいあるから、興味を惹かれて発見につながることは多いです。それはネットでの情報収集とは違う、イベントならではのいいところだと思います。

のっち やたら人だかりができてて「なんだろう?」ってところ、今日もありましたよね。

嵯峨 例えばTHQ Nordicさんのブースに設置されてたプロレスのリング(※翌16日から18日まで実際にプロレスラーによるエキシビジョンマッチが行われた)もそうですけど、面白そうだなと思って観に行くと、自然とほかのタイトルも目に入ってくるんですよ。だから各社、視線を集めるために工夫をこらして、大きな石像を置いてみたりコンパニオンさんが奇抜な格好をしてみたりするんです(笑)。そういうのを見ているだけでも面白いですね。

田辺 情報だけならいつでも手に入るんです。検索したりSNSを使ったりすれば知りたいことは知れる。TGSもこのコロナ禍で過去2年はオンライン開催だったんですけど、でもやっぱりエンタテインメントという業種において「実際に体験できること」はすごく重要なんですよね。来場者側だけでなく出展する側も同じで、ただ最新情報を告知するだけならWebでいいんですけど、やっぱり自分たちが開発したゲームの来場者の反応を見たいんです。こういう場でなければ、プレイヤーがどういう反応をするのかを、開発者が生で見ることはなかなかできないので。来場者にとっても出展者にとっても、体験できるというのはゲームショウの醍醐味ですし、どれだけ情報化が進んでもリアルイベントの存在価値はなくならないだろうなと思いますね。

のっち 確かに。

田辺 今年は海外から来る方々がすごく多くて、初めて「海外サポート窓口」を作ったんですよ。コロナ前はアメリカやイギリスから日本に移動するときにビザは必要なかったけど、今はすべての国・地域から日本に入るときにビザが必要なので、その面倒な申請をサポートするための。

のっち へえー! すごい!

田辺 海外からもたくさんの方に来場してほしいなという思いがあったので。「東京ゲームショウ」は名前に「東京」と入っていますが、国内だけに目を向けているわけではなく、日本でゲームの仕事をしようと考えている外国の出展者にとっての、ビジネスのハブになることを目指しているんです。だからリアルな場は必要だなと感じていたんですよね。ここ2年オンラインで開催してみて、まあできたはできたんですが、やっぱり今回3年ぶりに集まって会うことができたら本当にうれしかった。人数制限をしているのでまだ完全版とは言えないんですけど、コロナ禍になってずっと念願だったことが今年ようやく具現化できてよかったです。

のっち Perfumeも、コロナ禍でライブができなかった時期にオンラインフェスをやったんですけど、今振り返ると、ただ「あの期間は何もできなかった」わけじゃなくて、「あの期間に培ったものを自分で吸収してよりパワーアップすることができた」という気がするんですよね。同じ時間を積み重ねたファンのみんなの気持ちを改めて感じられたこともそうだし。あと、オンラインでの活動に対してすごく寛容になったとか……。

田辺 ああ、それはわかります(笑)。

嵯峨 2年間のオンライン開催で培ったスキルや経験が生かされているのが今回のオフライン開催なんだと思います。

のっち だから、やることが増えましたね(笑)。

嵯峨 そうそう、それは確実にそうです(笑)。

田辺 増えましたねえ。「これやれるよね?」ってことがいっぱい(笑)。

のっち うん。この3年間で、みんなの中でいろんなことの楽しみ方が変わってきたのも感じるし。

嵯峨 ユーザーが楽しめる選択肢が広がったのは、いいことだなと思いますよね。

あれ? よく見ると田辺さんの胸元に……

のっち 今日初めて来るまでは「東京ゲームショウ」って、「本当のゲームファンじゃなきゃ行っちゃダメ」みたいなハードルの高いものなんじゃないかと思ってて(笑)。

嵯峨 なるほど(笑)。まあ確かに、そう思っている人はいますよね……。

のっち だから憧れの場ではあったんですけど、実際にお客さんとして来てみたら、もっと気軽な感じの場所でした。ゲームソフトの最新情報を知れるだけじゃなくて、ゲーム界隈というか、周りでゲームを盛り上げようとしている人たちの熱を感じられたのがすごく新鮮で。……でもやっぱちょっとハードルは高いかな。今日みたいに、ゲームに詳しい人に連れて行ってもらいたい(笑)。

嵯峨 「ゲームに詳しい先輩が連れて行ってくれる」っていう体験ツアーのプランがあるといいですよね(笑)。

田辺 いや、これから作ればいいんですよ。のっちさんのために(笑)。

のっち 好きなタイトルがあればそこのブースに一直線できるけど、漠然と「なんか新しい情報が知りたい」と思って来たときは、「これが話題になりそうだよ」とか「ここを押さえておけばゲームショウをバッチリ楽しめるよ」みたいなのがわからないので。やっぱり配信番組で予習したりするのが重要なのかな?

田辺 今のっちさんがおっしゃっていたように、多くの人は自分の好きなタイトルのブースを目当てに会場に来るんです。新作を試遊したいとか、ゲームのノベルティをもらいたいとか。でもこういう複合イベントって、偶然の出会いがあるのがいいところで。目当てのブースに向かう途中でも、今まで自分が知らなかったゲームと出会えたり、気付きを与えられたりする機会がたくさんあるんです。だからコアなゲーマーの方はもちろん、ライトなユーザーの方にもぜひ来ていただければと思っています。

嵯峨 敷居の高さについては我々も、もうちょっと下げないといけないなと感じてるんですけど……。

田辺 そんなに高いかなあ?(笑)

嵯峨 別に「ここは押さえておかなきゃダメ」みたいなことは考えなくていいんですよ。さっきディズニーランドに例えたんですけど、本当にテーマパークみたいな場所で、試遊しなくても楽しめます。せっかくだから1個くらいは遊んでほしいですけど、とりあえず会場内をうろうろしていれば、何かしら面白いオブジェや面白げなステージイベントが目に入るので。歩くだけで楽しいので、デートとかで来てもらってもいいと思うんですよ。

のっち あー!(笑) 確かに歩いてるだけで楽しいです。フードコートのごはんもおいしそうでした。

嵯峨 そうそう。で、最後は海浜幕張のアウトレットモールで買い物をしていただいて(笑)。TGS参加者で、あそこで服を調達する人、けっこういるんですよ。「幕張に遊びに来たからゲームショウにも行くぞ」みたいな感じで、気軽に足を運んでくれたらいいですね。

のっち そういう楽しみ方はいいなあ……。今日は1日、いろんなところに連れて行ってもらって楽しかったです。どうもありがとうございました!

ナタリー編集部 ちなみにのっちさん、お気付きでしたでしょうか……? 田辺さんの胸元に今日1日あったものを……。

のっち (田辺さんのスタッフパスケースにPerfumeオフィシャルファンクラブ「P.T.A.」の会員証が入ってるのを見つけて)あれっ! はっ? えええーっ!?

田辺 ネタを仕込んできたんですよ、いつ気付くかなと思って(笑)。

のっち まったく気付かなかったです!(笑) うっれしい!

田辺 2013年くらいから会員なんです。だから今日、実はすごく緊張していて。普段よりだいぶ大人しかったと思います(笑)。

のっちさんの取材後記

こんにちは、ねてもさめてもポケモン実況見てます。のっちです。


まじでいつも見ているゲーム実況者、配信者のほぼ全員がポケモン始めちゃったので、もうずっと見てます。ねてもさめてもです。


ポケモンシリーズ最新作「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」が11月にリリースされました。

で、私はバイオレットをエンディングまでクリアしました!

わたし1988年生まれの、小学校の帰り道で「ポケモン言えるかな?」を合唱してたガチガチポケモン世代なんですが、初代の「ポケットモンスター緑」と「ポケモンGO」を本気で遊んで、あとは全部は見てないけどたまにアニメとか映画とかゲーム実況見るくらいで、ポケモンは大好きなんだけど、きっと長い歴史の20年分くらいはゴソっと抜けてるんですよね。


そんな人間がどうしても今回のポケモンをやりたくなった理由は、、最初のポケモンを選ぶ、をしたかったからです!!!
冒頭シーンで、旅を共にするパートナーのポケモンを3匹の中から選ぶんですけど、今回特に話題になってた「ニャオハ」っちゅう緑色の猫の見た目のポケモンが、とにかくあざと可愛くて。
わたし絶対ニャオハと旅する!!!と決めてました。


始まって約15分。
3匹からパートナーを選ぶ局面を迎えます。


そして、気づいた時には赤いワニの「ホゲータ」を選んでました。 ?

選ぶ前に3匹とちょっとだけ散歩するんですけど、歩いたり困ったり喜んだりする仕草を見てたら、ホゲータのホゲ~と大きく口を開ける笑顔が可愛くて、この笑顔守りたい…と思っちゃったんですよね。
ああああホゲち可愛いよおおお!
今回のポケモンはオープンワールド。3つのストーリーラインを同時に進められて、かつ好きな順番で回れる、超自由な作りです。
実況見てたら、攻略の仕方によってシーンやセリフが増えたり減ったり。変化してるようでした。
お子さんでもクリアできる作りだったし、大人は、自分の好きなように勝手にルールをもうけたり、強いポケモンを育て上げたり。
ひとりひとりに違う楽しみ方を見つけさせてくれる懐深さが、ポケモンの人気の秘訣なんだなあと思いました。

わたしはとにかくレベルを上げて強い状態で圧倒的に勝つのと、ストーリーを追うが好きなので、強いポケモンと共にとにかくストーリーを進めました。
ストーリー、、めちゃめちゃ良かったです。
伝説ポケモンの「ミライドン」のことが大好きになったし、ビワちゃんが強くて弱くて優しくてカッコよくて本当いい女で大好きだし、チリちゃんのモンスターボールの投げ方がキザでカッコよくて見る度拍手しちゃうし、ペパーはまじForever friend……。

そして私は今作のライバルキャラ、ネモちゃんについて考える。
ネモちゃんは生徒会長でチャンピオン。とにかくポケモンバトルが好きな戦闘狂。バトルジャンキー。私に負けても悔しがるどころか本気で勝負できることに喜ぶ。勝負への誘いの押しが強すぎてちょと苦手でした。
でも、先生や大人に注意されたら「そうだった!」と引き時はわかってる。
そういえば大人といつも一緒にいるんですよねネモちゃん。

なんかその感じ見てて、入学して大人に会うまでは自分の強さとバトル欲を制御せずにガンガン人に真正面から向かっていって、悲しい寂しい思いをしたり、疑問に思うことが沢山あっただろうなとか思ったり。
"勝者の孤独"って言葉が浮かぶんすよ。

その境地を知ってるからこそ、強くなっていく私、いつかネモちゃんを越えるであろう私に、勝者の孤独を感じさせない振舞いができてるんかなあとか。
生い立ちとか、たまに吐露する言葉からそんな風に思うようになったんですけど。
でもマジヤバの可能性も全然秘めてるところがまた惹かれるよね。笑笑
エンディング後もまだまだやれること沢山あるのでポケモンライフ続きそうです。


さて!
今回は、初東京ゲームショウでした!
嵯峨さん田辺さんの最強タッグに、開催中のお忙しい中案内していただき、感謝感謝ですm(__)m

楽しかったなあ~!!!!
「1日じゃ全部はまわれない」の噂は本当だった……!
時間があれば物販コーナーも行くつもりだったけど、全然無かった!
ので狙ってたグッズは後日オンラインでゲットしました笑
ビジネスデイにお邪魔しましたが、仕事関係の方が展示を見る日、ではなくて本当に商談の場を設けて、ビジネスマッチングが行われていたとは!
海外からの参加者も沢山いらっしゃって、ゲームの業界の発展の場のひとつでした。

ゲームを愛する人達の熱量を肌で感じた1日でした。
嵯峨さん田辺さん、本当にありがとうございました!!


それでは皆さま、2022年もありがとうございました!
年末年始はあったかくしてゲームしながら、たまには音楽番組も観てね。
良いお年を~!!!

次回予告

取材時間内では回りきれなかった場所もまだまだありましたが、初めてのTGSをたっぷり堪能して満足した様子ののっちさん。次回は約2年半ぶりに"特別編"として皆さんに近況をお伝えする予定です。どんな内容になるのかお楽しみに。

Perfume最新情報

2021年8月に神奈川・ぴあアリーナMMで行われたワンマンライブ「Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」の模様を収録したBlu-ray / DVDを12月24日にリリース。12月31日には15年連続15回目となる「第73回NHK紅白歌合戦」に出場します。

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